皆さんこんにちは。
階段王になる男、渡辺良治です。
10月20日に上海にて行われたVWC第8戦、「SHKP VERTICAL RUN RACE TO SHANGHAI」に参加してきました。
(今年のソウルのトップ3、再び顔を揃えます)
今回は約5ヶ月ぶりにピーター、
更に!何と今回はVWC初参戦となる中国選手にも思わぬ強敵が!
リュウ・ジンセン:対戦成績2勝2敗、直近のTWA深圳大会では
リュウ・チンファ:対戦成績3勝1敗、去年のTWA深圳大会で敗
ハオ・ホンペン:2年前の北京大会で一般参加に関わらず当時の自
そして今年のVWC北京大会で3,4位だったシュウ選手、
得に最近負けたことがある二人のリュウ選手、通称チャイニーズ・ダブルドラゴンには最大の注意が必要です<(`^´)>
考えるだけでクラクラするようなラインナップにメンバー発表当時
表彰台を逃したらえらいこっちゃ…。
と不安で暫くビクビクしながら過ごしていました。
おまけにシーズンの疲れも溜まり、
そんなこんなで不安を払拭出来ないまま上海に乗り込む日が近づい
おまけに泣きっ面に蜂の如く、
これはもう逆に開き直って、(この状態でうまくいったらスゴイこ
それにクラウドファンディングのサポーターの皆さんを始め、
と、いうことで先ずはレース結果からお伝えしますと…。
1. Mark Bourne (AUS) – 7’58”
2. Piotr Lobodzinski (POL) – 8’05”
3. Ryoji Watanabe (JAP) – 8’17”
4. Zhisen Liu (CHN) – 8’26”
5. Qinhua Liu (CHN) – 8’27”
総合3位を何とか死守することができました。
正直ゴールして一番ホッとしたレースかもしれません。
3位に入れて本当に良かった…。
以下、レース内容を振り返ります。
今回のレースで駆け上る舞台は上海にあるTwo Shanghai International Finance Centreというところで1460ステップ、54フロア、254mUPというミドルレンジのレースです。
特徴としては階段の踊り場が180度ターンではなく90度ターンのスクエア型ということ。
もう一つはビルの廊下をぐるっと水平に走る長めの外周ゾーンが15、33、45階にそれぞれあるということです。
とは言ってもコースレコードは7分42秒という決して長くはないレースなので序盤の位置争いがそのまま最終順位に直結します。
今回の最大の目標は過去に負けている中国選手たちにしっかり勝ち切ること!
そして彼らは後半に強いという特徴があるので、前半は無理せず敢えてピーター、マークの後に付いて3番手をキープするという作戦をとりました。
いつもどおり、スタート最前列からピーターやマークと並んでスタートの瞬間を待ちます。
「5・4・3・2・1・GO!!」
予想通りピーターが飛び出します。
階段に入るまでの短い区間でマークとの位置争いをしましたが、体格差もありここは大人しく先を譲ります。
階段に入ってからはしばらくいつものオマールの突き上げがありましたが、冷静に内側をキープ。
また、マークにもぴったりくっついて最初の外周ゾーンの15階に到達しました。
ここまでは全て一段抜かしの走りで快調に登ってくることが出来ました。
外周ゾーンを無難に走りぬけ、再び階段へ入りますが、まだ足には余裕があり、同じように足を主体に走って登り続けることにしました。
去年のピーターの走りや前日のコースチェックの際に感じたのですが、このスクエア型は両手で手すりを使い体を引き上げるようにすると踊り場が曲がりにくいんです。
脚に余力があるうちは腕は体重移動をスムーズにするためのサブウェポン的な役割に徹してリズムよく走った方が「速い」のだと思います。
そうして当初の一つの目安としていた20階に到達。3分の1を走り切ったことになります。
ですがまだ余力有りなので引き続き走ります。
次の目安は25階。流石に少々疲れたかなと感じたので試しに一度両手を使って引き上げて登り始めます。
・・・が、やはり踊り場で窮屈さを感じてしまいます。
そうこうしている間にマークとはじりじりと差が開き始めました(~_~;)
と、同時に後ろから誰かがペースを上げて追い上げてきました(;゚Д゚)
来ました!ダブルドラゴンの一角「リュウ・ジンセン」選手です!
若干息遣いは荒いものの彼の後半の強さは嫌というほど思い知らされています。
しかーし!ここで簡単に抜かされてはなりません!!
一度抜かれたら抜き返すことは至難の業だと心得ているので意地でも抜かれないようにと再び走りに切り替えます。
その結果なんとか半階ぶんくらいの差を保ったまま33階、2回目の外周ゾーンに到達。
前を見るとピーターの姿はほぼ見えませんが、マークの後姿はまだはっきり捉えられました。
マークとの差はおそらく3,4秒差。追いつこうと思えば追いつける差なのですが…。
三度階段に突入し、再び脚メインで走って登り続けます。
ここから次の外周ゾーンまでが一番の我慢どころ、勝負を分けるポイントだと思っていました。
今思うとやはりここでの選択が結果に大きく影響を与えていました。
階段に入るとマークは相変わらずスイスイと走って登っていきます。
自分も負けじと走ったのですが、意識は後ろのジンセン選手に囚われていました。
ほんの少しづつですが、差を広げられたようで、気づくと目では確認できないくらいの差がついていました。
足音や息遣いはまだ少し聞こえるのでさほど大きな差ではなく、ペースを上げて付いていけば追えないこともなかったのですが…。
無理してオーバーペースになって3位を逃すことの恐怖が大きく、前を追うことをあきらめてしまいました。
しかし後ろからのジンセン選手の突き上げも激しく気を抜けば背後にぴったり付かれそうになるくらいでした。
なので基本的には手すりは踊り場で使うのみで後はしっかり基本姿勢を維持。
滑車の要領で体重移動をして「走り」で登っていきます。
次の外周ゾーンまで12フロア上がる間に手すりを両手でつかんだのは20秒位だったでしょうか。
ほとんどを走りで登り流石に疲労が溜まってきたのを感じながら、三度目の外周ゾーンに到着しました。
ここではもうすでにマークは見えなくなり、完全に後ろのジンセン選手との勝負に。
外周ゾーンの中間点にある給水所にいるスタッフの声から察するにジンセン選手とは5、6秒の差は付いているはず。
気を緩めなければ逃げ切れるハズだと少し希望が持てました。
そしてついに最後の階段ゾーンへ。
そこで一旦身体の疲労具合を確認します。
息は上がって足も上がりづらくなっているものの、まだ少し余裕があると感じました。
あと11フロアならまだイケる!
と明るい気持ちになり50階くらいまでは走り続けることが出来ました。
苦しいには苦しいのですが、不思議と走れる。もちろん、序盤の様なスピードではありませんが、両手をガシガシ使うよりも幾分スムーズに登れるような気がしました。
50階でまた後ろを確認すると、ほとんど音も聞こえません。これはまるまる1階分の差は付いていると確信。
後はスパートをかけるのみですが、さすがにまだ6フロアあるので、ラストスパートかけても最後まで息が持たないと予測し、一旦歩きに切り替えます。
もちろん後ろは常に警戒し、後ろから姿が見えたら何時でもペースアップ出来るようにしながら登っていきます。
すると気付いた時には54階でした。
「よし!3位は死守したぞ!!」
と気持ちが一気に楽になったので55階からは全てを振り絞ってのラストスパートをようやく結構出来ました。
そこからはあっという間で15秒程度で最上階の57階へ到達!!
最後は廊下を20mほどくねくねと走りゴールラインへと滑り込みました。
「あぁ・・・、今回もピーター、マークと一緒に表彰台に登れる」
と安堵しましたが、ふと気づくとピーターはすぐそばに座り込んでいましたが、マークがいません。
「あれ?ひょっとして・・・?」
予感があたり、なんと優勝はマーク・ボーン選手(@_@;)
去年コースレコードと一秒差を出し、苦手を克服したと思われるピーターがまさかの8分台で2位でした。
後から分かったこととは言え、中盤で勝負を捨てていなければピーターに追いつくことが出来たのではないかと少し悔しさがにじみました。
自分のタイム、8分17秒も実はワースト記録で、2年前の記録を5秒もオーバーしてしまうなど不満の残るものでした。
しかし、シーズン終盤の今は 内容より結果が大事なんだと自分に言い聞かせ、気持ちを切り替える事にします。
また、やはり前半は全体的にスローペースだったのかなと思います。
その状況の中でピーターと12秒差と言うのは決して悪くないタイムなのかもしれません。
それにこの程度の距離なら8割くらいを走り切れると分かったのは収穫でした。もちろんペースにもよるのでしょうが、同じ段数をあがるなら走れるなら走った方が速いというのは間違いないので次戦、ハルカススカイランでも積極的に走りを入れて行こうと思います。
そのハルカススカイランですが、なんとVWCの今季最終戦になることが急遽決定しました。
本来の最終戦、香港大会が中止になってしまったためです。
この結果大阪のポイントが1.5倍になります。
したがってここで優勝すればポイントが大幅に増えて年間ランキングでトップに立てるということに!
俄然やる気が湧いてきました(≧≦)
必ずや大阪でピーターから初勝利を挙げ、アジア勢として初めての階段垂直マラソン世界チャンピオンになる!俺はなる!
「階段王に、俺はなる!」
その決意を述べてこのレポートを締めくくりたいと思います!