
今回のレースは今年中盤戦のメインの大会と位置付けたバーティカ
登る高さは330m、階段数2041段です。
今年から最終戦以外にもボーナスポイントが付くようになったので
当然強豪たちがこぞって参加してくるのですが、なんとあの「帝王
もし今年優勝するならココしかない!
何が何でも勝ちに行くと心に決めて臨んだレースでした。

そしてニューユニフォームとオリジナルフラッグのお披露目レースでもあり、縁起良く優勝を飾りたいと強く願っていました。
そのためにも先ずは打倒マークの為の作戦を練りました。
思い返せば彼にもピーターにも必ず後半で差をつけられてしまうの
スタートから抜け出し、姿や気配を掴ませず戦意喪失に追い込み後
もちろん無理なオーバーペースは後半の激落ちを招きかねない諸刃

しかし安全策など不要️無難に表彰台狙いなんて言っていたらい
例え途中で死んでも…流石にそれは大げさでも、病院送りになろう
立ったつもりでした…。

15時ちょうどにいつものけたたましい合図で一斉に男子9人がス
第1レーンのマークやオマールをかき分け、狙い通り最初の30m
先ず後ろから着いてきたのは厳重警戒していたマークでもなくいつ
そしてその後方から猛ダッシュで追いかけてくるのが一人…。今
案の定、最初のロングターンの15階を待たず早々に落ちていきま
一方のリャンリャンは流石の安定したペース。20階を過ぎてもさ
しかしこちらもその頃にはペース感覚とこのコースのターンのリズ
決してのんびりペースではありませんが無理なオーバーペースには
(階段はだいたいこんな感じです)
ここまで来ると流石に後続と少し差がついたようで振り返っても姿
スタッフの声援の声から察するに約一階半、10秒弱の差があるよ
ですがまだまだコースの中間手前、気は抜けません。
オーバーペースにもスローペースにも気を付けながらほぼ全てをs
そしてようやく中間点、42階のロングターンに到達。
一旦身体の疲労度をチェック。
足・・・ここまでほぼ走り続けの割にまだ若干の余裕あり
腕・・・手摺にしがみつくことがなかったのでかなり元気
心肺機能・・・流石に少しキツくなってきた。上二つに比べると消
精神状態・・・作戦がハマった嬉しさと経験したことのない独走状
・・・といったところ。
キツイのは間違いないのですが、「ひょっとしたら勝てるかも?」
ここからは一応予定通りに激落ちを避けるべく、手摺を両手で
するとスタッフの応援の反応から察するに約2階分の差はあるように
安全圏とは言えないにしても有利な状態にあるのは間違いありませ
とにかく気を緩めない事を第一に考えながら走りと早歩き半々くら
ここで顔見知りのスタッフの方にお会いし笑顔を交わし合いました
この時点ででも差は大体二階分くらいあったはずです。
流石に「これは勝ったぞ️」と心の片隅に油断が生じてしまいま
いや、そもそもスタッフの顔を見る余裕がある時点で気が緩んでい
意気揚々と階段をのぼっていき、70階に到達するあたり…。つい
しかも、それはいつのまにか見えないまでもかなり近くから聞こえてき
(い、一体誰だ⁈こんな終盤にペースアップなんて)と思いました
来る…奴がやって来る️マーク・ボーンがヽ( ̄д ̄;)ノ=3
そして声が聞こえ始めて、40秒ほど、75階手前で遂にマークの
彼は走っている、ほとんど平常時と変わらない腰の真っ直ぐな綺麗
「追いつかれたら終わりだ」直感的にそう感じました。
必死の思いでstyle:Pに戻してペースアップを図りました。
ですが、恐怖に取り憑かれて我を失いかけ、余計な所に力が入るは
ペースアップどころか維持するのも困難で79階で遂に手が届きそ
「負けたくない負けたくない負けたくない・・・」その思いだけで
ところがやはり恐れていたことが起きてしまいました。81階でほん
最後の屋内階段ゾーンでいとも簡単に自分の外側をスルリと抜けて前へでるマークに追いす
眼に映るのは82の数字。ここからは太陽の光が差し込む屋外へ飛

チャンス
まさしく後塵を拝す形になり二秒差での惜敗でした。(表紙画像参照)
いや、タイム差というより後ろから追い上げ最後に躱して、ラストスパート

何とも悔しい。疲れや苦しいという感覚より激しい悔しさが全身を
撮影後もぶっ倒れてとにかく湧き出る感情を全身から放出しまくり
この悔しさはしばらく後を引きそうで、その貫禄には当日の夜は全

(表彰式にてあまり嬉しそうな表情はしてませんね…。)
全体の結果は以下の通りでした。
http://beijingverticalrun.com/wp-content/uploads/2018/08/2018_BJVR_Results_Elite.pdf
2秒差で、しかもゴール直前で自分の気のゆるみからの逆転を許すという悔しすぎる中身でしたが、収穫もありました。
一つはタイムが去年と比べて48秒も縮まったことです。
これは去年からの成長の度合いでは間違い無く参加者トップでした
二つ目は先行逃げ切りという作戦が有効だとわかったことです。
正確にはトップに立ち、前の選手を追い越すことを考えずに自分の
少し卑怯に思われるかもしれませんが、スタートで飛び出して遠慮
また、前半楽して後半にペースアップするよりは、前半頑張って後
三つめはここまで悔しい思いを出来たこと。
もうマークやピーターに負けたくない、もうすでに勝てるはずだと思える自分になれ
世界の階段王になれる可能性は十分にある。確かにある。
後はその覚悟を決めてどれだけ汗水垂らして練習をこなして、レー
悔しさと共に更なる挑戦への意欲を得ての帰国となりました。
今回はあと一歩で優勝を逃すという非常に悔しい結果でしたが、気

階段王に、俺はなる!
渡辺良治






