拾う神と小説家最終日となり、あと45,000円となったところで漂いだした「これは無理かなあ」のムード。しかし神様は見捨ててはいませんでした。残り10時間余りとなったところで、なんと5万円のパトロン様の登場!これはきっと、ずっと酔っぱらっていた私を見込んだ酒の神様か、もしくは見かねた知り合いの誰かか?(笑)いずれにしても、初めて経験するクラウドファンディングで、プロジェクトが成功したのは本当に有難いことです。パトロンの皆様、また、メールやSNSなどで色々と応援のメッセージを頂いた皆様、ありがとうございます。頑張って面白い小説書きますね!と、すっかり終わった雰囲気を醸し出していますが、プロジェクト募集期間はまだ今夜まで数時間を残しています。登場人物枠もまだありますので、最後にこの文章を読んでいただいた方で「ぜひ小説の登場人物になってみたい!」と思われた方、ぜひご参加ください! 朱郷 慶彦
いよいよサクセス間近に!30万円の「主人公枠」へのご応募がありました。ありがとうございます。どんな方なのか、どんな物語が紡げるのか、作者として非常に楽しみです。これで、達成率が90%を超えました。ゴールが見えてきました。まだ登場人物枠はあります。小説に登場人物で登場できるチャンスはなかなかありません。好評であれば、映像化などもあるかも!?ぜひ皆様のご応募、お待ちしております。出版記念パーティで一緒に語り合いましょう!
まさか、お前が……! いかなる兵士にも休息は必要である。歓楽の巷で肝臓を酷使しながらも日夜戦っている私とて例外ではない。 昨夜は久しぶりに早く帰宅した。妻はすでに寝ていた。私はあくまで休息を取りに帰ったわけであるから、労いの言葉とか、夫婦の会話とかを期待しているわけではない。それでも、家庭内の冷戦状態というのは、なかなか堪えるものである。 妻は私が浮気をしていると疑っている。しかも、浮気の相手が妻の友人の女性だと妄想しているのだ。そんな馬鹿な。仮に浮気をしようと考えたとしても、服のサイズが20号だというその友人だけは避けるに違いない。 私はダイニングに行き、ガラスのグラスにウイスキーを無雑作に注ぎ、そのまま一口呷った。アルコールの熱が徐々に体内を下っていくのを感じた。戦いからは休めても、アルコールからは休めないのが、私の宿命のようだ。 ふと、足のつま先に温かみを感じた。アルコールとはまた違った柔らかな温かみだ。 視線を落とすと、我が愛犬・ヴァルが愛嬌のある顔で私を見上げていた。私が足をちょっと動かすと、つま先をペロペロ舐めてくる。犬はいいものだ。無邪気この上ない。私の収入が少ないと愚痴をこぼすこともなく、酒を飲んで帰っても嫌な顔をするわけでもない。金をくれとも言わなければ、してもいない浮気を疑ったりもしない。 私は思わずヴァルを撫でていた。「お前は本当に可愛いなあ」 転がっていたボールを放り投げてやると、ヴァルは喜び勇んで取ってくる。愛犬に癒されながら飲む酒も悪くないものだ。 私はいい気分になり、グラスを重ねるうちに、やがて机に突っ伏して寝てしまっていた。小一時間もしただろうか、意識がやや戻り、同時に何者かの声が聞こえてきた。 「俺だけど。今ようやく時間が空いた」 ん……誰だ。部屋には私の他には誰もいないはずなのに。 「女房なら寝ているから大丈夫」 どう聞いても、私自身の声にしか聞こえない。そんな馬鹿な! 私は眠いのを堪え、力を振り絞って、声の主の方に顔を向け、瞼を開けた。ぼんやりとした視界の中で、ふわふわとした小さな物体が映った。良く見れば、ヴァルが私の携帯を耳に当て、何やら話しているところだった。 ヴァルが電話をしている?しかも、私の声を真似している! 女房が私の浮気を疑っていたのも理由があったのだ。ヴァルが私の声を真似して、妻の友人を口説いていたのである。 「ヴァ、ヴァル……」 私の振り絞るような声を聞いたヴァルが、ハッとした様子で携帯を手から落とした。口が半開きになって、歯が見えていた。 「お前が犯人だったのか!」 ヴァルは私に近づいてくると、私の足のつま先をペロペロと舐めはじめた。そして私を見上げた。その表情は無邪気そのものだった。 さっきのは幻聴、幻覚だったのか。それとも、最も怪しくない者が犯人だというミステリーの王道をいく展開なのか。 世界最初の推理小説といわれるエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」も、よく考えればこれくらい荒唐無稽な話だよなぁ、などと考えているうちに、私の意識は再び遠のいていった。
セッションライブ出演我が人生の師にしてサックス奏者の菊地康正氏主催のセッションライブに参加させて頂いた。この活動報告では、毎回酔っぱらった状態のみを報告している私ではあるが、今日だけは飲んだくれている場合ではないのである。私の酔態を楽しみにしている読者の方には、今回は残念ながら素面での報告となることを予めご理解頂きたいと思う。何しろ多忙の身である。何しろ毎晩飲んでいるのである。最近サックスの練習をいつしたのか、記憶はおぼろげだ。さすがに当日の朝は心配になって、仕事で立ち会っている撮影現場でスタッフのみんなに断り、サックスを吹いてみる。もちろん絶不調である。仕事の最中に突然サックスを吹き始めた私に、スタッフたちは呆れ顔だ。 ライブ会場である西荻窪の「COCO PALM」に到着し、リハーサルへ。リハーサルも引き続き不調。こりゃダメだ。絶望的な気分で本番へ。 本番のステージに立つや、アドレナリンの過剰分泌が始まり、頭は真っ白。興奮状態のまま、異常な速度でカウントを始めてしまう。それにつられてピアノもベースもドラムも高速で演奏を始めた。仕方なくテーマを高速で吹いて必死についていく。ん?何だか楽しくなってきたぞ。 そしてアドリブソロへ。まず一発、Fの音を長く吹くと、不思議な快感が背中を駆け抜けてきた。そこからは、もう勢いのみだ。心のままに吹きまくる私。気持ち良くなってしまっているのだから、仕方がない。ひたすら吹いて、吹いて、吹くのみ。俺って、いま何だか、すごくフリーな感じ!いやぁ、気持ちいいよぉぉぉ。気がつくと曲は終わり、観客からは拍手が巻き起こっていた。「あれ、いま私、何やってました?」バンドのメンバーから声をかけられる。「良かったよ」「すごいじゃない」「身体の中からリズムが湧き出してきてたね」いや……良かったの、あれで?世の中、技術がなくても、勢いと迫力で圧倒してしまう手もあるのである。ま、いいか。とにかく、音楽とは良いものだ。打ち上げでの酒は格別に美味しい。結局、今回も最後は酔って終わるのか、と思いながら飲んでいると、テーブルを挟んで私の前に座っていた菊地師匠がポツリと漏らした。「朱郷くん、好き勝手やってたねぇ」勢いだけの私の浅はかなアドリブなど、一流のプロの目にかかれば簡単に見抜かれてしまうのである。師匠、ご迷惑をおかけしました。でも、気持ち良かったです。また、ぜひお誘い下さい。
主人公に次ぐ重要なサブキャラが一人決定!10万円を支援して頂いた方が現れました。「主人公に次ぐ重要なサブキャラ」としての小説に登場して頂きますので、ストーリー展開を大きく左右することになります。 どんな方なのか、楽しみです。プロジェクトが成功したら、小説に登場して頂く方々には、私の方からご連絡を差し上げます。希望のキャラクターや舞台設定、ご自分の性格や趣味、特技などを取材して、個性を生かした形で登場して頂こうと思います。さあ、楽しくなってきたぞ! 朱郷 慶彦