国際協力について考えさせられた現実
はじめまして。
この度、アフリカへの支援物資プロジェクトの代表を務める鴇田と申します。プロジェクトにご興味をもっていただいて、ありがとうございます。
現在、私は独立行政法人国際協力機構 JICAの青年海外協力隊の一員として、2016年3月から中央アフリカのザンビアに派遣されています。職務はPCインストラクター。学校に配属されて学生向けにパソコンの授業を行なっています。このJICAボランティアとしての活動は長期的な視野にたって、技術的協力の一環を担い、途上国の将来を変える取り組みです。したがって、直接物資を購入して配布したり、資金提供を行なうものではありません。
↑ 授業風景です。↓
しかし現在、私は職務の空き時間を利用して自身の趣味であるダブルダッチ(2本のロープを使った縄跳び)を普及させるべく、ザンビアの子どもたちに教える活動も始めています。
その活動を始めたことで見えてきた現状。それが、経済格差によって貧困が深刻化しつつある点でした。この活動を通して、私が直接目で見て、肌で触れることで、本当に行なうべき活動は一体何なのだろう、と、つくづく考えさせられました。
↓ダブルダッチの練習風景はこちら
発展途上国に対する考えには様々な意見、賛否両論あると思います。しかし、私は決めました。いま目の前で困っている人たちを、いま私にできることで救ってあげたいと。さっそく近しい友達に協力を呼びかけてみました。嬉しいことに、支援品を集めてくれる仲間が多く立ち上がって支援品も続々と届けてくれました。しかし、遠いアフリカの地まで、多く集まっている他の品をこれ以上どうやって届ける? 残念ながら、私個人の力だけではとても支援しきれない費用が発生する現実に直面してしまいました。(今回のプロジェクトはJICAの活動ではありません。私個人が始めたことです。)
どうか皆様の力を! 日本の力を! ザンビアまで届けてくれないでしょうか。
経済発展の裏側に取り残された人たちを救う
それは、現場にいる私たち個人にしか出来ない事
今ザンビアでは首都ルサカをはじめ、少しずつ経済発展の兆候が見え始めています。沢山の高級商店が入ったショッピングモールは、私が知っているだけでも7~8軒はルサカに存在します。そこに出入りする人々は白人、アジア人の顔も目立ちますが、多くはザンビア人によって利用されています。日本から来たばかりの頃は、この首都を見て「私たちボランティアに出来る事はこの国に本当にあるのだろうか」と思ったほどの繁栄ぶりです。
しかし一方、衝撃を受けたのはそのすぐ後でした。私の配属先であるチンゴラという地方都市に赴任した際に、ザンビアの抱える深刻な経済格差を目の当たりにしました。メイン画像に使わせてもらった彼のようなストリート・チルドレンです。ルサカでもごく少数は見かけましたが、チンゴラではもっと多くの孤児たちが路上で生活していました。初めは彼らと関わることに抵抗がありました。しかし、彼らの身なりを見ると、とても放っておくことが出来ず、何か自分にも出来る事がないのかと思うようになり、そして衝動的に始めたのがこのプロジェクトです。
最下層にいる人々を助けたい
その想いから手探りで始めました
写真は先行して行なった第一弾・第二弾の様子です。ザンビアで知り合った友人の住む村を案内してもらったのですが、そこはチンゴラの街から数キロ離れており、鉱山を一つ挟んでまるで隔離された地域でした。その村に住む人々は一人残らず最貧困層に該当すると思われる暮らしをしています。初めて寄付活動を行なった時は、いきなりの飛び込みで家々を訪ねて回ったのですが、村中の人々が物珍しさ、物欲に駆られて集まってしまい混乱を招いてしまいました。その反省を活かして、第二弾では配布リストを作成し、受取時にはサインと写真を貰うようにしました。お陰で前回のような混乱も発生せず、ひとり一人の笑顔を見ることが出来ました。
今後の支援物資配布先はチンゴラを含めた地方都市3ヶ所(JICAボランティアの配属先)と、首都ルサカにある孤児院に寄付させて頂く予定です。
↑ 第二弾の様子。配布リストを作りました!
↑ もちろん、すべて中古品です。でも、嬉しい笑顔!
増え続ける地球規模でのゴミ問題を考えましょう
ひとり一人の意識改革で世界は変えられる
現在の私たちの日々の暮らしは、生産、消費、廃棄のサイクルの繰り返しで成り立っています。高度経済成長を遂げる一方で、目立つのはゴミ問題の処理。しかし、「もったいない」「捨てたくない」という想いを謳って協力を呼びかけたところ、SNSを通じて沢山の支援物資品が集まりました。それこそ、まさに私たちにとっては想定外でした。そのありがたい気持ちを無駄にしない為にも、このプロジェクトを達成させて現地でリサイクルしたいのが、私たちの目標です。日本ではもう捨ててしまうようなボロボロのTシャツ、古くなったスニーカー、汚れが取れなくなったジーンズ、昔何かで使った衣装など沢山あると思います。私も以前だったらリサイクルを考えずにゴミ箱に捨てていたかもしれません。しかし、ここアフリカでは、まだまだそれらの需要があるのです。
↑ 足もとを見ると…。履いているだけマシなんですよ
↑ 大事に大事に履いてるんです。靴紐が切れたって履く!
↑ 流行とかで履き替えてしまう日本では考えられないですよね
皆様に支援をお願いしたい
輸送手段の現状とその費用について
第一弾、第二弾の支援物資はヤマト運輸の航空便、日本郵便の船便などを利用して届けてもらいました。その実績から見るかぎり、航空便で約1ヶ月半、船便では約3ヶ月を要しました。私のザンビア派遣期間は2018年3月まで。そのため、できる限り早く、多くの支援品を受け取り、残りの寄付活動を始めたいと考えています。そうした事情から、今後の輸送手段としては、最も早く届けてくれるヤマト運輸(UPS提携)の航空便を利用したいと考えています。
輸送費用の目安は140サイズ×1箱が2万3,950円。現在、およそ15箱分の品がすでに日本で集まっています。靴や靴下、衣類やタオル、文具、衛生用品など、家庭に眠っていた「いずれゴミ箱行き」の品ばかりです。
↑ 第二弾はTシャツなど衣類中心。まだイチバン届けたい靴が送れてません
そして、日本では宅配便と言えば、ドア・トゥー・ドアを想定されると思います。しかし、ここアフリカでは、それは通用しないのが現状です。届くのは首都ルサカまで。私たちがトラックを借りてルサカまで引取りに行きます。
ルサカとチンゴラの距離は約500km。東京の方が大阪までを受け取りに行くと考えていただければ、こちらの流通事情がおわかりいただけるのではないでしょうか。日本のように整備された道路ばかりではないため、移動時間は片道約8時間ほど。そして、私たちJICAボランティアは現地での運転が許可されていません。そのためザンビア人のドライバーを雇って泊まりがけでの物資の輸送です。
つまり、日本からの輸送費だけでなく、首都ルサカに届いた荷物を受け取りにいくだけで、かなりの労力と費用がかかるのです。経費の概算は総額45万円です。
「新しいモノを買ったほうが安いんじゃない?」その考え方はもちろん間違えてはいません。しかし貧困層の彼らに買うお金はありません。そして、なによりも寄付金を渡すことよりも、捨てるモノを減らして、再利用してもらう。このことの価値を考えていただけると嬉しいのです。
↑ 長旅でダンボールはボロボロで届きましたが、中味は無事でした(笑
リターンについて
支援して頂いた方たちへの御礼。上記輸送費の点から考えても、実はかなりの難問ではあります。それでも、手作りの民芸品などアフリカらしさをお伝えできる魅力的な品も沢山あります。
独特の色づかいの布(チテンゲ生地)、木製品(手作りのバングル)など、市場に並ぶザンビアならではの品をセレクトしてお返しします。
ただし、プロジェクト完了までに時間がかかること、そして輸送期間もかかることから、お届けは来年となりますことをご了承下さい。
※この活動はJICAとは一切関係ありません。私個人が自己責任で行なっている国際ボランティア活動です。
最新の活動報告
もっと見るリターン品発送完了のお知らせ
2018/04/03 20:13 いつも応援頂きありがとうございます。ZamJapanの鴇田です。 大変、長らくお待たせ致しました。この度、支援して下さった皆様へのリターン品の発送及びメール配信が全て完了致しましたのでご報告させて頂きます。 金額別リターン内容はそれぞれ下記の通りとなっております。-------------------------------------------■1000円(1)サンクスレターA簡単な活動報告の記載と、感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお送りします。※メールでの配信とさせていただきます。 ■3000円(1)サンクスレターB現地で支援品を配った際の写真など詳細な活動報告、子どもたちからのメッセージなど。感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお送りします。※メールか郵送どちらかご希望に応じて。 ■5000円(1)サンクスレターB(内容は3000円と同様です)(2)現地土産品-A(木製バングル) ■10000円(1)サンクスレターB(内容は3000円と同様です)(2)現地土産品-A(木製バングル)(3)現地土産品-B(チテンゲ布生地) ------------------------------------------- 3000円以上のリターンに関しましてヤマト運輸または日本郵便にてお届けしておりますが、もし何日経ってもリターン品が届かないなどありましたらお手数ですが、下記メールアドレスまでご連絡お願いいたします。tokita.tomohiro@friends.jica.go.jpZamJapan 鴇田知弘 私自身も先月22日にザンビアでの活動任期を満了し無事日本に帰国しました。ご支援いただいた皆様のお蔭でJICAのボランティア活動とは別として本プロジェクトを達成できたことを心より感謝いたします。今後の途上国支援・リサイクル活動に関しましては未定ですが、今回の反省などを活かしながら引き続き途上国と関わっていきたいと思っています。本当に有難う御座いました。 もっと見る
現地からの配達報告
2017/10/12 17:20いつも応援有難う御座います。 ZamJapan代表の鴇田です。 9月30日(土)と10月1日(日)の2日かけて 日本から届いた残りの物資を全て配布させて頂きました。 関係して下さった皆様に改めて御礼申し上げます。 本当に有難う御座います。 少し遅れてしまいましたが、配布物、配布先の概略や当日の様子などをお伝えさせて頂きます。 ❑配布までの流れ-TASK01 【支援物資の仕分けと再梱包】 配布前日に自分たちで作成した配布リストを基に、支援先ごとに物資を仕分けしました。 これらは全て少しでもザンビアの人たちの役に立てればと集まったリサイクル物品です。 今回配布予定の物資の数は全て合わせて778点でした。内訳は下記の通りです。 ・トップス 合計:244点 (Tシャツ、ボタンシャツ、ジャージ、トレーナー等) ・ボトムス 合計:86点 (ジャージ、デニム、チノパンツ、ハーフパンツ等) ・アンダーウェア 合計:91点 (靴下) ・その他衣類 合計:56点 (帽子、タオル等) ・靴 合計:68点 (スニーカー、サンダル、上履き等) ・文房具 合計:156点 (鉛筆、シャープペン、ボールペン、けしごむ、ノート、メモ帳等) ・その他(おもちゃ類)合計:77点 (だるま落とし、こま、ぬいぐるみ、団扇、扇子、サングラス等) 写真だけを見ると、フリーマーケットでも 始めるかの様子ですね。 ❑配布までの流れ-TASK02 【配布1日目 首都ルサカ】 私の同期シニアボランティア隊員の鈴木さんを通して紹介頂いたロイドさんと共に 荷物を積み込んでいざ出発です。後部座席は下の写真の通り、支援物資でいっぱいになりました。 (写真は左から鴇田、ロイドさん、シニアボランティアの鈴木さん) まず向かった先は首都ルサカにある「礎の石孤児院」です。 この施設には日本のNGOの女性(ムタレさん)が責任者として住み込みで働いていて、 今回はその伝手で配布先の一つとして選定させて頂きました。 ここにはもともとストリートチルドレンだった子供たちが沢山暮らしています。 配布日は土曜日で休日だったのですが30~40人の子供たちと会う事が 出来ました。年齢層も幅広く、5歳から18歳くらいの子供たちが暮らしています。 この施設へはTシャツなどの衣類を中心に配布を行いました。 施設内で働いている先生たちの手伝いもあり、比較的スムーズに配布作業が行えました。 頂いた品はリサイクルとはいえ、保存状態がとても良く、こちらでは新品と言っても 差支えない品質でしたので、子供たちも大喜びでした。 ❑配布までの流れ-TASK03 【配布1日目 南部都市モンゼ】 ルサカの孤児院で思ったよりも配布に時間が掛かってしまったので 予想していた到着時刻よりも大幅に遅れてモンゼに到着してしまいました。 ところが子供たちは待ちくたびれるどころか、元気に迎えてくれました。 モンゼはザンビアの南部州でルサカから車で4時間程の場所に位置しています。 今回、私もモンゼに訪れるのは初めてだったので少し緊張していました。 配布先はモンゼ初等学校といい ここにはJICAボランティアで小学校教育として派遣され 先生をしている服部隊員が在籍しています。彼女の提案があって、ここを配布先の一つにさせて頂きました。 プレスクールの生徒(幼稚園相当)から5年生までの生徒が合計で250人程は集まりました。 ここには文房具をメインに配布する事にしていましたが、服部さんとの事前の打ち合わせで 出来るだけ沢山の子供たちに物資を渡したいという彼女の想いから鉛筆やペン等を1本ずつ配りました。 休日なのに手伝いに来てくれた先生方の手伝いもあり、最初は生徒たちを綺麗に並ばせながら 配れたのですが、時間が迫った事もあり、途中から大混雑に(^_^;) しかしながら、物資は十分に足りて、無事全員に行き届いたようです。 今日来れなかった子供たちもいたので残った物資は後日、配って頂くようにお願いしました。 そして私とロイドさんは今日中に更に南下してチョマという同じ南部州の州都まで 行く必要があったので、別れの挨拶も慌ただしく次の場所へと移動しました。 ❑配布までの流れ-TASK04 【配布2日目 南部都市チョマ】 我々が向かった3番目の配布先のチョマ総合病院は、チョマ地区及びその周辺地域の中核病院です。 外来のほかに小児科、産婦人科、歯科、眼科、精神科、HIV/AIDS診療などの診療科があり、 約200のベッド数を持つ入院施設、その他レントゲン室や手術室、臨床検査室の部門もあります。 1日の外来患者数は100〜200人ほど。広い敷地に各病棟が点在しています。ここでは300名以上の職員が働いています。 ここでは私の同期隊員の緒方さんが5Sを中心に活動されています。 5Sとは職場の環境改善を目的に整理、整頓、清掃、清潔、躾を 実践的に行う事を指しています。 当日は朝から病院にお邪魔させて頂き、どこの病棟から配布を始めるか相談していたところ セキュリティとして働いているスタッフの方が、一緒に配るのを手伝ってくれる事になりました。 結構な重量のある物資を持ちながら移動するのは大変だったので、とても助かりました。 まず向かった先は女性患者の病棟です。突然の訪問で驚かれるかと思いましたが 皆さん、意外と落ち着いていました。Tシャツなどの衣類を中心に配りましたが 見合うサイズが無かったり、少し手間取りました。 次に向かった先は小児病棟です。 5~6歳と思われるような小さい子供たちが笑顔で迎えてくれました。 ハンカチやバンダナなどを配りました。 大人でも英語が通じない方が結構いるようで、セキュリティの方やナースさんに 通訳して貰いながら、配布を行いました。 続いて、産婦人科の病棟を尋ねました。 産後間もない方やこれから出産を間近に迎えている奥様方が 沢山いらっしゃいました。ここでは普段の生活で多用するタオルを配りました。 そして最後に訪れたのは男性病棟です。 ザンビアでハードな生活を送っているせいか、他の病棟と比べ 外傷で入院されている患者の方々が目立ちました。 ここでもTシャツなどの衣類を配布しました。 喜んで下さる方が多かったので、こちら側も安心して配れました。 そして、最後にチョマで手伝ってくれたみんなで一緒に記念撮影。(左から鴇田、山田さん(PC隊員)、ロイドさん、緒方さん、病院のセキュリティさん) 以上、配布の様子をお伝えさせて頂きました。 ZamJapan鴇田 もっと見る
物資の配送をスタートしました!初回は私の任地チンゴラです。
2017/09/19 17:05 いつも応援頂き有難う御座います。ZamJapan代表の鴇田です。 この度、日本から送って頂いた支援物資の一部を ザンビアのチンゴラ市ムシシマという村に配ってきましたので 取り急ぎご報告させて頂きます。 9月17日と18日の2日に渡り、衣類や靴などをメインに 約200点の物資を渡すことが出来ました。 色々な物資に子供も大人も大喜びでした!! 配布リストを作成したものの、一つの家にとても沢山の人が集まったので 混乱は避けられませんでしたが、何とかアモス君と彼のおじさんの3人で 上手く役割分担を行い無事にチンゴラでの配布作業が完了しました。 以前にもお伝えしたと思いますが 私の住んでいるチンゴラという町は首都のルサカと約450kmほど離れている為 国内の物資輸送もネックとなっておりました。 ところが今回はJICAザンビア事務所の助けもあり、支援物資の一部(チンゴラ配送分)を 無料で運んで頂きました。本当に有難う御座いました。 今後は下記スケジュールで配送を予定しています。 9月30日 ・ルサカ州 ルサカ(孤児院) ・南部州 モンゼ(学校) 9月31日 ・南部州 チョマ(病院) 以上です。 もっと見る
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