2018/03/08 15:13

本屋にライバルはいるのか

 

先日、とある方にこんな質問をされました。

「本屋のライバルってなんだと思う?」

 

私は、すぐに答えが出ませんでした。

 

使い古された、ステレオタイプの答えならすぐに言えます。

「Amazonだ」とか「電子書籍だ」「コンビニだ」とか。

 

私はAmazonも使うし、電子書籍も読むし、コンビニにも行きます。

もちろん、本屋も。

 

いずれも「好きだから」ではなく「便利だから使う」。

そして本屋は「好きだから、行く」。

 

「好きだから行きたい」と思わせる何かを本屋が発信すれば

それらはライバルにはならない。

 

じゃあ、本屋のライバルって、なんだろう。

 

そもそも、ライバルってなんだ。

昔から一番背が低くて、常に一番前だった私は

「あの人に背を越された」とか「あの人より私は背が高い」と

比べて悔しがることもなかった。

 

その代り、小さいという自覚もなかった。

(いつも、電車の窓ガラスに移った自分を見るたび「ちっちゃ!」と驚きます) 

 

ライバル、と聞くとガラスの仮面のあの2人が思い出されます。

そう、北島マヤと姫川亜弓。 

 

本屋にとっての「姫川亜弓」はなんなのか。

(本屋が北島マヤという前提で)

 

でも、考えても答えは出ませんでした。

 

ライバルがいなかったから、廃れてしまった・・・・?

  

そこで、仮説として出てきたのが「ライバルはいない」という答えです。

だからこそ、廃れてしまったのかもしれない。

 

おそらく、ライバルがいれば、本屋はもっと磨かれていたはずです。

北島マヤと姫川亜弓があれだけの成長を遂げたのは

お互いの存在を意識し合ってきたからにほかなりません。

(男性は、悟空とベジータをイメージしてください)

 

本屋には、ライバルがいなかったのではないでしょうか。

ライバルではなく、ただただ本屋が負けてしまったものが、

あったんじゃないか。

 

本屋の魅力は、どこで失われてしまったのか。

 

考えていたときに、ふと「先入観」という言葉が頭に浮かびました。

 

「先入観」。

 

Amazonが生まれてから、世間が思う本屋の「役割」が

変わってしまったのではないか。

 

本来本屋は

「偶然の出会いを期待する」

「知らない本に出会える」

 

だったはずが

「欲しい本を直接会に行く場所」

という意識にに変化したのではないか。

 

そういった世間の思い込みに、本屋が対応できずに減ってしまったのではないか。

 

そんな考えに至りました。

もちろん

必要な本を求めているお客さんがきたら、必要な本を手渡すことも、本屋の大切な役割です。

ただ、それだけだとただの便利屋だしAmazonと変わらない。

 

買うつもりがなかったのに、ふらり、と入って本棚を眺める。

何気なく取って開いてみて、なんとなく持って帰りたくなる。

 

そんな本をそろえておくのも、本屋の、本屋だからこそ、

の大切な役割なのではないか、と。

 

今、そんな本屋さんが増えています。 

これからますます増えていくでしょう。

 

  

新しい本屋さんが生まれる町を。

 

そしてそれが、新しい本屋さんの常識になる。

私達の目指す本屋も、「新しい本屋さん」を目指していきます。

 

既存の常識に負けないように。

暮らしと地域が繋がる本屋づくりを、していきます。

 

そしてそれが新しい「本屋の常識」になったらいいな。

 

どんな形になるか、見守って頂ければ幸いです。

 

 

 

親子絵本専門店NanuK

えのもとももこ