タベモノガタリの現在の主幹事業である、加工用果物産直卸の事業をご紹介します!
事業名は「ミニナルミ」。「身になる実」で果物を表現しています。
タベモノガタリの前提の哲学はこちらです。
世界人口を"おいしい"で満たすために、食のアンバランスを解消していきます。
見たい景色を見るまではむちゃくちゃやることいっぱい。
世界を変えたいからこそ、事業に落とし込むのに時間がかかりました。
ミニナルミから始めます。すごく、わくわくしています。
ミニナルミで実現したいこと
むちゃくちゃ端的に言うと、以下の4つです。
①生産現場で出ている果物のロスを0にする
②農家のセイフティネットになる
③途上国の所得向上に貢献する(結果的においしいものが食べられるようになる)
④果物を食べてくれる消費者を"おいしい"で満たし、食の選択を変える
ひとつずつ書いてみます。
①生産現場で出ている果物のロスを0にする
フードロスというのは物流や消費者段階だけで起きているものではありません。
それは生産現場も一緒です。
労働力不足で収穫しきれずにロスってしまうものもあるのですが、
果物だからこそ傷物や傷みにはすごく厳しい。
いわゆるB品とか規格外というものが全体の4割ほど出てしまっています(一例です)。
ワケあり品として販売すると正規品の値崩れを発生させる原因になるので販売できない。
じゃあ、正規品と競合しない形で販売すればいいじゃないか!と思ったのがミニナルミの着想。
加工すれば見た目を気にせずおいしく食べられる。
それをおいしく調理してくれる人の元に届ける。
それが私たちの果たすべき役割だと、考えたのです。
②農家のセイフティネットになる
前述のように恒常的にでているロスもそうなのですが、農業は天気と戦っているので、今回の台風や天候による被害によって突如B品が一気に増える、という状況に陥る可能性があります。
突然そんなにB品がでても処理できない。
でもそういった場合にも私たちなら販売できる。
また、新規就農者は技術面も低く、最初っから A品ばかりを作り出すことはできません。
それで儲からずに農業を続けたくても続けられない人もたくさんいます。
そんな人たちにも「竹下のところがあるから安心して果樹に挑戦できる」って思ってもらえるようになったらいいなあと。
私たちが農家のセイフティネットのような存在になりたいと思っています。
③途上国の所得向上に貢献する
今はすごくローカル感の強い活動をしているのですが、私たちのビジョンは「世界人口を"おいしい"で満たす」こと 。
最終的には果物の産地を途上国に持っていきたいと考えています。
現地の人と一緒に産地を作りながら適正な価格で仕入れさせていただく。
私が坂ノ途中でのインターンで学ばせてもらった事業の作り方です。
④果物を食べてくれる消費者を"おいしい"で満たす
タベモノガタリに込められた想いは、食べ物の背景にあるモノガタリを伝えることはもちろんなのですが、食べる人たちのモノガタリを作り出すという意味もあるのです。
「食べる」行為はたくさんのモノガタリを作り出せると思います。
誰々さんとあんな場所であんな話しながら食べたご飯って美味しいよね〜とか。
それってすごく素敵じゃないですか。
私たちはそんな世界人口の食べるの物語、タベモノガタリを作り出したいのです。
果物の事業を通しても同じ。
果物を食べた人が笑顔になるような、そんな"おいしい"果物を届けたいと思っています。
誤解しないでほしい。私たちはただただ農家を助けたいだけじゃない。
「セイフティーネット?農家さんの力になる?ああ、またこの手の団体か。」
って思われるのは本当に嫌なので主張します。
もちろん農家の力になりたいとは思ってます。
ただその先を見ていて、私たちは「一次産業を強くしたい」し、「食の無駄遣い(=フードロス)をなくしたい」のです。
先ほど天候のせいでB級が出ると書きました。現場を通して聞いたからわかる、それはもちろん事実です。
ただ、農家の技術不足によって糖度が乗り切らない・形が変形する農産物ができるというのもまた事実なのです(もちろん農場が広くなれば広くなるほど、すべてを美しく作り上げることは難しくなります)。
しかしこれもまた難しい問題なのですが、技術をあげるには何年も何年も繰り返し作りながら、その土地や品種にあった作り方を探る必要があります(スポーツだって反復練習って大事ですよね?それと一緒です。)
だから私たちは、その期間のお手伝いになればいいと思っています。
なのである1人の農家さんから5年後、10年後に、「ごめん、竹下のところに卸す果物なくなったわ〜」ってなってもOK。むしろそれがいい。
最終的にそれが1次産業強くすることに繋がっていくと思うのです。
「それってビジネス的にどうなん?」って言われるでしょう。
でもそれでいいじゃないですか。(安直)
果物農家は日本中どころか世界中にいるわけで、彼らが作る果物の分だけ私たちが求められるようになればいい。そう思っています。
おまけ:A級B級という階級分けは嫌いです。
果物の現場に入り込むまではただただ階級分けが嫌いでした。
なぜ全て食べられるのに階級に分ける必要があるんだ、と。
もはや規格外という言葉を私は無くしたいんだ、と思っていました。
でも、蓋を開けてみると、果物だからこそ綺麗なものを求められることが多いです(野菜と比べても高値のものが多いので、それだけのクオリティをださねばっていう感じですね)。なので階級分けは必要。
ただ言い方は嫌いで、わざわざB級(=Aより劣るもの)と言わなくてもいいじゃないかと。
それぞれのクオリティに沿った使用用途を提案してあげたらいいじゃないかと思うのです。
それが『ケーキ用』とか『ジャム用』とかでいいじゃないかと。加工用果物でいいじゃないかと。
我々が果物を調理するだけの技術がないからそう言わざるを得ないのかもしれません。