2019/02/22 16:29

 ぼく、坂和から今日は「スーププロジェクト」について紹介します。スープっていうから飲み物の新商品開発のことかと思ったよーなどなど、言葉からのイメージはちょっと想像しづらいのかなと思うので、今日はそのあたりを詳しくしてみようと思います。

 

 まず、スープについて。

 

 あなたが自分の住んでいる町や地域を好きで、もっとこうしたいこうなりたいを持っていたとして。その小さなやってみたいを表現できて、共感してもらえる場があったら?そして、実現するチャンスと資金があったら?

 

 「スーププロジェクト」は、気軽に人とアイディアを繋ぐ場です。

 

 もともとはアメリカのデトロイトで始まったこのプロジェクト(「デトロイトスープ」)。月に一度のディナーパーティーを開催し、町の活性化に繋がるプロジェクトを発案した人に、投票によって資金を提供する仕組み。

 

 今、私たちが行なっているクラウドファンディングもそうですが、こうしたい!と思っていることを発信して、共感してもらい、資金を集める。デトロイトスープでは、そんな仕組みを顔が見える距離で、気軽に行っています。

 

 毎月開催される食事会の参加費はたったの5$。そして、誰でも参加できます。仕組みはいたってシンプルで、食事会ではみんなで食事をした後、アイディアを持っているプレゼンターが登壇し、食事会の最後に応援したいアイディアに投票します。そして、優勝者には参加費として集められたお金が渡され、アイディア実現のための資金として使うことができるというもの。

 

 スープには、町や地域を面白くするためのアイディアを思いついた人が、仲間を募集したり、活動資金を集めるために参加しています。もし、優勝できなかったとしても、こうしてアイディアを世に出す機会を作ることで、他の誰かが実行してくれるかもしれない、似たようなアイディアを持っている人と出会えるかもしれない。だから、まずは表現してみる。そういう一歩を気軽に行うことができるのが、スーププロジェクトのいいところ。なにより、スープに参加すれば町のいろんな人と、そしてアイディアとの出会いが生まれる、そんな地域のコミュニケーションの場になっています。

(デトロイトスープ:https://detroitsoup.com

 津和野でスープをやりたい理由。

 

 始まりは2018年の5月のある夜。ぼくは一人オフィスで仕事をしていました。そこに「こんばんはー!」とお菓子を持って入ってきたのが「大江健太(けんけん)」さん。

 

 最近どうですかー?という世間話から始まり、話題は各々がやりたいことに。そこでけんけんさんが紹介してくれたのが、「デトロイトスープ」という取り組み。ぼくも話を聞くまで知らなかったんですが、すぐに面白そうな取り組みだなと思いました。

 

 当時のぼくも、町で活動する中で僕らだけでやってても意味がない。もっと町に出て、いろんな人と一緒にやらなきゃという焦りにも似た感情がありました。それに、津和野はここ最近、いろんな人が移住やプロジェクトに関わる形で入ってきたからこそ、様々な取り組みが立ち上がっているし、こうした方々が、個々でつながれる機会があれば、もっと面白くできるんじゃないかと思っていました。

 

 そんなときにけんけんさんと話した、気軽にアイディアを共有して、人と出会える仕組みづくり。すぐに「やりましょうよ!」と話し合ったことを覚えています。それからは、「石倉美生(みお)」さんが書いてくれたように、どんどんことが前に進んでいきました。出会いってほんとに不思議な力を持っているなぁと、あらためて感じます。

 

 スープでつくれる未来。

 

 スーププロジェクトが始まったデトロイト。かつて自動車産業で栄えたこの町は、工場の撤退などが相次ぎ町の税収が激減、2010年に財政破綻してしまいます。町のインフラである交通、衛生美化、公共施設運営などが維持困難な状況となり、町にはゴミがあふれ、学校がなくなるなど多くの問題を抱えてしまいました。

 

 そんな中で始まったデトロイトスープによって、今では町の美化を市民グループで行う取り組みや、教育事業、さらには地域の映画製作など、さまざまなプロジェクトが生まれています。毎回のスープには平均して200人もの参加者が集まり、自分たちの手で作りたい未来を実現する、そんなエネルギーに満ちているそう。

 

 津和野も抱えている問題は違えど、同じように地域の課題を抱えています。でも、デトロイトスープを見ていると、ぼくらももっと面白くチャレンジすることができるんじゃないだろうか。そんな思いに駆り立てられます。

 

 地域の持つ可能性を最大限引き出したい。そこではどんなことが生まれるんだろう?私たちは、なにが生まれるかわからないけど、そんなわくわくが溢れる場を作りたいと思っています。かくいう僕たちも出会って半年、こんな風にクラウドファンディングを始め、つわのスープを始めるなんて想像していませんでした。

 

 出会いによって未来はもっと面白くなる。私たち自身がそう感じたからこそ、そういう場を地域で作っていきたいと思っています!

 

 さてさて、ぼくから「スープ」についての話はいかがでしたでしょうか。私たちのストーリーは明日も続きます。明日は、「山本竜也(やまたつ)」さんから「養老館」について、語ってもらおうと思います。お楽しみに!!