
こんにちは。
階段王になる男、渡辺良治です。
前回のレポートの続きをお届けしたいと思います。
午前中のVWCのレースの結果がイマイチだったので今度こそ完全燃焼を誓った午後のレース。
レース名は「International Towerrunning GrandPrix Magnolia Plaza」
階段数1736段、+66階で320mをのぼります。
そして今回は一人づつのウェーブスタートとなりました。
自分としてはその方が自分の走りに集中できるので助かります。
スタート順はピーター、マークに続き中国人選手が前に二人、自分は5番目のスタートで、一つ後ろにTWA世界ランク6位のZhen選手がいました。
おそらく、ピーター、マークに次いでの実力者であると思っていたZhen選手には負けたくないと思いましたが、一つ後ろから来られるのは追われる形になりあまり好ましくありません。
しかも差はたったの10秒で、すぐに後ろに着かれる可能性が大きく若干不安を抱えてのスタートとなりました。
午前中のレースからちょうど6時間後になり午後3時30分、いよいよスタートの時間になりました。
コースの状況(手すりの形や外周を走らされるところはあるのか、等)はほとんどわからないのでとにかく難しい事を考えるのは止めて自分のペースで登ろうとだけ決めてスタートしましたが、すぐにその目論見は崩れます。
まずは、階段の手すりが特殊でした。少し高い位置にあるうえに、手すりが幅広で掴みにくい(>_<)一番上の部分を掴むより、細くなっている下の部分を掴んだ方が良いかも?といったところでした。
そして後ろからくるZhen選手のペースが速すぎる!!
5階くらいであっという間にすぐ後ろに着かれてしまいました。
ですが、簡単には先を譲れません。仕方なく自分も予定より少し速いペースに引き上げました。
さらに驚くことがもう一つ。
なんと階数表示が見当たりません。普通なら壁のどこかに書かれているものですが、どこを探しても見つかりません(´Д⊂ヽ
(な、なぜだろう?、もしや床に書いてあるとか…?)
しかし床にも見当たりません。
想定外のことが続き頭は軽くパニックを起こしてしまいました。
知らず知らずペースを上げすぎてしまい、気づくと最初の給水を過ぎたあたり、おそらく20階付近で10秒前にスタートした刘志森選手に落ち着いてしまいました。
まだ前半なのでさほどばてている様子ではないので抜くのは困難とみてしばらく後ろについていかせてもらうことにしました。
その間も階数表示を探すものの見当たらず、きょろきょろした分余計に体力を使ってしまいました<(`^´)>
ちなみに20階を過ぎたあたりからは早くも疲れが出てきたので、時折手すりを掴んでの早歩きを入れたりして前の刘選手に合わせて進んでいました。
しかし後ろからはZhen選手がぴったりついてくるので、彼には10秒差以上つけてゴールしないと負けてしまいます。
なので、おそらく30階付近だったと思いますが、意を決して刘選手を追い越し前に出ます!
手すりから手を放して走った方がやはり早歩きよりは速いということもなんとなく感じ、なるべく走ることを心掛け、少し後続に差をつけることが出来ました。
しかしこのコース、給水所があるだけで外周ゾーンはいっさいなくひたすらつづら折りで登り続けるだけで、精神的にも参ってきます。そんなとき、ふと少し目を横に逸らすと・・・。
なんと非常灯に階数が書いてあるではないですか(;・∀・)
こ、こんなところにあったとは・・・!気になる階数は「40」でした。
ある程度予想はしていたましたが、まだ25階以上あるときてガックリ_| ̄|
しかも午前中のレースからずっと右回りだったため右わき腹が痛くなってきました。仕方なく若干ペースを落としたところ先ほど追い抜いた刘選手が颯爽と抜き去っていきました。
「まぁ10秒先にスタートした選手だし、見える範囲で後ろについていけばいいや」と軽く考えていました。
ところがここからは気持ちも完全に守りに入ってしまい、手すりを掴んで体を引き上げるように進むのがほとんどになってしまいました。おまけにわき腹もどんどんゆがみ背筋を伸ばした正しいフォームを維持できなくなりズルズルと後退していきました(ノД`)・゜・。
なんとか55階あたりまで進み「あと10階だから1分半くらい!ようやく終わる!」と覚悟を決め少しだけですがペースアップを図ります。歩きと走りを半々で必死でラストスパートをかけ、前を追うというより後ろからくるZhen選手から逃げることだけを考えていました。
前の刘選手は見えないものの、音は聞こえていて、一階分くらい、およそ7,8秒くらいの差だと思いこれならイケると思っていました。
実際、60階過ぎたあたりからは踊り場でチラチラと見えることがあり、5秒差くらいまでは詰まっていたはずです。ゴールがあると思っていた67階あたりで余力を残さず、完全に出し切れるくらいの良いスパートが出来たと自分でも評価できると思います。
・・・が。
65階を過ぎ、66階に来ても67階に来てもゴールは見えず、まだ上に行くように指示されます。
(あれ?+66階だから絶対に67階にはゴールするはずじゃん?!)と再びパニック状態に。
いったいどこがゴールなのか、ひょっとしたら77階の間違い??
などと雑念が頭を支配し、もう自分の走りを気にすることが出来ず、スパートもできなくなり、よろよろと手すりに寄りかかりながら進むことしかできなくなりました。ここで、かなりガクンとペースが落ちたのは間違いないでしょうね。
この階段垂直マラソンは本当にキッツイ競技なので精神的にやられてしまうと肉体が全く言うことをきいてくれなくなり、タイムはがた落ちになります。
結局本当のゴール、70階にたどり着いたときはゾンビ状態でした(笑)
当然、ゴールと同時に糸の切れたマリオネットのようにその場に倒れこみ、意識を失いかけました…。きつさでいえば5月の台北101の時並みにきつかったです。スタッフの方にもかなり心配され脈拍チェックなどを受け、マッサージもしていただきました(;・∀・)

それなりの達成感は感じつつも、やはり階数表示のことやゴール地点の確認が甘かったという痛恨のミスが響き、結果は8分53秒で4位でした。警戒していたZhen選手には4秒の差をつけて勝てたものの、3位の刘選手とは3秒差をつけられての4位でした。く、悔しい~~<(`^´)>
海外遠征で表彰対象から外れたのは今年初で、ダブルヘッダーの厳しさを思い知りました。

(なぜか写真が反転してしまいました・・・)ちなみに優勝はオーストラリアのイケメンパパランナー、マーク・ボーン選手!

タイムは8分25秒で自分とは28秒差・・・。完全に力の差を見せつけられました(>_<)
やはりダブルヘッダーは想像以上にきつかったです!ですが、本当に強い選手はきつい時でも強さを発揮するんですね…。
また、今回は体重が58kg近くあり、前回の北京と比べても1キロほど重かったのできちんとウェイトコントロールをすることの大切さも痛感させられました(T_T)
また、先ほど述べたコース情報をしっかり調べておくことの重要性も改めて思い知らされました。
これらの反省点をしっかりと今後に活かしていきたいと思います!
そして次回のワールドシリーズは大阪で行われる「ハルカススカイラン」です。今度こそすべて出し切って納得いくレースをして優勝を目指したいと思います!
どうぞ吉報をお待ちください!!
それではまた。
渡辺良治






