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2020年に向け、世界196ヵ国の着物を制作!日本の伝統美で世界をひとつに!

2020年までに、平和を願う心、洗練された伝統技術を込めて「一つの国」を「一枚の着物」に鮮やかに映します。そして、196カ国の着物を着た人々が手をつないで「世界はひとつ」を表現する。 そんな、日本ならではの最高の「おもてなし」で日本中の皆さんと共に、世界中の人々をお迎えすることを目指します!

現在の支援総額

4,054,000

3%

目標金額は120,000,000円

支援者数

329

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2017/04/27に募集を開始し、 329人の支援により 4,054,000円の資金を集め、 2017/07/15に募集を終了しました

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2020年に向け、世界196ヵ国の着物を制作!日本の伝統美で世界をひとつに!

現在の支援総額

4,054,000

3%達成

終了

目標金額120,000,000

支援者数329

このプロジェクトは、2017/04/27に募集を開始し、 329人の支援により 4,054,000円の資金を集め、 2017/07/15に募集を終了しました

2020年までに、平和を願う心、洗練された伝統技術を込めて「一つの国」を「一枚の着物」に鮮やかに映します。そして、196カ国の着物を着た人々が手をつないで「世界はひとつ」を表現する。 そんな、日本ならではの最高の「おもてなし」で日本中の皆さんと共に、世界中の人々をお迎えすることを目指します!

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■海抜一メートルの国

オセアニア、ポリネシアの最西端に点在する小さな島々からなるツバル。

ツバルの島々は9つのサンゴ礁が隆起して形成された 「環礁」と呼ばれる輪状の地盤の上にあります。

海抜が最高でも5メートルと低いために、 地海面が上昇したり、地盤沈下が起こったりすれば、 国の存在そのものが脅かされてしまいます。

地球温暖化による水没の危機はメディアでも大きく取り上げられ、世界の関心を集めています。

このような、国の存在をさらに多くの方々に知っていただくきっかけになることを願い、オセアニア最初の国としてツバルを製作することにしました。

 


■ツバルの豊かな自然と明るい人々の暮らしをKIMONOに

KIMONOの製作にあたり一番に名前が浮かんだのが木原先生でした。 友禅染めの作家として活躍した父と、絞り友禅で高名な小倉氏に師事し、「絞り」と「友禅」の両方を習得したことから 「木原流」と称される新たな作風を編み出した方です。

それが、印象派の絵画のように優しく美しい「染」です。木原氏のもとに資料として渡されたのは、一冊の写真集のみでした。 そこから、ツバルの製作が始まりました。

最初に先生が描いたデッサンには「海と空」だけが描かれていました。キラキラと輝く凪の海。そして、時間によって表情を変える空。 実に絵心のある木原先生らしい下絵でした。

しかし、最も難しかったのは「ツバルらしさ」の表現でした。海と空が美しい島国は、オセアニアにはたくさん存在するからです。

そこで、環礁の部分を白いまま残し、そこにツバルの人々に見立てて美しい花を描くことにしました。しかし、ここからがさらなる難関でした。 「海に沈む」という様をどう表現するか。

悩んだ末にたどり着いたのが、環礁を薄い水色で裾からぼかすという名案でした。そうして、星空から明け行くツバルの空を「薄紫」、キラキラと輝く海を「ブルー」、 環礁の大地を白、南国の花を赤や黄、沈みゆく危機を水色で描いた作品が完成しました。

 


■絞りと友禅を駆使した「木原流」の美

糊で作った糸目の堰で染め分けをする「糸目友禅」と、糸入れをして絞ることで生まれる柔らかい輪郭の絞り、 さらにローケチによって生まれる滲み。 この作品には、木原氏が生涯をかけて習得し磨き上げてきた「技術」と常に、 創意工夫をかさね様々なテーマに挑むことで養われてきた「感性」が注ぎ込まれています。

着た時に、襟元に来る紫とブルーの上品なコントラストは、圧巻です。 また、雲は直線的に、海の波は曲線的に描かれていて、このデザインの対比によって醸し出される表情の違いは、 KIMONOが絵画と違い、身に纏うことで完成する「芸術」である意味をしっかりと伝えてくれます。

それは、前と後ろの印象を変えることができるということでもあります。布地がもつ動きが魅せる美を存分に堪能していただきたいです。

 


■木原先生を偲んで

この作品が完成した時に先生が仰いました。

「本当に難しいテーマだったが、非常にやりがいを感じた。 そして、海に沈むところを描き切ったことに満足している」

これまでに数々の受賞を果たし、多くの功績のある偉大な作家がこの作品に懸けた思いは大きいものがありました。

そんな木原先生は、2016年の秋、この着物の制作発表の日に他界されました。非常に残念なことですが、後日ご家族から先生は最後の作品のつもりで全力をぶつけてくださっていたとお聞きしました。

未だ若い息子に対する親としての背中として、長年支えてくれている弟子への教えとしての意味を込めた作品です。 「人と同じことはしない」という木原先生の常々の姿勢をこの作品を通して見せてくださっています。

 


■ツバルの帯

製作者 服部織物
技法 手織本金・プラチナ引箔錦

 


服部織物は創業天明八年。西陣の中でも古い歴史を誇る老舗です。 現在の当主・服部荘二郎さんは百歳を超えても現役の社長であり、 京都市から表彰を受けています。

服部の名声を築いたのは昭和40年代に荘二郎氏が開発した「こはく錦」でした。 柄のついた箔を金尺一寸に110以上の細さで裁断し、箔を使って絵模様を織り上げる技法です。

この技法は、当時の業界が驚く発明で、薄手で軽く締めやすい帯として一世を風靡しました。 以来、現在も服部を代表する帯として歴史を積み重ねています。 また、1971年に戦後初の皇室外交が行われる際に、 当時の皇后陛下からのご用命で西洋の古典文様を引箔錦で織り上げ、高く評価されました。

日本の伝統の帯に訪問国の伝統文様を用いることで香淳皇后がお示しになられた友好の意は、 日本人としての控えめながらも敬意を示す模範として、今回のプロジェクトの拠所となっています。

ツバルの制作にあたって、ツバルで用いられている硬貨の文様が、 ツバルの海の豊かさを示す素晴らしいデザインであることから、そこから取材を行いました。

木原明氏による印象派のような優しい色使いのKIMONOとの相性を考慮し、 本金を二種類(艶消しと艶有)さらにプラチナ箔を贅沢に重ねて、三重箔の帯として表現しました。

地組織に薄いクリーム黄色の糸を使うことで、金色の持つ輝きをそのまま表すように工夫し、 上品で品格のある帯に仕上がっています。 服部ならではの薄手でしなやかな質感は、写真では伝えにくいが、実に締めやすい見事な織り上がりです。

地球温暖化による海面の上昇で水没の危機にある国家として、そこに暮らす人々には不安もあるはずですが、それでも明るく豊かに生きる人間性に対して最大限の敬意を払って創作しました。

 

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