皆さんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 前回のワールドシリーズ「ハルカススカイラン」のご報告が出来ずに申し訳ありませんでした。 ハルカススカイランから今回のTWA上海大会までの時間が2週間しかなくレポートを纏める余裕がありませんでした。 なので今回はしっかりレポートをお届けしたいと思います。 スタート形式は一人ずつのウェーブスタート。なので無理して前に出る必要はなく、前回の失敗の原因となった序盤からの突っ込み過ぎは回避できました。 (下から見るとこの高さ・・・。リアル天空への塔です) 今回の作戦はとにかく前半抑えてイーブンペースで行くこと!それが一番タイムが良いはずなので…。 それに552mという長距離レースなので、一旦潰れるとタイムの落ち込み方が恐ろしいのです。 ということでとにかく安全走行を心がけ、淡々と登っていくことにしました。 今回のレースは写真を見てもらえばわかる通り、左回りの階段です。 手すりはやや太めで真ん丸です。 少々つかみづらい手すりだと感じていたので、長丁場ということも考慮し手袋を両手に着用して臨みました。 しかし、完全に手すりにしがみつくのではなく、体重移動をスムーズに行い走るように登るのがメイン。なので序盤から積極的に手すりを使いはやる気持ちを抑えながら進むことにしました。 ところが、思いの外先にスタートした選手を何人もパスする事態にちょっと動揺しました。 一つ前(30秒前)にスタートした選手を20階過ぎで捉えたのを始め、半分の60階までにかなりの人数を追い越していきます。 「やっぱり今回もオーバーペースなんじゃ…?」 と、不安がよぎりました。 半分を過ぎてからは少しペースを上げ気味にするくらいではないとペース維持にならないのですが、おそらく惰性でジワジワとペースが落ちていたのでしょうか。 思い出すと殆ど手すりに頼って両手で体を引き上げるように歩いてばかりでした。 その分目立ってバテた感じはなく、むしろあれ?もう100階?という感覚でした。 セオリーなら残り2割を切ったあたりからスパートをかけるべきなのですが、結局潰れるのを恐れて上げられず…。 110階を過ぎてようやく少しスパートをかけようとしますが、当然疲れは溜まっていて、たいして上がらず。 おまけに116階辺りで前の選手に追いついてしまい、中々前に行かせてくれず、思ったようにラストスパート出来ませんでした…(~_~;) それでもゴールすると立ってはいられずに倒れこみます。 同時に長かった今シーズンの色々なことが思い出されました。 レース終了直後の感触としては、直近のレースのような激しい落ち込みや逆に出し惜しみのような感覚はなく、良いペースで登ってこれたはずだと思いました。 しかしながら結果は予想とは全く違いました。 リザルト 1 Mark Bourne (AUS) 17:332 Piotr Lobodzinski (POL) 17:573 Wenbo Zeng (CHN) 18:154 Qinhua Liu (CHN) 18:195 Wai Ching Soh (MAS) 18:266 Ryoji Watanabe (JPN) 18:547 Alkexis Trujillo (MEX) 18:54 去年よりも20秒遅くなり、順位も一つ落とし、マレーシアのソウ君に初めての敗北を喫してしまいました。 正直言うと速攻で帰りたい気分になりました…(ノД`)・゜・。 この後に表彰式があるのですが、もうどうでもいいやって投げやりな気分を必死に抑えていました(^^;) 中国勢2人とソウ君には約30秒とかなりの差をつけらました。 特にソウ君には初めての敗北です。 まだまだ25歳のホープ、これからもドンドン伸びてくるでしょうがそう簡単に負けたくありません!次は再逆転してやるからな!見てろよ(>_<) そして今回負けたジェン選手と、リュウ(チンファ)選手の他にも5秒差で勝ったシー選手や今回不参加のリュウ(ジンセン)選手など、続々と現れる中国勢や0,5秒差でギリギリの勝利を収めた7位のアレックス選手。 やはりこの競技はまだまだこれから新たな強敵が現れてきます!! うかうかしていたらあっという間に置いていかれてしまうという危機感を感じました。 ですが、自分だってこの競技を始めて3年しか経っていません。ベテランの域に達しているわけではなくまだまだ成長過程にあると思います。 工夫と努力次第でもっと強くなれるはずです!! 今はひとまず長かったシーズンの疲れを癒し、どうすればもっと強くなれるのかをじっくりと頭を使って考えることにします。 とにかく言えることは「必ずまた来年戻ってきます!!」 くらいです。 相変わらずうまくまとまらないレポートになってしまいましたが、今回のレースレポートとさせていただきます。 それではまた。 渡辺良治
皆さんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 10月20日に上海にて行われたVWC第8戦、「SHKP VERTICAL RUN RACE TO SHANGHAI」に参加してきました。 (今年のソウルのトップ3、再び顔を揃えます) 今回は約5ヶ月ぶりにピーター、マークも顔を揃えるレースとなり、ハイレベルなレースになることが予想されました。 更に!何と今回はVWC初参戦となる中国選手にも思わぬ強敵が!! リュウ・ジンセン:対戦成績2勝2敗、直近のTWA深圳大会では5秒差で敗北 リュウ・チンファ:対戦成績3勝1敗、去年のTWA深圳大会で敗北 ハオ・ホンペン:2年前の北京大会で一般参加に関わらず当時の自分より速いタイムを出した。 そして今年のVWC北京大会で3,4位だったシュウ選手、チャオ選手も参加するなど、驚くほどハイレベル!! 得に最近負けたことがある二人のリュウ選手、通称チャイニーズ・ダブルドラゴンには最大の注意が必要です<(`^´)> 考えるだけでクラクラするようなラインナップにメンバー発表当時はかなりビビっていましたΣ(・・;) 表彰台を逃したらえらいこっちゃ…。 と不安で暫くビクビクしながら過ごしていました。 おまけにシーズンの疲れも溜まり、練習ではタイムがイマイチ伸びない…いや、全く不甲斐ないタイムでした。 そんなこんなで不安を払拭出来ないまま上海に乗り込む日が近づいてきました。 おまけに泣きっ面に蜂の如く、体重も思ったようには落ちてくれません。 これはもう逆に開き直って、(この状態でうまくいったらスゴイことだぞ)と自分に暗示をかけることにしました。 それにクラウドファンディングのサポーターの皆さんを始め、多くの方からの励ましを頂き、なんとか前を向いてレースに臨むことが出来たんだと思います。 と、いうことで先ずはレース結果からお伝えしますと…。 1. Mark Bourne (AUS) – 7’58”2. Piotr Lobodzinski (POL) – 8’05”3. Ryoji Watanabe (JAP) – 8’17”4. Zhisen Liu (CHN) – 8’26”5. Qinhua Liu (CHN) – 8’27” 総合3位を何とか死守することができました。 正直ゴールして一番ホッとしたレースかもしれません。 3位に入れて本当に良かった…。 以下、レース内容を振り返ります。 今回のレースで駆け上る舞台は上海にあるTwo Shanghai International Finance Centreというところで1460ステップ、54フロア、254mUPというミドルレンジのレースです。 特徴としては階段の踊り場が180度ターンではなく90度ターンのスクエア型ということ。 もう一つはビルの廊下をぐるっと水平に走る長めの外周ゾーンが15、33、45階にそれぞれあるということです。 とは言ってもコースレコードは7分42秒という決して長くはないレースなので序盤の位置争いがそのまま最終順位に直結します。 今回の最大の目標は過去に負けている中国選手たちにしっかり勝ち切ること! そして彼らは後半に強いという特徴があるので、前半は無理せず敢えてピーター、マークの後に付いて3番手をキープするという作戦をとりました。 いつもどおり、スタート最前列からピーターやマークと並んでスタートの瞬間を待ちます。 「5・4・3・2・1・GO!!」 予想通りピーターが飛び出します。 階段に入るまでの短い区間でマークとの位置争いをしましたが、体格差もありここは大人しく先を譲ります。 階段に入ってからはしばらくいつものオマールの突き上げがありましたが、冷静に内側をキープ。 また、マークにもぴったりくっついて最初の外周ゾーンの15階に到達しました。 ここまでは全て一段抜かしの走りで快調に登ってくることが出来ました。 外周ゾーンを無難に走りぬけ、再び階段へ入りますが、まだ足には余裕があり、同じように足を主体に走って登り続けることにしました。 去年のピーターの走りや前日のコースチェックの際に感じたのですが、このスクエア型は両手で手すりを使い体を引き上げるようにすると踊り場が曲がりにくいんです。 脚に余力があるうちは腕は体重移動をスムーズにするためのサブウェポン的な役割に徹してリズムよく走った方が「速い」のだと思います。 そうして当初の一つの目安としていた20階に到達。3分の1を走り切ったことになります。 ですがまだ余力有りなので引き続き走ります。 次の目安は25階。流石に少々疲れたかなと感じたので試しに一度両手を使って引き上げて登り始めます。 ・・・が、やはり踊り場で窮屈さを感じてしまいます。 そうこうしている間にマークとはじりじりと差が開き始めました(~_~;) と、同時に後ろから誰かがペースを上げて追い上げてきました(;゚Д゚) 来ました!ダブルドラゴンの一角「リュウ・ジンセン」選手です! 若干息遣いは荒いものの彼の後半の強さは嫌というほど思い知らされています。 しかーし!ここで簡単に抜かされてはなりません!! 一度抜かれたら抜き返すことは至難の業だと心得ているので意地でも抜かれないようにと再び走りに切り替えます。 その結果なんとか半階ぶんくらいの差を保ったまま33階、2回目の外周ゾーンに到達。 前を見るとピーターの姿はほぼ見えませんが、マークの後姿はまだはっきり捉えられました。 マークとの差はおそらく3,4秒差。追いつこうと思えば追いつける差なのですが…。 三度階段に突入し、再び脚メインで走って登り続けます。 ここから次の外周ゾーンまでが一番の我慢どころ、勝負を分けるポイントだと思っていました。 今思うとやはりここでの選択が結果に大きく影響を与えていました。 階段に入るとマークは相変わらずスイスイと走って登っていきます。 自分も負けじと走ったのですが、意識は後ろのジンセン選手に囚われていました。 ほんの少しづつですが、差を広げられたようで、気づくと目では確認できないくらいの差がついていました。 足音や息遣いはまだ少し聞こえるのでさほど大きな差ではなく、ペースを上げて付いていけば追えないこともなかったのですが…。 無理してオーバーペースになって3位を逃すことの恐怖が大きく、前を追うことをあきらめてしまいました。 しかし後ろからのジンセン選手の突き上げも激しく気を抜けば背後にぴったり付かれそうになるくらいでした。 なので基本的には手すりは踊り場で使うのみで後はしっかり基本姿勢を維持。 滑車の要領で体重移動をして「走り」で登っていきます。 次の外周ゾーンまで12フロア上がる間に手すりを両手でつかんだのは20秒位だったでしょうか。 ほとんどを走りで登り流石に疲労が溜まってきたのを感じながら、三度目の外周ゾーンに到着しました。 ここではもうすでにマークは見えなくなり、完全に後ろのジンセン選手との勝負に。 外周ゾーンの中間点にある給水所にいるスタッフの声から察するにジンセン選手とは5、6秒の差は付いているはず。 気を緩めなければ逃げ切れるハズだと少し希望が持てました。 そしてついに最後の階段ゾーンへ。 そこで一旦身体の疲労具合を確認します。 息は上がって足も上がりづらくなっているものの、まだ少し余裕があると感じました。 あと11フロアならまだイケる! と明るい気持ちになり50階くらいまでは走り続けることが出来ました。 苦しいには苦しいのですが、不思議と走れる。もちろん、序盤の様なスピードではありませんが、両手をガシガシ使うよりも幾分スムーズに登れるような気がしました。 50階でまた後ろを確認すると、ほとんど音も聞こえません。これはまるまる1階分の差は付いていると確信。 後はスパートをかけるのみですが、さすがにまだ6フロアあるので、ラストスパートかけても最後まで息が持たないと予測し、一旦歩きに切り替えます。 もちろん後ろは常に警戒し、後ろから姿が見えたら何時でもペースアップ出来るようにしながら登っていきます。 すると気付いた時には54階でした。 「よし!3位は死守したぞ!!」 と気持ちが一気に楽になったので55階からは全てを振り絞ってのラストスパートをようやく結構出来ました。 そこからはあっという間で15秒程度で最上階の57階へ到達!! 最後は廊下を20mほどくねくねと走りゴールラインへと滑り込みました。 「あぁ・・・、今回もピーター、マークと一緒に表彰台に登れる」 と安堵しましたが、ふと気づくとピーターはすぐそばに座り込んでいましたが、マークがいません。 「あれ?ひょっとして・・・?」 予感があたり、なんと優勝はマーク・ボーン選手(@_@;) 去年コースレコードと一秒差を出し、苦手を克服したと思われるピーターがまさかの8分台で2位でした。 後から分かったこととは言え、中盤で勝負を捨てていなければピーターに追いつくことが出来たのではないかと少し悔しさがにじみました。 自分のタイム、8分17秒も実はワースト記録で、2年前の記録を5秒もオーバーしてしまうなど不満の残るものでした。 しかし、シーズン終盤の今は 内容より結果が大事なんだと自分に言い聞かせ、気持ちを切り替える事にします。 また、やはり前半は全体的にスローペースだったのかなと思います。 その状況の中でピーターと12秒差と言うのは決して悪くないタイムなのかもしれません。 それにこの程度の距離なら8割くらいを走り切れると分かったのは収穫でした。もちろんペースにもよるのでしょうが、同じ段数をあがるなら走れるなら走った方が速いというのは間違いないので次戦、ハルカススカイランでも積極的に走りを入れて行こうと思います。 そのハルカススカイランですが、なんとVWCの今季最終戦になることが急遽決定しました。 本来の最終戦、香港大会が中止になってしまったためです。 この結果大阪のポイントが1.5倍になります。 したがってここで優勝すればポイントが大幅に増えて年間ランキングでトップに立てるということに! 俄然やる気が湧いてきました(≧≦) 必ずや大阪でピーターから初勝利を挙げ、アジア勢として初めての階段垂直マラソン世界チャンピオンになる!俺はなる! 「階段王に、俺はなる!」 その決意を述べてこのレポートを締めくくりたいと思います!
皆さんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 レースから1週間以上たってしまいお届けするのが遅くなり大変申し訳ありません。 前回はレースがスタートするところまでまとめましたので、早速続きをお届けしたいと思います。 久々の一斉スタートだったせいもあり、スタートダッシュに失敗しましたがまぁそれも想定内です。 2階までのやや長めのストレートの階段でうまくインコーナーを突き、2位に付けることに成功しました。 (左側が亮亮選手。職業は学校の先生だそうです。) 先頭は最大のライバル、亮亮選手でした。珍しく序盤から突っ込んできます。 彼は他のレースと比べてこの北京大会では突出してタイムが良いのです。 なので彼も「勝ち」を狙ってきているのでしょう。踊り場でちらっと見える彼の表情からも必死の形相がうかがえました。 「これは抜くのに少し時間がかかるなぁ」 と考え後ろにピッタリ付いていると・・・。キマシタ、例の荒い息遣い。 恒例のオマール選手の序盤からのツッコミです。 まぁ当然中盤待たずに落ちてくるのですが、下手に粘って接触するのもエネルギーロスなので8階あたりで外側に避けて先に行かせました(^^;) 3番手で進むというのは少々予定外でしたが、こういうこともあるかなぁなどと心には十分余裕がありました。とにかく今回は順位が最優先でタイムは二の次だ!と考えれば幾分気は楽になりました。 とりあえずStyle:Pを駆使し、歩かず走って登り続けます。 10階あたりではすでにペースが遅いと感じられるほどの状況でしたが、とはいえまだ無理に前を追い越すには前二人にペースアップされてしまいそうな気配を感じたのでしばらくはスローペースに付き合うことにしました。 そうこうすると15階の最初のロングターンゾーンに到達。 ここは廊下に出て10mほど直進した後にほぼ180度ターンして次の階段に向かうので直進でスピードを出しすぎないことが肝心です。 3回目ともなるとコースが完全に頭に入っているので落ち着いて対処し再び階段へ。 ここで再び前の様子を観察。 流石に少し疲れが見えてきたのか息もより荒くなり、余裕のない表情をしていたので、意を決して18階付近でアタックを決行!! 一気にダッシュしてオマール、そして亮亮を抜き去りました。 ようやくトップに立ったので自分のペースで進めるぞ~と喜びましたが、やはり急激なペースアップは疲れるものですね。 一気に息が上がった気がしました。 なので、そこからは後ろを見ながらの安全運転です。 再び追い抜かれるわけにはいかないのでペースを落とすことはしませんが、じわりじわりと差をつける程度のペースで決して無理はしないで進みました。 20階を少し過ぎたあたりからは手すりを両手でつかんで足の疲労を抑えるelb走法も積極的に織り交ぜながらすすみました。 次なるロングターンゾーンの31階に到達するころにはまだかろうじて後続の気配は感じるくらいの差でした。 ここまでは順調です。あとは大撃沈さえしなければ行けるかな?という手ごたえを掴めました。 ここから次ぎのロングターンゾーンの42階までは、基本的にStyle:Pで走りつつ、踊り場の手前では一段づつ2,3歩登るという省エネ走法をメインに進みました。 これだとかなりペースは落ちるのですが、その分呼吸はかなり楽になります。 そうすると後ろとの差を感じる捜索能力をフルに発揮できるというメリットがあります。 そのおかげで、後続はさらに離れていくことが分かりました。おそらく後ろからは自分はすでに形も見えなければ音も聞こえないレベルでしょうか。 42階に到達し、15階と同じような180度ターンを決め再び階段へ。 まだちょうど中間点なので、気は抜けませんが後は自分の走りに集中すれば良いだけです。 疲れ具合を確認し、残りのレースプランを再考します。 脚も心肺機能もまだ少し余裕があるので、今のペースを維持してもし後ろに追いつかれたらペースアップして引き離せるよう常に一定の余力を残しながら進むことにしました。 そこからおそそ20階分はStyle:Pとelb走法をだいたい半々で使用し、とにかくオーバーペースにだけは気を付けて進みました。 一点気づいたのは今回の手すりの形状や微妙な階段の段差の低さによりelb走法が少しやりづらくペースが遅くなること。 去年のマーク選手のようにずっと走った方が速いのだろうということが判明しました。 ですが、足の筋肉の温存にはなっているし、今さら無理しても仕方ないのでStyle:Pと織り交ぜながら進みます。 62階の最後のロングターンゾーンに到着するころにはさすがに疲労困憊に近い状態でした。 この競技、よほどゆっくりのペースにしない限り多少ペースを落としても疲れ具合はほとんど変わらないのかもしれません・・・。 それでも後ろからの気配は全くなく、2階位差がついていることはわかりました。後でリザルトを確認するとこの時点で15秒差でした。 ここまで来てもまだやることは変わりません。 後ろを警戒しつつ激落ちだけはしないように淡々と進みます。 elb走法による早歩きを使う頻度がだいぶ多くなり胸が少し閉まることによる息苦しさを強く感じる一番きつい時間帯が続きます・・・(;´Д`) こんな時はゴールテープを切る自分の姿を想像したりそのあとの好きなものを食べる至福の瞬間を想像して苦しさを紛らわせて進みます…。 そうしてようやく75階付近に到達。 ここまできたらもう出し惜しみなしです!!1分少々なら仮に足が終わっても気合だけで動き続きけることが出来るはずなのでとにかく走ります!! 後ろも気にせず自分の世界に没頭する本来のこの競技の姿を取り戻し、少しペースアップすることが出来たように思えます。 気づけば81階…。 去年マークに抜き去られた悪夢の場所をさっさと過ぎ去り82階から屋外へでると眩しい光に迎えられました。 螺旋階段を駆け抜けてゴールテープが見えた瞬間、思わず快晴の北京の空を見上げました。 珍しくポーズを決めてゴール!!頑張りました(^-^; でも3秒でこうなりました(笑) 実は今年は中華人民共和国創立70周年ということでお偉いさんが来るのでゴール後に派手に倒れるのは良くないという噂だったのでちょっとだけゴール時に余力を残したんですがそれでもやっぱりキツイ! 100のキツサが99.5になったくらいしか余裕度に差はなかったですね(>_<) それでも狙った通り、トップでフィニッシュできたのは素直に嬉しかったです!! (男子トップ3、2位の亮亮選手と3位のシュウ選手。) タイムは10分37秒(実際は10分33秒)とあまり振るわず一般ランナーに負ける可能性もあったので、最終リザルトを知るまでひやひやでしたが、セレモニー前にはリザルトも発表になり、総合でもトップで一安心ε-(´∀`*)ホッ 女子チャンピオンは女王スージーさん。そして一昨年も去年もお世話になった医療班の方とも再開し一緒に記念撮影してもらいました\(^o^)/ We are バーティカルファミリー! 上杉キャップも6位に入る上々の出来だったようです。 写真で見ると10分33秒でゴールしているのに、なぜか公式記録は37秒でした。 まぁ小さいことは気にしませんが(笑) その後は一旦休憩と食事をとり、19時からはセレモニーが始まります。 セレモニー開始前には選手同士色々交流を深めました。 台湾から参加したチン・チュンロウ選手はまだ21歳で伸び盛りという事もあり、色々とトレーニング方法について聞かれましたので、惜しみなく全て話しました。 ・・・が拙い英語でどこまで伝わったか(笑) 今後もどんどん意欲のある若手が出てきてほしいですね。もちろん日本の若者にも頑張ってほしいですが(^-^; 今季3つ目の「1st」の楯をゲットです! 「北京の階段王」! この後はアフターパーティーでお酒を飲みすぎてついついダンスパーティーにも加わってしまいました(^-^; 流石に飲みすぎ食べ過ぎで翌日からしばらくおなかを壊してしまったのが大きな反省点です・・・。 その他、レースでも前半少しペースを抑えたくらいではなかなか後半にペースは上がらないことを改めて実感しました。 ピーターやマークに勝つためには前半から積極的に攻めることが欠かせませんね。 上海ではもっと積極的なレース展開をしようと思います。 でもそれもレースで色々試してみてわかることですので今回のレースも無意味ではないはずです。 何より落としてはいけないレースで、少し揺さぶりがあってもしっかり勝ち切れたことは自分の成長だと確信しています。 自分はまだまだ強くなれる!! 真の階段王にもまた一歩近づいた気がします。 そしてなんと!! 今回のレースを受けて世界ランキングは1位に浮上しました\(^o^)/ 暫定とはいえ世界1位はとても誇らしいです! この勢いでさらに精進を重ね、今年中には打倒ピーター、マークを達成して再び表彰台のてっぺんに立つことをみなさんにお約束します! 次回のレポートもご期待下さい!! それではまた。 渡辺良治
こんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 現在胃腸炎に苦しめられていてレポートをお届けするのが遅れてしまい申し訳ありません。 早速今回の北京遠征のレースレポートをお届けしたいと思います。 今回のレース、「China World Summit Wing, Beijing」はVWCの第7戦にあたります。 自分にとっては3回目の出場となり、初参加の二年前はエリート部門で3位に入り、初めて世界の表彰台に立った思い入れの深い大会です。 また、中学生時代に三度北京を訪れたり、ニューヨークもロンドンも経由地に使ったりと空港は今回で8度目となるので慣れたものです。 8月30日の午前5時30分に家を出て、現地時間2時半にはホテルに着いてホッと一息。 レース会場がホテルになっていてとてもありがたい場所です(≧≦) そこから遅めの昼食、この時期しかあまり出ていない中国銘菓の月餅漁りに時間を費やすとあっという間に夜になってしまいました。 後はやることやるだけとリラックスしてベッドに入ったら高級ベッドだったこともあり、ぐっすり7時間近く寝れて体調も良し! 当日に到着した上杉キャップとも会話を楽しみ更にリラックス出来て、この上ない良い精神状態でレースを迎えられました。 とはいうものの、少々不安要素はありました。 まず一つ目はニューヨーク同様身分証明書を持って走らなくてはならないということ。 どうやら中華人民共和国建国70周年なのでお偉いさんが来るらしくセキュリティが厳しくなるからだそう。 またずり落ちてきたらやだなぁと思いましたが、どうやらパスポートだけでなく運転免許証でも良いとの事でちょっと安心ですε-(´∀`; ) 二つ目は思ったよりウェイトが絞りきれなかったこと、いつもならレース日の朝イチで57㎏は切ってるんだけど、500gほど重い。 まぁそれだけ無理な減量はしなくて体力維持出来てると考えるかな~なんて気軽に考えることにしました。 (レース前の夕食、ネギ油そば。地味に美味かったです) 経験上、レース直前に出来なかったことやマイナス面を考えても一切良い事はありません! 全てをプラスに考え、無心で臨むことが大事…。 そう言い聞かせてスタートラインに立ちました。 さて、ここで今回のコースを紹介しますと、スタート場所は一階ロビー、ゴールは屋上ヘリポートです。 標高差は建物の高さそのもの330m。 ステップ数は2041段、82フロアー分を登ります。 途中四ヶ所(厳密にいうと五ヶ所)階段から離れるロングターンがあります。 階段の段差はかなり低めで走るのには向いています。その為世界王者ピーターは殆どを走り通すようです。 そして、今回のエリート部門の参加者の顔ぶれを見るとなんと今回もピーター、マーク不在でした∑(゚Д゚) 正直少し気が抜けてしまいましたが、その分取りこぼす訳にはいかなくなりました。 よって今回の作戦は、「絶対安全策」です。欲を言えば去年のタイム(10分11秒)を切りたいという事もありますが、まずは優勝することが最優先!! 万が一記録を狙って突っ込みすぎて大撃沈してしまったら元も子もありません…。 前半は超抑えめのペースで中盤も様子を見てペースを守り、終盤75階あたりからは全て出し切る・・・くらいのおおまかなイメージで作戦を立てました。 まぁ細かいことは気にしててもしょうがないと楽天的に構えていたのは良かったのですが、スタート時間を2分勘違いしてしまいまだあと3分あると思っていたら「1minutes!」との掛け声に少々焦りましたが、こんなことも慣れたものです(笑) いつものけたたましいサイレンが鳴りエリート選手11名が一斉にスタート! 思ったよりみんなスタートダッシュが速い<img class="CToWUd" src="https://mail.google.com/mail/e/1f4a8" alt=" 最前列でのスタートでしたが、明らかに出遅れてしまいました。 はてさて、これからどうなるのか・・・? 少々長くなってしまったのでレースの中身は次回、なるべく早めにお届けします。 お待たせしてしまい申し訳ありませんm(__)m
こんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 7月20日に今年のレースの中間点になるVWC第6戦ロンドン大会、「The Broadgate Tower Run Up 2019 」に参加してきました。 今回のコースデータは…。 Climb: 161m Race floors: 35 Steps: 877 ということでめっちゃ短いです! 前回のニューヨーク大会のおよそ3分の1、最長のレース、上海タワーの3398stepから見ると4分の1ほど。 この階段垂直マラソンは長さが変わるとペースもかなり変わります。 出し切る前にゴールしては勿体ない…。かといって序盤であまりにも飛ばしすぎるとあっという間に体力を消耗しペースがガタ落ちになるのは最も避けるべきです。 これは前半戦のような練習では少々対応が難しいと思い6月後半から練習内容をショートレース用にシフトチェンジ。 約900~800stepをインターバルを取りながら3セットしっかり追い込む! という練習を3週間連続で行いました。 これは効果覿面だったようでタイムがどんどん縮まり身体にショートレンジのペースを覚えさせることが出来ました。 (いつもの天祖神社での練習風景) 「練習で出来ないことが本番で出来るわけがない」 「本番は練習をなぞるだけ」 その教訓の元しっかり計画通り練習できたのでロンドンに自信満々で乗り込むことが出来ました。 また、ニューヨークに引き続き女子のエース立石ゆう子選手や去年同大会で三位入賞した小山孝明選手と現地で合流し、色々とレースのことを聞けたのでイメージトレーニングもバッチリでした。 そして前日のコース下見では手摺形状や段差の高さを確認。 手摺は持ちやすいものの、踊り場に手摺の折り返しのスペースのところに柵があり、そこだけ少々掴みにくいことや外側にも手摺があるので活用できることが判明。 一方段差は高さ、奥行き共に平均的で非常に登りやすく、路面もマットが引いてあり滑りにくく理想的なコンディションでした。 これらの情報からとにかくいつもと違ったことはせず、基本的には20階くらいまではStyle:Pで押していき、30階くらいまでは両手で手摺を使うelb走法を混ぜて行き、30階からはとにかく全てを出しきるようなラストスパートをかける作戦をたてました。 さぁ果たした上手く行くかどうか…? (今回の宿、二泊で1万円ちょっと) そんなことを考えていたからか、はたまた時差の影響か中々うまく寝付けず…。睡眠時間は実質3時間ほどでしたが、朝4時50分に起床。 決してベストコンディションではないですが、それも想定のうちです。 朝食は小さめのパンとチョコ、そして定番の「アスリチューン・ポケットエナジー」をぶち込みます!安定の美味しさで目も覚めました!! 同時に水分をため込む「凌駕スマッシュウォーター」もしっかりチャージ。短期決戦といえど発汗はありますから。 ソックスはいつもの「インナーファクト」スキンタイプで軽さと快適性を兼備!足もとに不安はありません! チームジャパンで集合していざ会場入りして、テーピングなどのいつも通りの準備を済ませてスタート5分前! ふと、近くにいたイギリスの選手から 「ヘイ、ユー。計測チップを忘れてるぜ」 と言われたことだけは想定外でした(;´Д`A お陰で4分ほどスタート時間を遅らせてしまいました…本当にすみませんm(_ _)m それはさておき、今回のレースはニューヨークに続いてウェーブスタート。 しかも一人につき30秒間隔も空くのでレース中はほぼ完全に一人の世界です。 ひたすら非常階段をする通じて自分自身と向き合えるレース内容になっています。 閑話休題、なんとかスタートラインに立ち3分くらいで心を落ち着かせスタートを待ちます。 レースプランを一度思い出してなんとなくイメージした後はもう難しく考えるのはおしまいです。 (自分ならやれる!いける!) と自己暗示をかけ集中…。外界を遮断し、ひたすら身体との対話に意識を傾けます。 そしてついにスタート‼️ 物凄く濃い4分間の始まりです。 まずは階段までのフラット部分が15mほど。ここはタイム非計測なのでゆったり入り、計測マットを跨いでも一つ上のフロアまでは手摺の掴み方の練習でゆったり。 そうすると再び15m程のフラットゾーンが現れ、そこからはずっと階段です。 本番はここから。 Style:Pを駆使して踊り場のみ手摺を使い、まずは下半身の力を使いリズム良く走って登っていきます。 しかしペースは8割くらい。 ここを焦って9割で走ってしまうと半分くらいから撃沈する可能性が高いという判断でした。 今度はフォームチェック。 骨盤が前傾されてるか? 胸は自然に開いているか? 手は虎漕ぎの形をしつつ外側に向いているか? きちんとリズム良く体重移動出来ているか? その際お尻の方に体重がしっかり乗っているか? など多くの事を一体的に把握して微調整をかけます。 同時に呼吸の乱れ具合、足の疲労具合からペースが適正かを判断します。 …自分で書いていても色んなことがありすぎて頭がパンクしそうですね(笑) しかしただ漫然と走っていては決して成長しませんので、足りない頭を総動員して登ります。 ふと回数を見ると8階あたりでした。 まださほど疲れは感じられなかったのでそのまま行くことにしました。 10階到達! 過ぎるとだいぶ階段に慣れてあまり考えることなく無心で登れるようになりました。 Style:Pを維持しつつ、時折折り返しの時に両手で内側の手すりを掴んでスピーディーにまわるなど短期決戦ならではのペースで押していきます。 20階到達!! 流石に疲れが少し出てきたので両手で手すりを使いつつ早歩きで5階ほどあがり、少し足を休めます。そこからStyle:Pをまたおりまぜつつ、とにかくペースが激落ちしないことだけを心掛ける一番きついところでした。 30階到達!!! もうここまできたら何も考えずに全てを出し切るのみ!!フォームは気にせずとにかく腕も足も総動員してガシガシ登っていきます。流石に心臓は苦しいし足も鉛のように重いですが、そんなの関係ない!!とばかりに大口あげながらゼーハーゼーハー荒い呼吸音を響かせながら登っていきます(; ・`д・´) 意識も薄れかけたころ、ようやく35階が見えてきて…。 ゴールです!! ゴール後は当然こうなります(笑) 今回も出し切りました~~。 半分あたりからペースを落としたくなる自分ととにかく格闘することになりましたが、ギリギリの線で競い勝ち、とりあえず合格点の走りが出来たと思います。 いつもよりは短いレース時間だったせいで、3分ほどで立てるようになり、タイムを確認すると・・・。 「3分41秒」!! コースレコードを17秒更新しました。でも欲を言えばあと1秒ちょっと縮めて40秒きりたかったですね(^-^; ともあれ、2位に19秒の大差をつけて優勝を飾ることが出来ました\(^o^)/ Broadgate Tower Run Up resultsMen Ryoji Watanabe (JPN) – 3’41” Laurence Ball (GBR) – 4’00”06 Mickael Pourcelot (FRA) – 4’00”23 Mark Howard (GBR) – 4’03”46 Takaaki Koyama (JPN) – 4’03”49 Women Sarah Frost (GBR) – 4’40” Yuko Tateishi (JPN) – 4’52” Anaïs Leroy (FRA) – 4’55” Laura Manninen (FIN) – 4’57” Susie Drinkwater (GBR) – 5’02” 立石祐子・小山孝明の両選手も昨年のタイムを10秒以上更新する大健闘をみせました。 特に立石選手はニューヨークでは敗れたライバルのラウラ・マンニネン選手を破っての堂々の準優勝でした。優勝のサラ選手は自身のコースレコードを20秒以上短縮する驚異のタイムでした。今後のシリーズ戦の上位に絡んでくる可能性大ですね…。 男子は2~5位までが3秒差にひしめく大混戦で僅差で表彰台を逃したものの小山君の成長ぶりが伺えました。まだ29歳の伸び盛り、得意のスピードにさらに磨きをかけてこの激戦を勝ち抜いて表彰台に立ってほしいですね! この後はイギリス料理を少し食べて・・・。 (ベネディクト:パンの上にベーコン、チーズ、卵が乗っています) イギリスの観光名所をちょっとだけ見て・・・。 (あの有名なタワーブリッジ!これがあのロビ〇マスクの必殺技の由来か・・・) 急いで土産を買って空港に向かい90分前には列にチェックインカウンターに並んだのにまさかの時間切れで飛行機に乗れないという初の大失敗を体験するおまけつきでした(´;ω;`) 珍しいロンドンの晴れ間が見れたのがせめてもの救い?なんとも忘れられないロンドン遠征となりました。 そして海外の空港では1時間前までにチェックインを絶対に済ませなくてはならないという教訓も得られましたので、今後に活かそうと思います。 ともあれ!! ワールドシリーズ戦で今季2勝目を勝ち取れたのは非常に大きな成果でした!! https://www.verticalworldcircuit.com/2019/07/21/records-tumble-at-londons-broadgate-tower-run-up/ http://skyrunning.jp/2019/07/22/2019london/ JSAのホームページでも紹介していただきました\(^o^)/ まだマーク選手に直接勝利はしていないものの、ランキングではマーク選手を抜いて5位に浮上。 出費は大きかったですが、目標の年間ランキング2位を大きく引き寄せる欧米2連戦でした。 これを可能にしていただいたのもクラウドファンディングにご協力いただいたみなさまの支援のおかげです! 本当にありがとうございました!! 次戦は8月31日VWC北京大会です。 おそらくピーターやマークも参加するであろうハイレベルな戦いになりますが、もう恐れることなく、優勝を狙っていきますので、ぜひ次回のレポートもお楽しみに!! それではまた。 渡辺良治