こんにちは!毎度おなじみ千壽徳蔵です。
1日1日と夏の暑さが思い出へと変わっていき食欲の秋が本番を迎えようとしていますね。
私たち千壽徳蔵からもみなさんに色欲の秋をお伝えすべく、第6回目の活動報告をさせていただきます。
前回の活動報告では色味の調整に苦戦していることをご報告いたしましたが、上塗り職人さんの努力もあり色の調整について一定の方向性が見出せたため、いよいよサンプル木地への上塗り作業をスタートさせました!
※↓緑色の色漆と上塗り用の漆を混ぜる前の画像です。
赤茶色に見えているのが上塗り用の漆です。
この上塗り用の漆を混ぜることで刷毛目(※漆を塗った時のハケの跡のこと)を出さずツルッとした美しい仕上がりになります。
※↓二つの漆を混ぜ合わせた後の画像です。
赤茶色の上塗り用の漆を混ぜ合わせても、緑の発色はそのままに綺麗な色ですよね。
ちなみにこの上塗り用の漆をどの程度混ぜ合わせるのかで乾いた時の色味にも大きく影響が出てきます。刷毛目が出ず、できる限りこの鮮やかな色味を保持できる割合を職人の経験と繰り返しの実験を行うことで実現しています。
見た目は絵具のように見えますが、職人の知識と経験、そして探究心がなければ取り扱うことができない気難しい素材です。この鮮やかな色も乾くと驚くほどに変化します。
さて漆の準備ができたらさっそく上塗り作業のスタートです!
器に漆を塗布する際には手で持つことはできませんので、持ち手となる棒を取り付けて刷毛で塗布していきます。
輪島塗では上塗りの漆を厚く塗るという特徴があるのですが、厚く塗ると言っても重ね塗りをするのではなく一度でしっかりと厚く塗ります。
重ね塗りをせずに厚く塗る、、、
みなさん想像できますか?
※↓サンプル木地に塗布した後の画像です。これからどんな色に変化するでしょうか。
このように様々な技法とルールの中で上塗り作業を行うため、どうしても塗り方に制限されてしまう部分もありますが、そのおかげで表面のツルッとした滑らかさや美しさが維持されているとも言えます。
そして上塗りの役割は見た目だけではなく、しっかりとした厚塗りを施すことで下地職人の努力を守る意味もあります。
この感触は手にとった方にしか伝わりません。
私たちはみなさんにこの感触を知っていただきたいと思っています。
この感触を知って未来へ継ないで行くべき物だと指先から感じてもらいたいと思っています。
プロジェクト終了まで残すところわずかになりましたが、この想いが伝わるように引き続き突き進んで参ります。
みなさんが徐々に千壽徳蔵のWAJIMA Lacaプロジェクトに巻き込まれていくように、近日中にまたワクワク活動報告をアップ予定です。
引き続き楽しにみ待っていてください!