big buddha やGermanSuplexAirlinesのSNS上で時々画面を賑やかにさせている小さな仏像たちがいます。
これらは、キャラバンで赴く現場では、常に法要中の本堂なりの隅っこで進行を見つめています。
この小さな仏像、通称<ミニ大仏>はそもそも勧進仏像のマケットとして制作されました。
それが、置物としての可愛らしさを醸し出すもので、大仏を造るための資金を担う販売物へと昇格しました。(現在までに30個以上法要に参列された方々に購入して頂きました。)
勧進大仏と違いミニ大仏は貼り付ける紙をコロナに限定せず様々な新聞や雑誌の記事を色とりどりに貼り付けています。
主に制作している僕も、一応作家の端くれなもので、どのような色合いにすれば可愛くできあがるのかをいちいち考えてしまいます。
しかし、個人的な色彩の趣味だけで作っていくと、どうにも一辺倒なものになってしまうので、時々「あえてこれは好きな配色ではないが貼り付けてみよう」と試みたりもします。
どちらが選ばれやすいかを見ていても、どちらも同じくらいというのが答えで、多くの人はそれぞれ自分の好みをしっかり持っているんだなぁということがよくわかります。
ミニ大仏は、シリコンの型にセメントを流し込んで、基本の仏像を作っています。
それを乾燥させて顔に色を塗り、紙を貼り付けていきます。
シリコン型は軟質で、合わせが悪かったりすると変なところに筋が入ったり、顔が段違いになったりと出来上がる仏像をまったく同じ形に産み出してはくれません。
しかし、僕はその方がいいと思っています。
紙の貼り方もそうですが、どこをどうひねくりまわしてもまったく同じものはできないので、結果的に唯一無二のものになります。
量産しておきながら唯一無二という矛盾が、何故だか心地いい響きだったりします。
顔が悪かったり、鼻が欠けていたり、目が段違いだったりするミニ大仏も多いですが、持ち帰って自分のものになればとても可愛いものです。
現在は、僕一人でミニ大仏を制作していますが、可能ならキャラバン再開後にワークショップ形式で多くの方にミニ大仏制作体験をして頂きたいと思っています。
セメントのボディをしこたま作っておいて、紙貼りをみんなに体験してもらい、自分のミニ大仏を作ってもらいたいです。
そこから、この度のプロジェクトで造立しようとしている大仏へ興味が繋がったら、ミニ大仏は単なるマケットから功労者へと昇格するに違いありません。
前田真治