コロナ禍で大学院での学びをつづけられなくなった私のためにご支援くださったみなさん、ありがとうございます。おかげさまで2021年の春、岡山大学大学院教育学研究科を修了し、このたび2022年11月、修士論文をもとに本を出版することができました。岩波ブックレット『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史-園歌はうたうー』です。みなさんのお力がなければできなかったことです。心よりお礼申し上げます。3年前を思うと、夢を見ているようです。
せっかく書いた論文の内容を広くみなさまにお伝えしたいと思い、できるだけわかりやすく書き直しました。「高校生にもわかるように!」と編集者の上田麻里さんから叱咤激励されながら。楽譜や写真も大きくのせることができました。
ほんとうはみなさまにお礼と報告として1冊ずつお送りしたいところですが、そういうわけにもいきません。おそれいりますが、ご興味のある方はお買い求めください。620円(税別)です。書店やアマゾンなど主要通販サイトで入手できます。コモエスタ通販をご利用の方でご希望の方には、私のサインをお入れしてお送りします。お申しつけください。
本の巻末にあるQRコードから、1935年録音のSP盤の音源も聞くことができます。ハンセン病療養所で実際に園歌がどのようにうたわれていたかを知る貴重な手がかりです。岩波書店のユーチューブ公式チャンネルで公開中です。
コロナ禍が長引き、いまだ音楽活動は先が見えない状況がつづいています。しかし、コロナ禍で私は知りました。孤独で不安なときこそ音楽は必要であることを。私たちはうたいたいのです。声あわせてともにうたいたいのです。ハンセン病療養所の人たちがうたった思いをほんの少し理解できたとしたら、コロナ禍のおかげもあったかもしれません。あきらめることなく、希望をもって歩んでまいります。
島の外からのお客さんはなしという条件で行った「沢知恵 大島青松園コンサート2022」の動画を無料配信中です。約42分です。ぜひごらんください。91歳の東條高さんの歌声は必聴です! このコンサートと映像配信は「ともえ基金」によって支えられました。感謝申し上げます。
そのコンサートをリポートしたRSK山陽放送テレビのイブニングニュースの特集も紹介します。約9分です。
2022年現在、全国のハンセン病療養所はコロナで出入りできないところがほとんどです。そうしている間に、入所者のみなさんはどんどんいなくなっていきます。残された時間はわずかです。研究をつづけながら、うたをうたいながら、私はこれからも終わりゆく療養所から発信をつづけてまいります。ひきつづき応援をどうぞよろしくお願いします。