この活動を応援してくださっている作家の星野智幸さんから、メッセージが届きましたのでご紹介します。
明日の自分の安心のために
まさか自分が、仕事をなくし生活できなくなる危機に陥るなんて。
まさか自分が、住まいを失うかもしれない恐怖を味わうなんて。
今までそんなことを自分ごととは思わなかったような人たちがたくさん、生活困窮の不安に突き落とされたのが、新型コロナウイルスの感染拡大で起こっていることです。まだ続きそうな経済への打撃を考えると、そんな不安に襲われる人はもっと増えそうです。
そう、生活困窮やホームレス状態は、誰にでも起こりうること。それがこのような危機のときに、はっきりと目に見える形になったわけです。
本来なら、平常時に公的機関のセーフティーネットがしっかり整えられていればよかったけれど、残念ながらこの社会はその準備が不十分でした。
そんなときに必要なのは、自分だけが助かることではなく、手の届く範囲の人たち同士で助け合うこと。一人で助かることは、とても難しいのです。自分はそんな人たちと違う、と線を引いて自分をより苦しくするのでなく、困っている者同士、皆同じだというように見方を変えて、自分を楽にすることが、助かる道なのです。
だから、コロナ以前から住まいを失っていたり困窮していたりする人を排除するのでなく、まさに自分も陥るかもしれない危機にある人たちとして、できる人が手を貸す。そうすれば、自分が困ったときにも、差し延べられた手を安心してつかむことができるようになるでしょう。
大阪でも、手を貸しあうという観点を、支援グループを超えて共有することで、この経験したことのない危機に広く救いの手を差し延べようとしています。
できる人ができることをする。支援のノウハウのない私たちは、まずは可能な範囲で資金協力する、ということでいいのです。お金の集まった分だけ、救える人も増えます。
是非とも、差し出す手の一つとなって、ご協力ください。
星野智幸(作家)