2015/03/30 10:52
お返しのはちみつには「説明等を添付」することを明記しております。採蜜地のシュンドルボンとは「美しい森」という意味だそうですが、ここに暮らす方々が採っているはちみつがどんなものなのかを説明する冊子を付けるということです。同時に「マングローブの森の物語」を挿入し、イラストをつけようと思っております。イラストは、まちエネ大学で知り合った大倉山はちみつソーラープロジェクトの方にお願いしました。プロのイラストレータですが、まちエネ大学でも彼女のイラストはとても人気がありました。このイラストはFAAVO横浜のお返しだけで入手できる限定バージョンとなる予定です。それでは冊子の中の一部をお見せいたしましょう。
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世界遺産に指定されている世界最大のマングローブの森シュンドルボン。この地のブラック・マングローブ(オヒルギ)には白い花が咲きます。ところが沖縄に生息するブラック・マングローブの花は赤いのです。ある大学の解析によれば、DNA 配列はほとんど同じであり、どうして色が異なるのか分っていないというのです。その謎は、マングローブの森の物語に隠されていました。
マングローブの森の物語
むかしむかし、何千年も前のこと。マングローブの生い茂る広大な森をもつ豊かな国がありました。その国では人々は平和に暮らし、王と王妃は仲睦まじく暮らしていました。ところが王位を狙う家臣が隣国の王と結託し、この豊かな国を奪おうとしました。月のない夜に海の向こうからその隣国の軍船がやってきて、奇襲攻撃をかけました。村を焼き払い、町を破壊してしまいました。王は戦い、王位を狙う家臣を倒しましたが、とうとう捕えられて隣国の軍に連れて行かれてしまったのです。
王妃は悲しみにくれましたが、すぐに王を取り戻すよう軍に命令し、多くの船を敵国に差し向けました。その時に王妃は言いました。「必ず王を取り戻しなさい。王が生きているかどうか、できるだけ早く知りたいから、王を生きて連れ戻すことができたなら白い帆を、そうでなければ黒い帆を上げて戻ってきなさい。」それから王妃は海に面したマングローブの森で、来る日も来る日も自国の軍の船を待ち続けました。王妃の軍はなんとか敵を打ち破り、王様を取り戻して船に乗せることに成功しました。しかし長い戦いの末に深傷を負った王様は船の中で息絶えてしまったのです。
黒い帆を上げた軍の船を見た王妃は、その場で泣き崩れ、涙を止めることができませんでした。そして王様の亡骸に触れた途端、悲しみのあまり息をひきとりました。
二人の墓はマングローブの森の見える小高い丘の上に作られました。数年が経ち、人々が気づいてみると、王様の墓の側には赤いマングローブの花が、王妃の墓の側には白いマングローブの花がお互いを見つめ合うように咲いたといいます。王様の流した血が花を赤く染め、王妃の涙が花をダイヤモンドのように白くしたということです。やがてその森は、王と王妃の深い愛情に感銘を受けた人々の集まる場所になっていったということです。
海は世界中につながっています。沖へ出て陸が見えなくなると、そこはもう何千年も前から同じ風景が広がっているのです。そんな海を眺めながら、マングローブのはちみつをチョコレートや果物などにつけて召し上がってはいかがでしょう?きっとあふれる愛情があなたを包み込むに違いありません。