初めまして。脚本とキャストを担当している太田颯馬です。(左)
僕は、先月の25,26で受験勉強を一応の形で終え、まだ進路も決まっておらず宙ぶらりんな状態でここ数日を過ごしています。
昨日は作品内の楽曲を制作するバンド活動がスタートした日でもありました。そして翌朝、つまり今朝起きてすぐに、僕は押入れの中から電子ドラムを引っ張りだし、ホコリを適当にさっと拭き取り、ネジがゆるゆるになっていた椅子を少し直して座りました。部屋を見渡すと本棚の上にはセンター試験の過去問の赤い背表紙が並んでいました。センター受けたのももう50日も前のことか、と思いましたが特に感慨はなく、自分がこの電子ドラムを入手した時の日を思い出し、下手くそな演奏で醜態を晒した、数々の自身のライブの記憶が急に思い出されました。バツの悪さから部屋の中で「やばっ!」と声に出して、それでも気持ちが収まらないので腕を集中的にかきむしったり、ベッドにジャンプして飛び込みました。落ち着いてきたら、まあ誰も覚えてねえよ。と自分に言い聞かして、それでも一緒にやってくれた同じバンドの人たちには申し訳なさと感謝とを感じて、「悪いね」とハイテンションで呟きました。
過去の自分がしてしまった恥ずべきこと(大概はちょっとしたこと)を頭の中で、僕は何度も繰り返し繰り返し思い出し、そして思い出すたびに「やばっ!」などど言ってしまいます(ちなみに友達といる時とかは、自制します)。どうにもみみっちい性格だと思いますが、僕は大概の人はこんなくだらないことにたくさん時間を使ってしまっているんだろうと思っています。
さて、日記のような形でメンバーが日替わりで文章等を投稿するということなので、参加者の関係性について少し触れようと思います。
大人数で集まる現場での各人の関係性と、メンバー内での二人や三人といった少人数で形成される非常に個人的な関係性は全く異なるものです。大きく違うバックグラウンドを持つ多様な人間が一箇所に集まって、同じレベルである物事を共有するのは非常に難しいものですので、共同体内の「小さな」関係性が重要になってきますし、これが上記の二つの関係性が全く異なる理由の一つだと思います。
また、メンバー各個人間の「仲の良さ」というのは、濃いものもあり、薄いものもあり、このもちろん目には見えないグラデーションが映画制作の現場に存在しており、それを大きく感じる機会もありました。
(写真:増田/吉乃/太田)
正籬と坂本、吉乃さんと山田などは(所属や知り合った時期というようなものとは無関係に)妙に親密になっている気がしました。僕が見ていきたいのはこのようなグラデーションが、映画制作が進む過程でどのように変化していくかという事です。映画制作を通じて、徐々に、しかし確実に変わっていくもののだろうと思われます。
個人単位で見ると、なんとなくすごい人、そうでない人、作品に対して自分の主張を強く持って発言する人、そうでない人、その人がいないところでしょっちゅう話題にあがるひと、そうでない人とまあ色々挙げられます(個人的には僕は全て後者のような気がします泣)。僕含め各個人が「あいつはああいうやつかな」となんとなく思いあっているのじゃないかなと思います。これからは、そのようなイメージを少しずつでも互いに話し合っていく事になると思います。
それを考えると少しだけ楽しみになってきました。
それでは明日は吉乃さんに頼もうと思います。
脚本/キャスト 太田 颯馬