【階段垂直マラソン】30代半ばにして青梅の里山から世界王者を目指す!

超高層ビルを駆け上がるスポーツを「階段垂直マラソン」または「Tower running」と言い、自分は去年「VWC」というこの競技のワールドシリーズに挑戦、アジア勢初の世界3位を獲得! 今年はさらに上を目指し青梅から世界へと飛び立ちます!

現在の支援総額

622,000

124%

目標金額は500,000円

支援者数

72

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2018/04/30に募集を開始し、 72人の支援により 622,000円の資金を集め、 2018/06/19に募集を終了しました

【階段垂直マラソン】30代半ばにして青梅の里山から世界王者を目指す!

現在の支援総額

622,000

124%達成

終了

目標金額500,000

支援者数72

このプロジェクトは、2018/04/30に募集を開始し、 72人の支援により 622,000円の資金を集め、 2018/06/19に募集を終了しました

超高層ビルを駆け上がるスポーツを「階段垂直マラソン」または「Tower running」と言い、自分は去年「VWC」というこの競技のワールドシリーズに挑戦、アジア勢初の世界3位を獲得! 今年はさらに上を目指し青梅から世界へと飛び立ちます!

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今回のレースは今年中盤戦のメインの大会と位置付けたバーティカルワールドサーキット(VWC)第五戦、北京大会「2018 China World Summit Wing, Beijing Vertical Run」(大会名長っ!)です。
登る高さは330m、階段数2041段です。
今年から最終戦以外にもボーナスポイントが付くようになったのですがその一つがこの大会です。
当然強豪たちがこぞって参加してくるのですが、なんとあの「帝王」ピーターが不参加ということになり、VWCの双璧のもう一人、マークもマニラは体調不良で回避した病み上がりの身。
もし今年優勝するならココしかない!
何が何でも勝ちに行くと心に決めて臨んだレースでした。

そしてニューユニフォームとオリジナルフラッグのお披露目レースでもあり、縁起良く優勝を飾りたいと強く願っていました。

そのためにも先ずは打倒マークの為の作戦を練りました。
思い返せば彼にもピーターにも必ず後半で差をつけられてしまうのが負けパターン。それを阻止するには?必死で考え悩みましたが、導き出した結論は「先行逃げ切り」です!
スタートから抜け出し、姿や気配を掴ませず戦意喪失に追い込み後半の追い上げを阻止するというものでした。
もちろん無理なオーバーペースは後半の激落ちを招きかねない諸刃の剣です。

しかし安全策など不要️無難に表彰台狙いなんて言っていたらいつまで経っても「階段王」に辿り着けません。
例え途中で死んでも…流石にそれは大げさでも、病院送りになろうとも止まらない!ペースを緩めないことを誓ってスタートラインに立ちました。
立ったつもりでした…。

 


15時ちょうどにいつものけたたましい合図で一斉に男子9人がスタートを切りました。
第1レーンのマークやオマールをかき分け、狙い通り最初の30mほどの直線で先頭に出ることに成功しました!そのまま階段に入りstyle:Pで両側の手すりを使いながら進みます。まさに完璧なスタートダッシュを決めて「今日のピーターは俺だ!」と言わんばかりに進みました(笑)

先ず後ろから着いてきたのは厳重警戒していたマークでもなくいつも序盤はめっちゃ元気なオマールでもなく、去年のNo.2、何亮亮(リャンリャン)でした。去年、何故かこの北京大会だけは大差で負けていて、この大会を得意としている特異な存在…。
そしてその後方から猛ダッシュで追いかけてくるのが一人…。今回エリートで初参加の中国の江东薛のようですが、明らかに素人の走り…。
案の定、最初のロングターンの15階を待たず早々に落ちていきました(^_^;)
一方のリャンリャンは流石の安定したペース。20階を過ぎてもさほど差はつきません。
しかしこちらもその頃にはペース感覚とこのコースのターンのリズムを掴み、安定走行モードに。
決してのんびりペースではありませんが無理なオーバーペースにはならないように気持ちの制御が効くギリギリのところを維持して進んでいき、第2のロングターン、31階に到達。
(階段はだいたいこんな感じです)
ここまで来ると流石に後続と少し差がついたようで振り返っても姿は見えません。
スタッフの声援の声から察するに約一階半、10秒弱の差があるように感じました。
ですがまだまだコースの中間手前、気は抜けません。
オーバーペースにもスローペースにも気を付けながらほぼ全てをstyle:Pで走ってのぼり続けます。

そしてようやく中間点、42階のロングターンに到達。
一旦身体の疲労度をチェック。
足・・・ここまでほぼ走り続けの割にまだ若干の余裕あり
腕・・・手摺にしがみつくことがなかったのでかなり元気
心肺機能・・・流石に少しキツくなってきた。上二つに比べると消耗度が激しいのは明白。
精神状態・・・作戦がハマった嬉しさと経験したことのない独走状態にやや混乱しつつもまだ冷静さを維持
・・・といったところ。
キツイのは間違いないのですが、「ひょっとしたら勝てるかも?」という希望も湧いてきて気持ちが高揚してきました。

ここからは一応予定通りに激落ちを避けるべく、手摺を両手で引き寄せるelb走法を織り交ぜつつのぼります。当然わずかにペースは落ちますが、その分後ろとの差を気にして警戒しつつ進みます。
するとスタッフの応援の反応から察するに約2階分の差はあるように感じました。大体12秒差くらいでしょうか?
安全圏とは言えないにしても有利な状態にあるのは間違いありません。
とにかく気を緩めない事を第一に考えながら走りと早歩き半々くらいで進みとうとう最終ロングターン、62階に到達!

ここで顔見知りのスタッフの方にお会いし笑顔を交わし合いました。僕は心の中での笑顔でしたが(笑)

この時点ででも差は大体二階分くらいあったはずです。
流石に「これは勝ったぞ️」と心の片隅に油断が生じてしまいました。
いや、そもそもスタッフの顔を見る余裕がある時点で気が緩んでいたのでしょう。

意気揚々と階段をのぼっていき、70階に到達するあたり…。ついに、ついに誰かの呼吸音が聞こえてきました(>_<)
しかも、それはいつのまにか見えないまでもかなり近くから聞こえてきます∑(゚Д゚)
(い、一体誰だ⁈こんな終盤にペースアップなんて)と思いましたがすぐに気付きました。その声の主が誰かを。そして自分の置かれている状態の恐ろしさに((((;゚Д゚)))))))
来る…奴がやって来る️マーク・ボーンがヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

そして声が聞こえ始めて、40秒ほど、75階手前で遂にマークの姿が視界に入ってくると同時にさらに戦慄を覚えました。
彼は走っている、ほとんど平常時と変わらない腰の真っ直ぐな綺麗なフォームで…。

「追いつかれたら終わりだ」直感的にそう感じました。
必死の思いでstyle:Pに戻してペースアップを図りました。
ですが、恐怖に取り憑かれて我を失いかけ、余計な所に力が入るは腰は曲がるでフォームはバラバラ_:(´ཀ`」 ∠):

ペースアップどころか維持するのも困難で79階で遂に手が届きそうな場所まで追いつかれてしまいました。

「負けたくない負けたくない負けたくない・・・」その思いだけでとにかく前へ、上へ…。

ところがやはり恐れていたことが起きてしまいました。81階でほんのわずか、今までの階段を離れ隣のフロア移る分岐点で一瞬右か左かを迷いコンマ数秒のタイムロスとバランスを崩したその隙を彼は見逃してくれませんでした。

最後の屋内階段ゾーンでいとも簡単に自分の外側をスルリと抜けて前へでるマークに追いすがる余力は自分には残されていませんでした。

眼に映るのは82の数字。ここからは太陽の光が差し込む屋外へ飛び出し、最後の螺旋階段へ。さながらフルマラソンのトラック最終ストレートの勝負ですが、ここで抜かすのは余りに困難。

チャンスがあるとしたら本当の本当の最後、最後のカーブを曲がりきっての5,6mの直線のみだと思い、泣きたくなる気持ちを押し込めて必死にマークに食い下がるも最後のカーブ手前で力尽きバランスを崩して前のめりになってしまい本当に本当に本当の「ジ・エンド」
まさしく後塵を拝す形になり二秒差での惜敗でした。(表紙画像参照)
いや、タイム差というより後ろから追い上げ最後に躱して、ラストスパートで突き放すマークのその貫禄には完敗でした。



何とも悔しい。疲れや苦しいという感覚より激しい悔しさが全身を覆い尽くしてしまった感じでトップ3の写真撮影にもなかなか応えられませんでした。全く情けない大人です…。

撮影後もぶっ倒れてとにかく湧き出る感情を全身から放出しまくりで、今思い返すと地団駄踏みまくりで三歳児か⁈と突っ込み入れたくなりますね(>人<;)

この悔しさはしばらく後を引きそうで、その貫禄には当日の夜は全く熟睡出来ず一時間ほど浅い眠りをしただけで3時には目が覚めてしまい、四時からロビーでこのレポを書いている有様です_:(´ཀ`」 ∠):

 

(表彰式にてあまり嬉しそうな表情はしてませんね…。)

全体の結果は以下の通りでした。

http://beijingverticalrun.com/wp-content/uploads/2018/08/2018_BJVR_Results_Elite.pdf

 

2秒差で、しかもゴール直前で自分の気のゆるみからの逆転を許すという悔しすぎる中身でしたが、収穫もありました。
一つはタイムが去年と比べて48秒も縮まったことです。
これは去年からの成長の度合いでは間違い無く参加者トップでした。まだまだ工夫次第では伸びる余地があるということですね。

二つ目は先行逃げ切りという作戦が有効だとわかったことです。
正確にはトップに立ち、前の選手を追い越すことを考えずに自分の走りに集中できる優位性が分かったということです。
少し卑怯に思われるかもしれませんが、スタートで飛び出して遠慮なく先頭争いをするべきだと思いました。
また、前半楽して後半にペースアップするよりは、前半頑張って後半のペースダウンを堪える方がまだ精神的に楽だと感じたので、今後もしばらくはこの戦法で行こうと思います。

三つめはここまで悔しい思いを出来たこと。
もうマークやピーターに負けたくない、もうすでに勝てるはずだと思える自分になれたんだと感じました。
世界の階段王になれる可能性は十分にある。確かにある。
後はその覚悟を決めてどれだけ汗水垂らして練習をこなして、レースに集中して細かいミスを減らせるかなんだろうと思います。

 

悔しさと共に更なる挑戦への意欲を得ての帰国となりました。

今回はあと一歩で優勝を逃すという非常に悔しい結果でしたが、気持ちの整理をしっかりつけて得られた成果をしっかり活かしてまた修練に取り組みたいと思います!


階段王に、俺はなる!

 

渡辺良治

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