2015/08/20 07:20
認知症に関心をもつ理由は人それぞれだと
思います。私の場合は、偶然始めた
デイサービスのパートの仕事で出会った
義和さん(仮名)が、そもそもの
始まりであったと思います。
認知症のために、時間(時代)や
場所を行き来している義和さんでしたが、
ユーモアがあって、紳士的な義和さんの
ことが大好きでした。
自分が選択して認知症になるのではなく、
認知症とともに生きるという運命を与え
られてしまうことに気づかされ、
認知症のある方が穏やかに暮らし続ける
ためには周囲の人の助けが絶対に必要だ
ということを教えてくれたのが、義和さんでした。
===指きりげんまん===
(2010年2月15日のブログより)
デイサービスの利用者、義和さん(仮名)が
そろそろ帰る時間になったので、トイレに
誘導しようと義和さんの右手に向かって
手を伸ばしました。
普段なら手を差し出すと同時に義和さんが
よく聞こえる大きな声で「義和さん、トイレに
行きましょう」と誘うのですが、今日は
義和さんの左右に他の利用者さんが座られていて、
私はなんとなく皆に義和さんをトイレに連れて
行くのを知られたくなくて名前だけ呼んで
手だけで誘ったのでした。
いつもなら手を握り返してくれる義和さんですが、
今日は私の右手の小指に自分の小指を絡め、
指きりのようなしぐさをされました。
義和さんは無言だったのでそれが「約束」なのか
本当のところは分かりません。
でも私は義和さんと二人だけの約束をしたような
気がしています。
いつまでも義和さんのことを大切にしますね。
指きりげんまん。