2013/09/04 00:29

秋田取材の一人目は、田宮 慎(たみや・まこと)さん。
秋田で作られる地場産品のクリエイティブディレクションを行うcasane tsumuguを主宰されている方です。
「素材」やそれを手掛ける「人」「歴史」「文化」・・・、そうしたものを大切に扱い、それが出来上がるまでの「物語」を丁寧に紡いでいるのがとても印象的で、取材のお願いをさせていただきました。
田宮さんは、小学2年からはじめたサッカーで、本気でプロ選手になることを目指していました。スポーツ推薦で選ばれた者しか入部できないと言われた中央大学サッカー部にも、自ら直訴して入部を果たすなど、ライバル達と切磋琢磨する日々を送っていました。1年、2年経ち、卒業してプロの道へ進めるのは、わずか1人いるかいないか程度。「その現実に直面し、夢を諦めました。あれは挫折でしたね」
その後は、何をやっていいのかわからず近所の川をボーっと眺めて過ごしたり、就職活動もすることなく卒業し、アルバイトを続ける日々。「さすがに親には泣かれましたけど、やりたくないことはやりたくないし・・・」
挫折でぽっかり空いたものを埋めるように、バイト生活を続ける中で、友達に服飾デザイン系の専門学生が何人かいて、なんとなく、"クリエイティブ"なことをやりたいと思っていたそうです。
「田舎じゃ出来ないことをやっている充実感があった」
大学卒業後、偶然の出会いによって、商業空間プロデュース会社に入社。
入社3年後、駅ビルをリニューアルする仕事に抜擢されました。オープン後の数年間、そこに関わることになったのですが、「最先端」や「東京」を感じ、充実感があったそうです。
その後、地方の駅ビル開発に携わることもありましたが、そこでもいつも「東京基準」の開発が続きました。
〜次稿へつづく〜
(インタビューは渡辺啓嗣さん、写真・編集を小林にて担当します。このレポートも渡辺さんの感想を再構成して、掲載しています)





