令和2年9月21日 (月)
会場:日蓮宗 隆光山 法永寺
https://temple.nichiren.or.jp/8061025-houeiji/
この日も2会場でイベントを行いました。
青森県の2会場目は、五所川原市にある法永寺さんです。住職の小山田和正さんには「未来の住職塾」で以前にお会いしているのですが、その後はSNSでの投稿を見るだけの繋がりでした。
ただ、小山田さんの取り組みはどれも、めちゃくちゃセンスの良いものが多く、改めてお話したいと思っていました。
法要と対談
青森市から五所川原市まではそれほど遠くないので、夕方に到着してイベントを開催しました。ここから作品を運び入れて並べるのですが、お寺によって内部の構造がわりと違うので、いつも会場に行ってから配置を考えます。今回も法要の邪魔にならず、来場者に観賞してもらいやすいように配置を行いました。
こちらのお寺は日蓮宗です。以前、北海道で法華宗のお寺がありましたが、同じ日蓮上人を祖にする宗派だからでしょうか、着物やお袈裟の色がそっくりです。法要中に鳴らすものも同じ「木鉦(もくしょう)」という平たい木魚を使い、少し高い音がします。
今回のイベントには6名ほどの参加者が来ていただき、それぞれにチラシなどを貼っていただきました。法要後の対談では、やはり「ねぶた」の話になります。青森は「ね(ぶ)た」、五所川原は「たちね(ぷ)た」で字が少し違うのですが、いずれも昔は沢山の人々の手で紙が貼られていたらしく、今回の勧進大仏にも紙を貼る行為が含まれている点について話題が及びました。この「仏像に紙を貼っていく行為」、日本ではあまり事例がないのですが、東南アジアで金箔が貼られる仏像があり、最終的には形が見えないくらいになります。
今回の「コロナウィルス」は、人と人の接触を無くしてしまうため、せめて「仏像には手を触れられるようにしたい」という想いで、このような形をとるこにしました。
クリエイターのオーラ
イベント終了後は、小山田さんが予約してくれたホテルにチェックインし、食事を共にしました。完全な余談ではあるのですが、実は僕とワジーが共通して小山田さんに感じていた点が一つ。ワジーが通う大学の「I先生」にそっくりなのです。顔はもちろんですが、声や話し方まで似ています。
小山田さんは、もともと玩具会社に勤めていたらしく、今もその時のクライアントからくるデザインの仕事もされているようです。きっとそれも「I先生」に似ているように見える要因なのかもしれません。僕たちが普段関わることの多いクリエイターのオーラをまとっており、まるでアーティストの先輩と話しているような気持ちになってきます。
実は小山田さんがデザインしたチャリティーグッズが、昼間に訪れた「ワ・ラッセ」の近くでも販売されていました。東日本大震災津波遺児チャリティ「tovo」の運営や、認定臨床宗教師など、非常に多岐にわたる活動をされている小山田さん。今後も一緒に何かできたら嬉しく思っています。
こちらの会場には、2つの新聞社さんに取材していただきました。
「河北新報社」
「陸奥新報社」
立佞武多(たちねぷた)
こちらの会場へお伺いする直前、大急ぎで「立佞武多の館」を見てきました。
「立佞武多」とは、高さ20メートル以上、重さ16トンもある巨大なもので、これが町の中を練り歩くのです。「弘前市の扇ねぷた」「青森市の人形ねぶた」と並ぶ青森を代表する夏祭りの一つですが、やはり今年は開催できていません。実はこのお祭りは一度途絶えており、1994年に復活したものです。
青森市で見た「ねぶた」よりも圧倒的に構造としての高さがあるので、トラス状のしっかりした骨組みがあります。そして何よりもこれを人力で動かすというのに驚かされます。写真ではその迫力がうまく伝わらないのですが、僕は以前、「立佞武多」が生で動いている姿を見たことがあります。遠くから見た時、ビルとビルの隙間から見えるその姿は、まさにゴジラのようなSF感があります。
僕自身が巨大な作品をつくる「きっかけ」の一つとなったのが、この「立佞武多」なのです。巨大な人工物を目の前にしたときの、なんとも言えない高揚感は、僕たちが今つくろうとしている大仏にもまさに通じるものがあります。
立佞武多の館
http://www.tachineputa.jp/
風間天心