2021/01/05 15:00

あけましておめでとうございます。しばらくでございます。

妙法寺では、"幻の蕪村画『寒山拾得図』の本堂奉安プロジェクト"として、令和元(2019)年より同図のデジタル複製襖をつくり本堂に奉安するべく、計画を進めてまいりました。

まず、令和元年11月にキャンプファイヤー(Campfire)様においてクラウドファンディング(以下、CFという)を立ち上げ、妙法寺檀信徒様や有縁の皆様に広く呼びかけをいたしました。

お陰様でCF並びに妙法寺直送によって多大なご支援金を賜ることができました。そしてCF等でご案内の通り、蕪村画の撮影費と作品の搬出費の目処が立ちました。本当にありがとうございました。

◎キャンプファイヤー(Campfire)における妙法寺クラウドファンディングページ

https://camp-fire.jp/mypage/projects/208171


CF終了後、リターン(御礼品等)を順次発送し、また、これら支援者様の『芳名帳』を浄書し、去る令和2年3月12日に『クラウドファンディング御礼並びに健康祈願法要』を妙法寺本堂で奉修いたしました。

令和2年は東京オリンピックが延期となるなど、新型コロナウイルスの世界的蔓延によって、私たちの生活も変化を余儀なくされました。何はともあれ、健康第一ですので、元三大師厄除けの寺として、皆々様のご健康を祈念させていただいた次第です。

クラウドファンディングから約半年。CFに記載されている趣旨の通り、この支援金をもって、去る令和2年11月19日にデジタル複製の要諦である「超高解像度撮影」を実施いたしました(=写真)。11月に行ったのは、秋のすがすがしい時候であるというのが大きな理由です。お陰様で当日は仏天のご加護により、お天気にも恵まれました。


前日の11月18日には四国工業写真(香川県高松市)様のスタッフが撮影機材一式の搬入とセッティングをされました。ライトやカメラを移動するための枠やレールを組み立てたり、オペレーティングのパソコンをセットしたりと、半日がかりで本堂外陣に配置されました。

四国工業写真様は写真をベースに、文化財や史料、古文書、行政資料、大型絵図の撮影に対応される専門業者です。

いよいよ撮影本番の11月19日を迎えました。8時30分に到着の四国工業写真様の担当者は撮影のオペレーティングシステムチェックに余念がありません。そして日本通運美術専門スタッフにお越しいただき、朝9時スタートで、まず別棟の収蔵庫から、撮影場所である本堂まで『寒山拾得図』『蘇鉄図』が運ばれました。『寒山拾得図』は襖1枚ずつ運び、合計4枚、『蘇鉄図』は屏風が2セットです。

当日の撮影風景や雰囲気は、写真をご覧ください。とても大がかりなものです。

広い本堂内で、日通の美術専門スタッフが、作品を出すエリア、撮影するエリアを分けて、撮影が順次進められました。超高解像度撮影と申しましたが、『寒山拾得図』は6分割での撮影、『蘇鉄図』は8分割で撮影したということです。上側に設置したカメラを縦横に位置を変えながら順次撮影し、予定していた全ての撮影を終え、機材の撤収は夕方になりました。

当日は地元香川の瀬戸内海放送(KSB)様が取材に来られ、『KSBスーパーJチャンネル』(夕方のニュース番組)において特集として放送される見込みです。


以上のように、クラウドファンディングでご協賛ご支援いただいたお陰をもちまして、作品搬出作業と高解像度撮影が実施された旨、ご報告いたします。

超高解像度撮影の際、瀬戸内海放送(KSB)様が取材に来られました。「百聞は一見にしかず」といいますように、この映像がKSBスーパーJチャンネルで放映されてからのほうが、映像・動画でわかりやすくお伝えできると考えておりました。この放送が未だない状況で、支援者の皆様に一応のご報告をするべきだと考え、この投稿が遅くなりましたことご海容くださいますようお願いいたします。


なお、『寒山拾得図』の複製襖の製作と本堂奉安については新型コロナウィルス禍並びに諸事情により令和3年以降未定ですが、襖が完成しましたら、改めてご報告させていただきたく存じます。

最後になりましたが、新型コロナウィルスによる感染や社会不安の終息が見えない状況が続いておりますが、皆様におかれましてはご健康に留意されまして、お過ごし下さいますようお願いいたします。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。合掌