美味しいものは季節を先取りして現れます。近頃は桜餅をあちらこちらで見かけるようになりました。私は関西風と言われる道明寺餅が好きです。お餅のような皮の中に「こしあん」。包んでいる桜の葉から漂う独特の匂いと絶妙な塩加減が甘いお菓子を引きたてていますよね。
さてこの桜餅の匂い。桜に香りがあったらきっとこんなやさしい香りなんだろうなあと作られて定着した伝統の匂い。菓子職人さんてすごいなあといつも思います。
これを精油で表現するとしたら欠かせないのが「トンカビーンズ」というマメ科の植物の香りです。単体で嗅ぐと濃厚な甘みの強い香りがするのですが、鼻の奥に残る香りがまさに「桜餅」なのです。
トンカビーンズを使う時は、私は柑橘系の香りの背景に少しだけ入れます。春の花の繊細さと薄らと残る甘さが、さらさらと風に舞う桜を思い起こさせてくれます。
この組み合わせに最初に気づいた人はどんな人だったのでしょうか。
精油をブレンドするというのは、時として新しい星彡を発見したかのような驚きがあって、どんどんハマっていき、だんだん止められなくなるのです...... (*^_^*)