コンゴ民 、南キブ州、カロンゲ区域では、テラ・ルネッサンスの事務所があるブカブ事務所から車で(乾季であれば)6時間ほどの農村部に位置しており、これまで、相対的にコロナ感染拡大の懸念はされていませんでした。
しかし、南キブ州での感染者の数が100名を超えて、急速に同州(主に州都のブカブ市)で拡大していることを鑑みて、カロンゲにおいても、手洗い用の大型タンクの設置や、マスクや石鹸など衛生用品の配布を開始しました。
手洗い設備の設置
カロンゲの市場や診療所、病院、洋裁店や雑貨店など、人の出入りする場所、70箇所に手洗い設備を設置しました。うち、市場など人の出入りが激しく、人が密になる場所20箇所には、大型の手洗いタンクを設置しました。
こうした手洗いタンクは、市場の管理者や市場で販売する住民らが交代でタンクの水汲みや備品管理をする体制を整えています。
写真:大型の手洗いタンク
農村部なので、顔見知りも多く、誰がどこで何をしているかもお互い、よく把握していますが、中には、山を越えて、近隣の街へ農作物や炭を運ぶ女性たちもおり、今後、他の街からウィルスが持ち込まれる危険性も十分あります。
村々で週に一度、開催される市場では、1000人以上の数の住民が村中から、カロンゲの市場に一気にやってきますので、そこで感染が広がらないように手洗いタンクの設置とともに、手洗い方法や感染予防の啓発活動を合わせて行っています。
写真:手洗い設備とポスターを掲示する様子。
手洗い啓発ポスターの掲示
続いて、カロンゲでの手洗い方法を啓発するポスターの配布・掲示の様子をお伝えします。
手洗いタンクの設置を診療所、病院、学校、軍基地などなどで設置するとともに、ポスターやチラシの配布を医療関係者者など、それぞれの場所の方々にお願いして配布、掲示をしています。
写真:手洗い啓発のポスター
来月初旬には、「マスクの着用方法」と「3密回避」を啓発するポスターの掲示・配布なども合わせて行っていきます。
洋裁技術を学んだ女性たちによるマスク生産
テラ・ルネッサンスの活動で洋裁技術を身に付け、洋裁店を始めた女性たちがマスク作りを進めています。
カロンゲでは都市部と比べるとまだマシですが、それでもコロナ対策により、社会経済活動が制限する中で彼女たちの仕事も困難に直面しています。
マテリアルとなる布の仕入れが、道路状況の悪さと相まって、この制限下で都会から調達するのが難しくなっています。また、もともと、現金収入を都会で稼いでいた人たちからの仕送りも途絶え村人たちも、現金がなく、村での売り上げも落ちています。
写真:マスク製作の様子
そんな中、マスク作りの仕事を提供してきましたが、今回、出来上がった3000枚のマスクを、カロンゲの診療所や病院、市場、行政の人間、軍人、貧困層、子どもたちなどに配布しました。
写真:カロンゲの女性たちが製作したマスクを配布する様子。
もともと、マスクをつける習慣がなかったので、布マスクの使い方などを同時に伝えていかなければいけませんが、今、コンゴでは、キンシャシャやブカブなどでは、マスク装着を厳しく義務付けているので、住民たちもある程度の重要性は理解しています。
とにかく、コロナがこの農村部まで広がってこないことを祈るばかりですが、遅かれ早かれ、感染が広がることも想定して、その時に、少しでも多くの方々が感染予防できるよう、引き続き、マスクの生産と配布は続けていく予定です。
報告:小川真吾