【著書の一部(冒頭)を公開!】
~5月25日出版・書籍リリース『繁盛店に職人はいらない』~
*長文注意*
https://amzn.to/2LHdy1K
ケラッセ東京が挑戦している活動の一つに
『食で地方活性化』
という事があります。
その経験や実践例を通して
仲間を募り、地方をもっと食で盛り上げたい!
との想いを込めて書いた本です。
そしてついに手元に著者見本が届きました!
発売前に、一部公開しちゃいます。
恥ずかしい過去(?)興味のある方は是非!
↓
はじめに
~その料理、希望への〝きっかけ〟になっていますか?~
早いもので、私が料理に携わった仕事をはじめてから25年以上経ちます。
学生時代にアルバイトしていたレストランで料理の楽しさに出会い、レストラン学を学びに渡米。
帰国してから東京都内の洋食店で修業を重ね、2011年の東日本大震災がきっかけで岩手に拠点を移し、
そして2018年には再び上京して新宿で「三陸ワイン食堂
ケラッセ東京」をOPEN。
現在まで東京、岩手、名古屋ほか各所で飲食店のプロデュースを行ってきました。
飲食業界ではいろいろなことを経験してきましたが、
もちろん決して楽しいことばかりではありません。
他業種のビジネスマンの方々も同じだと思いますでが、
本書を手にした多くのみなさんも、仕事に忙殺される厳しい現実と向き合っていることでしょう。
毎日一生懸命頑張っているけど、
それは悔いのない充実した毎日ですか?と問われたら
答えはノー、という方のほうが多いのではないでしょうか。
まさにかつての私自身がそうでした。
「こんな忙しいだけで、金にならない仕事なんてバカみたい。やってられるか!」
若手シェフになったはいいが、へとへとで時間がないだけの、どんよりした毎日。
しかしどうしてよいかわからず、お金もあまりなく精神的・体力的にも限界で、消えてしまいたいと思っていた日々が続いていました。
売上だけを求められる、それが人生?
自分のことだけでなく、もっと他人のためにできることはないのだろうか?
そこが満ち足りていないから幸せを感じないのでは
…
…と思い当たりました。
模索する毎日の中で出会ったのが、あるNPO団体が主催していた、東日本大震災後の被災地仮設住宅での料理教室でした。
たまたま向かうことになった人口6000人以下の〝過疎の町、岩手県気仙郡住田町の火石団地の一室で作る、地元の旬食材を使ったシンプルな料理。
有名シェフが特別な食材と調理法を使って料理するわけではなく、無名の僕でも暖かく迎えてくれ、毎回の開催を楽しみに待っていてくれました。
もちろん、皆さん、料理教室も楽しんでくれるのですが、料理を教えることや学ぶこと、が目的ではないですよね。
料理教室をきっかけに、住民の皆さんはもちろん、地元の農家・生産者さん、行政、NPO法人、支援会社、皆が集まる。ワイワイ話をする。
食べて飲んで交流して楽しむ。震災の話に涙し、笑い、再会を楽しみにする。
「料理は、皆が集まり楽しく元気になる、その幸せのきっかけになれる。」
忙しい毎日のなかで、わかっているようで忘れていた大切な事に気づかせてくれたのが、この仮設住宅での料理教室でした。
自分が物語の主人公にならなくいい、ただ皆が楽しむ“きっかけ”を作ってあげればいいだけ、と気づいたのです。
「もしかしたら自分が思っているより、料理の力は大きいのかもしれない。」
大げさかもしれませんが、
料理=希望
少なくとも、希望へのキッカケと言えるのではないか。
この仕事は、人を幸せにしながら生活していける素晴らしい仕事なのだということを、もっと証明し、伝えたい。
それからは益々、立地の力・資本の力に頼らず、純粋に料理の力で売上を上げる事に取り組んで来ました。
結果、お店の売上は半年間で155%UP。
現場では紆余曲折、25年頑張っていてもまだまだ未熟(・・;)いろいろありますが、今でも売上は伸びています。
東京のど真ん中でも、地方の過疎の町でも、変わらない結果を出すことが出来ています。
そして料理を武器に、様々な自分の創作物が他人の幸せのきっかけになれる事は、この上ない幸せと充実感をもたらしてくれます。
満席のお店、笑顔で語らうお客様・客席の光景を見て感じるときが今でも一番幸せです。
多くの共鳴する人たちと出会い、人の輪・ビジネスの輪も広がりも、料理がもたらしてくれました。。。
お陰様で、今ではセミナー開催や他店舗のプロデュース・農家さんや他業種とのコラボなど、自分の理想とする仕事スタイルに近づいています。
今の時代、ほとんどのお店が本当に美味しい料理を提供しています。
でもかつての自分がそうだったように、人が集まる“きっかけとなる料理”を作れていないお店がほとんどです。
この手法を一人でも多くの方に実践していただき、どんどん売上を上げる誇りある飲食店や料理ビジネスを提供して充実した毎日を過ごしていただければ、同じ業界の仲間として、こんなに嬉しい事はありません。
是非、共にレストランビジネで日本を元気にしていきましょう!
このご縁に感謝
2020年 坂東 誠