
こんにちは。起案者の岡田です。
小出氏による「河上彦斎を通して現代を見つめるキーワード」、第2回をお送りします。
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河上彦斎を語る3つのキーワード「その二」

2. 佐久間象山暗殺
河上彦斎が斬ったとされる人物に佐久間象山がいます。
この佐久間象山の門人を挙げてみると吉田松陰、橋本左内、小林虎三郎(越後長岡藩士、のち大参事)、河井継之助(越後長岡藩家老)、勝海舟(※勝海舟の妹と象山が結婚したため、海舟の義弟にあたる)など。
幕末の錚々たる人物が象山の門人の芳名録に連なっています。
佐久間象山は幕府の公武合体・開国派の急先鋒でした。そのための攘夷遂行のための暗殺だったのか、或いはまた別の理由があったのか。
河上彦斎が佐久間象山を斬るに至るまでを時系列に見て行ったとき、佐幕藩である熊本藩出身という彦斎の視点は私たちの知る幕末とは全く異なる様相を表わすはずです。
小出一富(こいでかずとよ)プロフィール:

1981年、東京生まれ。歴史学者。『古事記』『日本書紀』などの史書から『源氏物語』などの文学作品、漢籍では『資史通鑑』などの原文に小学生の頃より親しむ。
サンスクリット語を故・松山俊太郎氏より手解きを受けるなど学問への志を棄て難く26歳で大学に再入学。
國學院大學首席入学、首席卒業。同大大学院文学研究科博士課程退学。
律令学の大家、瀧川政次郎先生の愛弟子である嵐義人先生の推挙を受け、大学在学中に温故學會(※)研究員に就任。
平成27年4月より同公益社団法人温故學會監事に最年少で就任する。
東京の自由大学で人気講座を多数担当する名物教授としても知られ、また2014年の「すみだ川アートプロジェクト」で超満員の歴史トークライブを行うなど、歴史を身近に感じてもらうためのトークイベントも手掛ける。
2014年10月に海竜社より『人生が変わる古事記』が出版早々、古典・文学研究ジャンルランキング1位(2014年10月Amazon社調べ)を獲得。
今大注目の若手歴史家である。
※温故學會:江戸時代後期の盲目の国学者・塙保己一の偉業顕彰の目的から、明治42年に子爵渋沢栄一、宮中顧問官井上通泰、文学博士芳賀矢一、保己一曾孫塙忠雄の四氏により設立された史料館・歴史研究所。保己一の精神である温故知新の趣旨に基づき活動するとともに、重要文化財指定の『群書類従』版木の保管、盲人福祉事業、各種啓発事業を行っている。






