● 階段垂直マラソンの日本人パイオニアとして世界王者を目指す!
みなさんこんにちは。「階段王」になる男、渡辺良治です。
一昨年、昨年に引き続き今年も階段垂直マラソンの世界チャンピオン=「階段王」になるため、世界へと飛び出してさらに多くの挑戦をしたいと思います!
昨年もFAAVO東京西多摩でお世話になりましたのでこちらをまずはご覧ください。
(VWCではトップ3のお馴染みのメンバー:マーク選手、ピーター選手、渡辺)
昨年はみなさんのご支援のおかげで「バーティカル・ワールド・サーキット(VWC)」と「タワーランニング協会(TWA)」という二つのワールドシリーズに挑戦することができました。
おかげさまで・・・。
VWCでは2年連続となる年間ランキング3位!!
TWAでは初挑戦で少ないツアー参加数ながら年間ランキング6位!!
というどちらも日本人として初めてという快挙を成し遂げることが出来ました。本当にありがとうございました!!
(TWA世界選手権4位入賞!こちらにはドイツのクリスティアン選手、コロンビアのフランク選手などの強敵も数多く存在します)
この活躍は日本スカイランニング協会のHPでも紹介していただきました。
しかしまだまだ目指すべき「階段王」にのぼり詰めるためには多くの階段をのぼる必要があります。
その挑戦を続けるためにも今年もぜひみなさんのお力添えをお願いいたします!!
(Sports Republic provided)
※階段垂直マラソンとは
超高層ビル、タワーなどの階段を使い、いかに早く駆けのぼるかを競うという、シンプルかつ、ハードな競技です。
古くは1900年頃にパリのエッフェル塔でレースが行われた記録があり、10年ほど前から盛んになり始め、ワールドシリーズが行われるようになりました。
現在では全世界で300近くのレースが開催され、賞金レースも多数あり、専門に行うプロ選手もいるくらいです。
日本ではハルカススカイランが2017年より公式世界戦となったことで徐々に広まりを見せています。
さらに2018年は名古屋でも本格的な階段垂直マラソンの大会として「ミッドランドスカイラン」が開催され、遠出しなくても行えて本格的なアスリートから日ごろの運動不足解消目的の方まで幅広い方々に楽しんでいたで消すスポーツとして注目を集めています。
しかしこの競技、単に階段を真っ直ぐにダッシュするだけでは決して速くなりません。
何故なら非常階段には踊り場があるから。
そこをうまくターンする技術が必要です。
また、足だけで駆けあがるとすぐに限界がきます。いかにうまく手摺を使って身体を引き上げるかも大事な要素です。
シンプルに見えて奥が深い競技なのです。
● 「真の階段王」を目指し、今年も世界中のレースを転戦します!
今年の目標は真の階段王になるために明確なステップアップをすることです。
2つの世界団体に2人の世界チャンピオンが存在しそれぞれが恐ろしい実力を持っています。彼らに追いつくために昨年の「VWC」世界ランク3位からまずは「2位」を目指します!!
そのためにも必要なのは多くのレースに出て経験とポイントを積むことです。
VWCでは各レースにおいて獲得ポイントが決まっています。
そして獲得した各レースのポイントの中から5つを合計したものが年間順位を決めるポイントになります。
去年からは各大陸ごとにボーナスレースが定められ、その大会での獲得ポイントは25%増しになり、2つまで年間総合ポイントに加えられることになりました。さらに、最終戦の香港は50%増しとなり、合計3つまでボーナスレースのポイントが有効になります。
つまり、より良いポイントを得るためには近場のレースだけではなく高得点が期待できるレース、欧米のレースにも参加する必要があるのです。
詳しくはこちらのVWCのHPをご覧ください。
そのため今年はアジアだけでなく、6月2日のニューヨーク大会、7月20日のロンドン大会にも参加することにします!
その他、ソウル、上海、大阪、香港のVWCの大会にも参加し、可能であれば他の大会(北京・ドバイ)にも挑戦したいと思います。
また、TWAの大会は今年もアジアで行われる特に大きな大会にだけは参加し、年間総合トップ10位内は死守しようと思います。
●世界の頂を目指すチャンスは絶対に無駄にしたくない!
改めて少し自己紹介します。
(2016年のスカイランニング世界選手権のVKの部に日本代表として参加)
自分は生まれてから野球、卓球、ボクシングといくつかのスポーツに打ち込みましたが、いずれも全く芽は出ずスポーツの才能は無いと思いこんでいました。ですが、このスカイランニング、階段垂直マラソンに出会い、今ままでがむしゃらにトレーニングに打ち込んできた経験が下積みとなり「階段を一気に駆け上がる」という才能が開花しました。
(昨年のVWC北京大会ではトップのマーク選手と2秒差…。世界戦優勝まで手を伸ばせば届く位置です!)
一昨年、昨年と挑戦を続けて確実に自分がレベルアップしてきている手ごたえもありますが、同時に世界のトップクラスとはまだ差があることを痛感させられました。それを埋めるためには多くの経験を積むことだと感じました。
この競技はペース感覚が非常に大事なのですが、普段は超高層ビルで練習することはなかなかできません。また、レースでの駆け引きはレースでしか体験できません。実力と経験の差を埋めるためにもアジアだけでなく欧米や中東などまだ見ぬ超高層ビル、そして強敵に立ち向かっていこうと思います!
今年の挑戦を終えたときには真の階段王へと更に一段近づいた自分をお見せできると思います。
●階段垂直マラソンを日本でもっとメジャーなものに
さらに今後は自分の経験を周りに還元し、日本における階段垂直マラソンを盛り上げて行きたいので、後進の指導やイベントの企画などにも携わっていきたいと考えています。
階段の登り方についてのポイントをまとめた動画もさらに増やしていこうと思います!
● Road to 階段王 2019シーズン
(昨年のtowerrunning協会のツアーファイナル戦。ユーラシア、オーストラリア、南北アメリカ大陸とワールドワイドに選手が集まった中自分はアジア勢トップの5位入賞でした)
「真の階段王」になる。その為にはどうしても世界中を回る為の資金が必要です。生活が保障されているメジャースポーツと違い遠征費用は自腹というのが現状です。ただでさえ遠征のたびに家を空けてしまうのでこれ以上家庭に負担を掛けるわけにはいきません…。
ぜひ皆さんの支援で自分を世界との闘いに送り出して下さい!!
皆様からお寄せいただいた支援金は海外遠征の費用に使わせていただきます。
主に航空機代や現地での移動などの交通費、宿泊などの現地滞在費となります。超過達成できればリターン用のお土産購入などに使用させていただきます。
予定される費用としては・・・。
5月4日:TWAツアー戦・「Taipei101-Run up」 交通費ー約4万円
5月26日:TWAツアー戦・「PingAN Finance Centre」 交通費ー約4万円
6月2日:VWC第5戦ニューヨーク大会 交通費&宿泊費ー約12万円
7月20日:VWC第6戦ロンドン会 交通費&宿泊費ー約12万円
8月31日:VWC第7戦北京大会 交通費ー約6万円
10月13日:VWC第8戦上海大会 交通費ー約4万5千円
11月10日:VWC第10戦大阪大会 交通費ー約2万5千円
11月24日:「TWAツアーファイナル上海大会」 交通費&宿泊代約5万円
12月1日:VWC最終戦香港大会 交通費約4万円
+未発表のTWAツアー戦(恐らく10月に重慶にて) 交通費ー6万円
手数料およそ10万円
合計するとおよそ70万円の費用が必要となります。
● その他の実行スケジュール
現在決まっているレースは上でご説明した通りです。
また、上記以外の大会にも参加する予定です。
4月6日 VWC第1戦・ソウル大会(参加済み)
5月12日 ミッドランドスカイラン:ダブルアタックの部 (名古屋)
5月18日 Redbull400札幌大会 (大倉山スキージャンプ場)
6月8日 サナダバーティカル100 (菅平)
6月16日 Redbull白龍走 (熊本)
7月13日 Redbull400世界選手権 (カナダ)
10月12日 スカイスピード日本選手権 (尾瀬)
階段だけでなく、激坂一気登りのカテゴリーにも挑戦し階段で培った登りの強さを発揮したいと思います。
(Sports Republic provided)
もうすでに参加したVWCソウル大会「Lotte Tower Internathional sky run」の様子です。
去年より52秒もタイムを縮め、表彰台に登ることが出来ました。こっからさらにステップアップしていきます!!
● 西多摩青梅で育ち、西多摩の山々で鍛えられた自分を再び世界に送り出してください
身近に山が豊富な西多摩・青梅に育ち、そこに暮らす仲間と練習を重ね強くなってきました。御岳山や高水三山、日の出山などの山で練習を積んできたことが今の階段登りの強さを作ってくれました。
(地元青梅の天祖神社にて、青梅トレラン部の熱き仲間達と)
この西多摩青梅に恩返しをするためにも必ず今年も遠征を成功させ、初の世界チャンピオンへの階段をまた一つ駆け上がりたいと思います。そのためにもFAAVO東京西多摩でクラウドファンディングを行うことにしました。
西多摩にお住まいの方で、階段垂直マラソンやトレイルラン、スカイランニングに興味のある方や競技力を向上させたいと考えている方はぜひお気軽に声をお掛けください。自分の所属する青梅トレラン部で様々なイベントを開催しているのできっと楽しめると思いますよ。
https://www.facebook.com/groups/987173057979335/
練習場所を探しています
最後に一つ特殊なお願いをさせて貰っても良いでしょうか。
上記のように階段王になるため、練習を重ねていますが、この競技の特性上練習場所の確保に苦労しています。やはり一番は超高層ビルなどの非常階段で手すりや踊り場を使って練習する事です。ですが、快く非常階段を使わせてくれるビルやマンションはなかなか存在しません。
そこでもし皆様の中にマンションやビルなどのオーナーさんや、管理者さんがいらっしゃいましたら、練習場所として使用させていただけないでしょうか?十分な練習場所が確保できればそれだけ階段王へのステップアップを図れます。
希望条件は次の通りです。
・高さ100m以上
・階段に踊り場や手すりがある
・原則東京、埼玉、神奈川、などの首都圏。東京都青梅市在住なので、そこから片道2時間以内で到着できる場所だとありがたいです!
練習場所を提供して頂いたビルやマンションにはその名称をユニフォームの前面に入れさせていただきます。また、イベントや企画にもできる限り協力させていただきます。ぜひよろしくお願いします。
● お問い合わせ先など
※クレジットカードでのご支援が困難の方は下記のご支援方法も可能です。
▪現金によるご支援方法。
直接お問い合わせいただければ可能な範囲で自分がお受け取りに行きます。
原則としては以下の市町村が対象です。
青梅市、羽村市、福生市、瑞穂町、あきる野市(これ以外の方はメールでご相談ください)
お問い合わせ先 :ryojiskyrun@gmail.com
事前にリターン品をお選び頂くと受付がスムーズです。
最新の活動報告
もっと見る今シーズン最終戦「TWAツアーファイナル上海大会」レースレポート
2019/11/28 12:20皆さんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 前回のワールドシリーズ「ハルカススカイラン」のご報告が出来ずに申し訳ありませんでした。 ハルカススカイランから今回のTWA上海大会までの時間が2週間しかなくレポートを纏める余裕がありませんでした。 なので今回はしっかりレポートをお届けしたいと思います。 スタート形式は一人ずつのウェーブスタート。なので無理して前に出る必要はなく、前回の失敗の原因となった序盤からの突っ込み過ぎは回避できました。 (下から見るとこの高さ・・・。リアル天空への塔です) 今回の作戦はとにかく前半抑えてイーブンペースで行くこと!それが一番タイムが良いはずなので…。 それに552mという長距離レースなので、一旦潰れるとタイムの落ち込み方が恐ろしいのです。 ということでとにかく安全走行を心がけ、淡々と登っていくことにしました。 今回のレースは写真を見てもらえばわかる通り、左回りの階段です。 手すりはやや太めで真ん丸です。 少々つかみづらい手すりだと感じていたので、長丁場ということも考慮し手袋を両手に着用して臨みました。 しかし、完全に手すりにしがみつくのではなく、体重移動をスムーズに行い走るように登るのがメイン。なので序盤から積極的に手すりを使いはやる気持ちを抑えながら進むことにしました。 ところが、思いの外先にスタートした選手を何人もパスする事態にちょっと動揺しました。 一つ前(30秒前)にスタートした選手を20階過ぎで捉えたのを始め、半分の60階までにかなりの人数を追い越していきます。 「やっぱり今回もオーバーペースなんじゃ…?」 と、不安がよぎりました。 半分を過ぎてからは少しペースを上げ気味にするくらいではないとペース維持にならないのですが、おそらく惰性でジワジワとペースが落ちていたのでしょうか。 思い出すと殆ど手すりに頼って両手で体を引き上げるように歩いてばかりでした。 その分目立ってバテた感じはなく、むしろあれ?もう100階?という感覚でした。 セオリーなら残り2割を切ったあたりからスパートをかけるべきなのですが、結局潰れるのを恐れて上げられず…。 110階を過ぎてようやく少しスパートをかけようとしますが、当然疲れは溜まっていて、たいして上がらず。 おまけに116階辺りで前の選手に追いついてしまい、中々前に行かせてくれず、思ったようにラストスパート出来ませんでした…(~_~;) それでもゴールすると立ってはいられずに倒れこみます。 同時に長かった今シーズンの色々なことが思い出されました。 レース終了直後の感触としては、直近のレースのような激しい落ち込みや逆に出し惜しみのような感覚はなく、良いペースで登ってこれたはずだと思いました。 しかしながら結果は予想とは全く違いました。 リザルト 1 Mark Bourne (AUS) 17:332 Piotr Lobodzinski (POL) 17:573 Wenbo Zeng (CHN) 18:154 Qinhua Liu (CHN) 18:195 Wai Ching Soh (MAS) 18:266 Ryoji Watanabe (JPN) 18:547 Alkexis Trujillo (MEX) 18:54 去年よりも20秒遅くなり、順位も一つ落とし、マレーシアのソウ君に初めての敗北を喫してしまいました。 正直言うと速攻で帰りたい気分になりました…(ノД`)・゜・。 この後に表彰式があるのですが、もうどうでもいいやって投げやりな気分を必死に抑えていました(^^;) 中国勢2人とソウ君には約30秒とかなりの差をつけらました。 特にソウ君には初めての敗北です。 まだまだ25歳のホープ、これからもドンドン伸びてくるでしょうがそう簡単に負けたくありません!次は再逆転してやるからな!見てろよ(>_<) そして今回負けたジェン選手と、リュウ(チンファ)選手の他にも5秒差で勝ったシー選手や今回不参加のリュウ(ジンセン)選手など、続々と現れる中国勢や0,5秒差でギリギリの勝利を収めた7位のアレックス選手。 やはりこの競技はまだまだこれから新たな強敵が現れてきます!! うかうかしていたらあっという間に置いていかれてしまうという危機感を感じました。 ですが、自分だってこの競技を始めて3年しか経っていません。ベテランの域に達しているわけではなくまだまだ成長過程にあると思います。 工夫と努力次第でもっと強くなれるはずです!! 今はひとまず長かったシーズンの疲れを癒し、どうすればもっと強くなれるのかをじっくりと頭を使って考えることにします。 とにかく言えることは「必ずまた来年戻ってきます!!」 くらいです。 相変わらずうまくまとまらないレポートになってしまいましたが、今回のレースレポートとさせていただきます。 それではまた。 渡辺良治 もっと見る
レースレポート:今年も苦戦しました、VWC上海大会
2019/10/25 07:13皆さんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 10月20日に上海にて行われたVWC第8戦、「SHKP VERTICAL RUN RACE TO SHANGHAI」に参加してきました。 (今年のソウルのトップ3、再び顔を揃えます) 今回は約5ヶ月ぶりにピーター、マークも顔を揃えるレースとなり、ハイレベルなレースになることが予想されました。 更に!何と今回はVWC初参戦となる中国選手にも思わぬ強敵が!! リュウ・ジンセン:対戦成績2勝2敗、直近のTWA深圳大会では5秒差で敗北 リュウ・チンファ:対戦成績3勝1敗、去年のTWA深圳大会で敗北 ハオ・ホンペン:2年前の北京大会で一般参加に関わらず当時の自分より速いタイムを出した。 そして今年のVWC北京大会で3,4位だったシュウ選手、チャオ選手も参加するなど、驚くほどハイレベル!! 得に最近負けたことがある二人のリュウ選手、通称チャイニーズ・ダブルドラゴンには最大の注意が必要です<(`^´)> 考えるだけでクラクラするようなラインナップにメンバー発表当時はかなりビビっていましたΣ(・・;) 表彰台を逃したらえらいこっちゃ…。 と不安で暫くビクビクしながら過ごしていました。 おまけにシーズンの疲れも溜まり、練習ではタイムがイマイチ伸びない…いや、全く不甲斐ないタイムでした。 そんなこんなで不安を払拭出来ないまま上海に乗り込む日が近づいてきました。 おまけに泣きっ面に蜂の如く、体重も思ったようには落ちてくれません。 これはもう逆に開き直って、(この状態でうまくいったらスゴイことだぞ)と自分に暗示をかけることにしました。 それにクラウドファンディングのサポーターの皆さんを始め、多くの方からの励ましを頂き、なんとか前を向いてレースに臨むことが出来たんだと思います。 と、いうことで先ずはレース結果からお伝えしますと…。 1. Mark Bourne (AUS) – 7’58”2. Piotr Lobodzinski (POL) – 8’05”3. Ryoji Watanabe (JAP) – 8’17”4. Zhisen Liu (CHN) – 8’26”5. Qinhua Liu (CHN) – 8’27” 総合3位を何とか死守することができました。 正直ゴールして一番ホッとしたレースかもしれません。 3位に入れて本当に良かった…。 以下、レース内容を振り返ります。 今回のレースで駆け上る舞台は上海にあるTwo Shanghai International Finance Centreというところで1460ステップ、54フロア、254mUPというミドルレンジのレースです。 特徴としては階段の踊り場が180度ターンではなく90度ターンのスクエア型ということ。 もう一つはビルの廊下をぐるっと水平に走る長めの外周ゾーンが15、33、45階にそれぞれあるということです。 とは言ってもコースレコードは7分42秒という決して長くはないレースなので序盤の位置争いがそのまま最終順位に直結します。 今回の最大の目標は過去に負けている中国選手たちにしっかり勝ち切ること! そして彼らは後半に強いという特徴があるので、前半は無理せず敢えてピーター、マークの後に付いて3番手をキープするという作戦をとりました。 いつもどおり、スタート最前列からピーターやマークと並んでスタートの瞬間を待ちます。 「5・4・3・2・1・GO!!」 予想通りピーターが飛び出します。 階段に入るまでの短い区間でマークとの位置争いをしましたが、体格差もありここは大人しく先を譲ります。 階段に入ってからはしばらくいつものオマールの突き上げがありましたが、冷静に内側をキープ。 また、マークにもぴったりくっついて最初の外周ゾーンの15階に到達しました。 ここまでは全て一段抜かしの走りで快調に登ってくることが出来ました。 外周ゾーンを無難に走りぬけ、再び階段へ入りますが、まだ足には余裕があり、同じように足を主体に走って登り続けることにしました。 去年のピーターの走りや前日のコースチェックの際に感じたのですが、このスクエア型は両手で手すりを使い体を引き上げるようにすると踊り場が曲がりにくいんです。 脚に余力があるうちは腕は体重移動をスムーズにするためのサブウェポン的な役割に徹してリズムよく走った方が「速い」のだと思います。 そうして当初の一つの目安としていた20階に到達。3分の1を走り切ったことになります。 ですがまだ余力有りなので引き続き走ります。 次の目安は25階。流石に少々疲れたかなと感じたので試しに一度両手を使って引き上げて登り始めます。 ・・・が、やはり踊り場で窮屈さを感じてしまいます。 そうこうしている間にマークとはじりじりと差が開き始めました(~_~;) と、同時に後ろから誰かがペースを上げて追い上げてきました(;゚Д゚) 来ました!ダブルドラゴンの一角「リュウ・ジンセン」選手です! 若干息遣いは荒いものの彼の後半の強さは嫌というほど思い知らされています。 しかーし!ここで簡単に抜かされてはなりません!! 一度抜かれたら抜き返すことは至難の業だと心得ているので意地でも抜かれないようにと再び走りに切り替えます。 その結果なんとか半階ぶんくらいの差を保ったまま33階、2回目の外周ゾーンに到達。 前を見るとピーターの姿はほぼ見えませんが、マークの後姿はまだはっきり捉えられました。 マークとの差はおそらく3,4秒差。追いつこうと思えば追いつける差なのですが…。 三度階段に突入し、再び脚メインで走って登り続けます。 ここから次の外周ゾーンまでが一番の我慢どころ、勝負を分けるポイントだと思っていました。 今思うとやはりここでの選択が結果に大きく影響を与えていました。 階段に入るとマークは相変わらずスイスイと走って登っていきます。 自分も負けじと走ったのですが、意識は後ろのジンセン選手に囚われていました。 ほんの少しづつですが、差を広げられたようで、気づくと目では確認できないくらいの差がついていました。 足音や息遣いはまだ少し聞こえるのでさほど大きな差ではなく、ペースを上げて付いていけば追えないこともなかったのですが…。 無理してオーバーペースになって3位を逃すことの恐怖が大きく、前を追うことをあきらめてしまいました。 しかし後ろからのジンセン選手の突き上げも激しく気を抜けば背後にぴったり付かれそうになるくらいでした。 なので基本的には手すりは踊り場で使うのみで後はしっかり基本姿勢を維持。 滑車の要領で体重移動をして「走り」で登っていきます。 次の外周ゾーンまで12フロア上がる間に手すりを両手でつかんだのは20秒位だったでしょうか。 ほとんどを走りで登り流石に疲労が溜まってきたのを感じながら、三度目の外周ゾーンに到着しました。 ここではもうすでにマークは見えなくなり、完全に後ろのジンセン選手との勝負に。 外周ゾーンの中間点にある給水所にいるスタッフの声から察するにジンセン選手とは5、6秒の差は付いているはず。 気を緩めなければ逃げ切れるハズだと少し希望が持てました。 そしてついに最後の階段ゾーンへ。 そこで一旦身体の疲労具合を確認します。 息は上がって足も上がりづらくなっているものの、まだ少し余裕があると感じました。 あと11フロアならまだイケる! と明るい気持ちになり50階くらいまでは走り続けることが出来ました。 苦しいには苦しいのですが、不思議と走れる。もちろん、序盤の様なスピードではありませんが、両手をガシガシ使うよりも幾分スムーズに登れるような気がしました。 50階でまた後ろを確認すると、ほとんど音も聞こえません。これはまるまる1階分の差は付いていると確信。 後はスパートをかけるのみですが、さすがにまだ6フロアあるので、ラストスパートかけても最後まで息が持たないと予測し、一旦歩きに切り替えます。 もちろん後ろは常に警戒し、後ろから姿が見えたら何時でもペースアップ出来るようにしながら登っていきます。 すると気付いた時には54階でした。 「よし!3位は死守したぞ!!」 と気持ちが一気に楽になったので55階からは全てを振り絞ってのラストスパートをようやく結構出来ました。 そこからはあっという間で15秒程度で最上階の57階へ到達!! 最後は廊下を20mほどくねくねと走りゴールラインへと滑り込みました。 「あぁ・・・、今回もピーター、マークと一緒に表彰台に登れる」 と安堵しましたが、ふと気づくとピーターはすぐそばに座り込んでいましたが、マークがいません。 「あれ?ひょっとして・・・?」 予感があたり、なんと優勝はマーク・ボーン選手(@_@;) 去年コースレコードと一秒差を出し、苦手を克服したと思われるピーターがまさかの8分台で2位でした。 後から分かったこととは言え、中盤で勝負を捨てていなければピーターに追いつくことが出来たのではないかと少し悔しさがにじみました。 自分のタイム、8分17秒も実はワースト記録で、2年前の記録を5秒もオーバーしてしまうなど不満の残るものでした。 しかし、シーズン終盤の今は 内容より結果が大事なんだと自分に言い聞かせ、気持ちを切り替える事にします。 また、やはり前半は全体的にスローペースだったのかなと思います。 その状況の中でピーターと12秒差と言うのは決して悪くないタイムなのかもしれません。 それにこの程度の距離なら8割くらいを走り切れると分かったのは収穫でした。もちろんペースにもよるのでしょうが、同じ段数をあがるなら走れるなら走った方が速いというのは間違いないので次戦、ハルカススカイランでも積極的に走りを入れて行こうと思います。 そのハルカススカイランですが、なんとVWCの今季最終戦になることが急遽決定しました。 本来の最終戦、香港大会が中止になってしまったためです。 この結果大阪のポイントが1.5倍になります。 したがってここで優勝すればポイントが大幅に増えて年間ランキングでトップに立てるということに! 俄然やる気が湧いてきました(≧≦) 必ずや大阪でピーターから初勝利を挙げ、アジア勢として初めての階段垂直マラソン世界チャンピオンになる!俺はなる! 「階段王に、俺はなる!」 その決意を述べてこのレポートを締めくくりたいと思います! もっと見る
VWC三連勝達成!北京の空に勝利の咆哮を響かせました!
2019/09/11 18:40皆さんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 レースから1週間以上たってしまいお届けするのが遅くなり大変申し訳ありません。 前回はレースがスタートするところまでまとめましたので、早速続きをお届けしたいと思います。 久々の一斉スタートだったせいもあり、スタートダッシュに失敗しましたがまぁそれも想定内です。 2階までのやや長めのストレートの階段でうまくインコーナーを突き、2位に付けることに成功しました。 (左側が亮亮選手。職業は学校の先生だそうです。) 先頭は最大のライバル、亮亮選手でした。珍しく序盤から突っ込んできます。 彼は他のレースと比べてこの北京大会では突出してタイムが良いのです。 なので彼も「勝ち」を狙ってきているのでしょう。踊り場でちらっと見える彼の表情からも必死の形相がうかがえました。 「これは抜くのに少し時間がかかるなぁ」 と考え後ろにピッタリ付いていると・・・。キマシタ、例の荒い息遣い。 恒例のオマール選手の序盤からのツッコミです。 まぁ当然中盤待たずに落ちてくるのですが、下手に粘って接触するのもエネルギーロスなので8階あたりで外側に避けて先に行かせました(^^;) 3番手で進むというのは少々予定外でしたが、こういうこともあるかなぁなどと心には十分余裕がありました。とにかく今回は順位が最優先でタイムは二の次だ!と考えれば幾分気は楽になりました。 とりあえずStyle:Pを駆使し、歩かず走って登り続けます。 10階あたりではすでにペースが遅いと感じられるほどの状況でしたが、とはいえまだ無理に前を追い越すには前二人にペースアップされてしまいそうな気配を感じたのでしばらくはスローペースに付き合うことにしました。 そうこうすると15階の最初のロングターンゾーンに到達。 ここは廊下に出て10mほど直進した後にほぼ180度ターンして次の階段に向かうので直進でスピードを出しすぎないことが肝心です。 3回目ともなるとコースが完全に頭に入っているので落ち着いて対処し再び階段へ。 ここで再び前の様子を観察。 流石に少し疲れが見えてきたのか息もより荒くなり、余裕のない表情をしていたので、意を決して18階付近でアタックを決行!! 一気にダッシュしてオマール、そして亮亮を抜き去りました。 ようやくトップに立ったので自分のペースで進めるぞ~と喜びましたが、やはり急激なペースアップは疲れるものですね。 一気に息が上がった気がしました。 なので、そこからは後ろを見ながらの安全運転です。 再び追い抜かれるわけにはいかないのでペースを落とすことはしませんが、じわりじわりと差をつける程度のペースで決して無理はしないで進みました。 20階を少し過ぎたあたりからは手すりを両手でつかんで足の疲労を抑えるelb走法も積極的に織り交ぜながらすすみました。 次なるロングターンゾーンの31階に到達するころにはまだかろうじて後続の気配は感じるくらいの差でした。 ここまでは順調です。あとは大撃沈さえしなければ行けるかな?という手ごたえを掴めました。 ここから次ぎのロングターンゾーンの42階までは、基本的にStyle:Pで走りつつ、踊り場の手前では一段づつ2,3歩登るという省エネ走法をメインに進みました。 これだとかなりペースは落ちるのですが、その分呼吸はかなり楽になります。 そうすると後ろとの差を感じる捜索能力をフルに発揮できるというメリットがあります。 そのおかげで、後続はさらに離れていくことが分かりました。おそらく後ろからは自分はすでに形も見えなければ音も聞こえないレベルでしょうか。 42階に到達し、15階と同じような180度ターンを決め再び階段へ。 まだちょうど中間点なので、気は抜けませんが後は自分の走りに集中すれば良いだけです。 疲れ具合を確認し、残りのレースプランを再考します。 脚も心肺機能もまだ少し余裕があるので、今のペースを維持してもし後ろに追いつかれたらペースアップして引き離せるよう常に一定の余力を残しながら進むことにしました。 そこからおそそ20階分はStyle:Pとelb走法をだいたい半々で使用し、とにかくオーバーペースにだけは気を付けて進みました。 一点気づいたのは今回の手すりの形状や微妙な階段の段差の低さによりelb走法が少しやりづらくペースが遅くなること。 去年のマーク選手のようにずっと走った方が速いのだろうということが判明しました。 ですが、足の筋肉の温存にはなっているし、今さら無理しても仕方ないのでStyle:Pと織り交ぜながら進みます。 62階の最後のロングターンゾーンに到着するころにはさすがに疲労困憊に近い状態でした。 この競技、よほどゆっくりのペースにしない限り多少ペースを落としても疲れ具合はほとんど変わらないのかもしれません・・・。 それでも後ろからの気配は全くなく、2階位差がついていることはわかりました。後でリザルトを確認するとこの時点で15秒差でした。 ここまで来てもまだやることは変わりません。 後ろを警戒しつつ激落ちだけはしないように淡々と進みます。 elb走法による早歩きを使う頻度がだいぶ多くなり胸が少し閉まることによる息苦しさを強く感じる一番きつい時間帯が続きます・・・(;´Д`) こんな時はゴールテープを切る自分の姿を想像したりそのあとの好きなものを食べる至福の瞬間を想像して苦しさを紛らわせて進みます…。 そうしてようやく75階付近に到達。 ここまできたらもう出し惜しみなしです!!1分少々なら仮に足が終わっても気合だけで動き続きけることが出来るはずなのでとにかく走ります!! 後ろも気にせず自分の世界に没頭する本来のこの競技の姿を取り戻し、少しペースアップすることが出来たように思えます。 気づけば81階…。 去年マークに抜き去られた悪夢の場所をさっさと過ぎ去り82階から屋外へでると眩しい光に迎えられました。 螺旋階段を駆け抜けてゴールテープが見えた瞬間、思わず快晴の北京の空を見上げました。 珍しくポーズを決めてゴール!!頑張りました(^-^; でも3秒でこうなりました(笑) 実は今年は中華人民共和国創立70周年ということでお偉いさんが来るのでゴール後に派手に倒れるのは良くないという噂だったのでちょっとだけゴール時に余力を残したんですがそれでもやっぱりキツイ! 100のキツサが99.5になったくらいしか余裕度に差はなかったですね(>_<) それでも狙った通り、トップでフィニッシュできたのは素直に嬉しかったです!! (男子トップ3、2位の亮亮選手と3位のシュウ選手。) タイムは10分37秒(実際は10分33秒)とあまり振るわず一般ランナーに負ける可能性もあったので、最終リザルトを知るまでひやひやでしたが、セレモニー前にはリザルトも発表になり、総合でもトップで一安心ε-(´∀`*)ホッ 女子チャンピオンは女王スージーさん。そして一昨年も去年もお世話になった医療班の方とも再開し一緒に記念撮影してもらいました\(^o^)/ We are バーティカルファミリー! 上杉キャップも6位に入る上々の出来だったようです。 写真で見ると10分33秒でゴールしているのに、なぜか公式記録は37秒でした。 まぁ小さいことは気にしませんが(笑) その後は一旦休憩と食事をとり、19時からはセレモニーが始まります。 セレモニー開始前には選手同士色々交流を深めました。 台湾から参加したチン・チュンロウ選手はまだ21歳で伸び盛りという事もあり、色々とトレーニング方法について聞かれましたので、惜しみなく全て話しました。 ・・・が拙い英語でどこまで伝わったか(笑) 今後もどんどん意欲のある若手が出てきてほしいですね。もちろん日本の若者にも頑張ってほしいですが(^-^; 今季3つ目の「1st」の楯をゲットです! 「北京の階段王」! この後はアフターパーティーでお酒を飲みすぎてついついダンスパーティーにも加わってしまいました(^-^; 流石に飲みすぎ食べ過ぎで翌日からしばらくおなかを壊してしまったのが大きな反省点です・・・。 その他、レースでも前半少しペースを抑えたくらいではなかなか後半にペースは上がらないことを改めて実感しました。 ピーターやマークに勝つためには前半から積極的に攻めることが欠かせませんね。 上海ではもっと積極的なレース展開をしようと思います。 でもそれもレースで色々試してみてわかることですので今回のレースも無意味ではないはずです。 何より落としてはいけないレースで、少し揺さぶりがあってもしっかり勝ち切れたことは自分の成長だと確信しています。 自分はまだまだ強くなれる!! 真の階段王にもまた一歩近づいた気がします。 そしてなんと!! 今回のレースを受けて世界ランキングは1位に浮上しました\(^o^)/ 暫定とはいえ世界1位はとても誇らしいです! この勢いでさらに精進を重ね、今年中には打倒ピーター、マークを達成して再び表彰台のてっぺんに立つことをみなさんにお約束します! 次回のレポートもご期待下さい!! それではまた。 渡辺良治 もっと見る