
店主は女将
大衆酒場の二階で生まれ育った私は
小さな頃から飲んだくれ親父の喧噪の中で
お絵描きをし、受験勉強をし、恋愛をしてきました。
だから酒場というものに抵抗がなく
日常の一部になっていました。
両親は父がカウンターの中でドリンク担当。
母が厨房で料理を担当でした。
父は将棋好きで
仲間を集め「棋楽会(きらっかい)」という
将棋同好会のような会を立ち上げたりして。
父の周りにはコミュニティーがいつの間にか出来てしまう。
そのDNAは間違いなく私に受け継がれているようです。

はりや営業中の一コマ。父の手がきれい。
母は嫁いでから懐石料理を習いました。
だから母の作る酒の肴はどこなく凛としている。
毎日来てくれる人がいるから
毎日違うつまみを準備する。
そんな心配りが出来る女性でした。

ぬか漬けは3~4種類の野菜が並ぶ
そんな両親の元で育った私は
結婚してから4人の子宝に恵まれ
産めば産むほど、働かなければならない我が家の経済状況。
我が家だけではないとは思いますが
今どきは両親ともに働いているご家庭も少なくありません。
夫婦で働き
夫婦で子育てをする。
少しずつですがそれが当たり前になってきています。
子育ては楽しいこと、苦しいこと、嬉しいこと、悲しいこと
全部の感情が何倍にも膨れ上がります。
そしてやっぱり子供の成長は親にとって最高の楽しみ。
でも息抜きも必要。
4人を育てて本当にそう思います。
多分、一番多いパターンは
母親が保育園のお迎え
買い物、ご飯を作るために帰宅する。
そしたらパパが帰ってきたら交代でフラリと飲みに来ませんか?
子どものこと、ご主人のこと、仕事のこと
なんでも話を聞きます。
美味しいお酒とおつまみをご用意しています。
パパも安心して送り出してくれるはず。
もちろん、パパとママが逆パターンでも大丈夫。
お一人でも気兼ねすることなく立ち寄れる縄のれんを目指します。
縄のれんの向こう側には、4人の子どもを育てた女将が待っています。






