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駿河の杜の芸術祭 富士の山に「土蜘蛛」が舞う!!!

星神の眠る駿河の杜倭文(しどり)神社。製紙、織物、芸能などかつてこの地は、大和朝廷をもうらやむ人と自然との営みがあった。この度、富士の山ビエンナーレのパフォーミングアーツとして駿河シャクジ能が行われる。人と自然との調和を土蜘蛛で表現する。

現在の支援総額

322,000

107%

目標金額は300,000円

支援者数

26

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2016/10/07に募集を開始し、 26人の支援により 322,000円の資金を集め、 2016/11/10に募集を終了しました

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駿河の杜の芸術祭 富士の山に「土蜘蛛」が舞う!!!

現在の支援総額

322,000

107%達成

終了

目標金額300,000

支援者数26

このプロジェクトは、2016/10/07に募集を開始し、 26人の支援により 322,000円の資金を集め、 2016/11/10に募集を終了しました

星神の眠る駿河の杜倭文(しどり)神社。製紙、織物、芸能などかつてこの地は、大和朝廷をもうらやむ人と自然との営みがあった。この度、富士の山ビエンナーレのパフォーミングアーツとして駿河シャクジ能が行われる。人と自然との調和を土蜘蛛で表現する。

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こんにちは。駿河シャクジ能実行委員会兼、辻雄貴空間研究所アシスタントの武田です。2日後、11月4日(金)大倉慶乃助(能楽師大鼓方)×辻雄貴(華道家)によるトークイベントを富士市交流プラザにて開催致します。今回のテーマは「能楽師といけばなが混じり合う時」です。 参加ご希望の方は、下記へお問い合わせ下さい。【富士の山ビエンナーレ実行委員会事務局】Tel: 0545-81-0063Mail: contact@fujinoyama-biennale.com さて、今回はシャクジ能にて紅葉を用いて献花差立を行う華道家辻雄貴の「いけばな」について、ご紹介したいと思います。10月17日(月)にオルタナティヴスペーススノドカフェにて、いけばなワークショップが開催されました。 今回は紅葉をテーマに実物、枝物、葉物を沢山揃えました。 秋にしか目にすることのない独特の色合いです。 みなさん、目線や角度を変えながら真剣に生けています。 ワークショップに参加された生徒さん達の作品です。       秋にしか見ることの出来ない植物の力強い煌めきや、一瞬の美しさ、儚さが器から広がっていますね。いけばなも能楽同様、見る人により受け取り方、感じ方は様々です。 そして、このお教室を取り持つ辻の過去の作品です。 この様な床の間サイズのものから、二三人分の高さに至るものまで生けております。 駿河シャクジ能では、倭文神社に祀られる神々に捧げる献花差立を行います。 空間の中で一瞬の美を表現する「いけばな」がどの様なものになるのか、楽しみですね。   次回の華道家辻雄貴のいけばなワークショップは、11月21日(月)19:30〜開催の予定です。参加ご希望の方は下記をご覧下さい。 plants sculpture studio in Shizuoka講師:辻雄貴(華道家)日時:月1回(主に月曜日に開催)会場:オルタナティヴスペーススノドカフェ(清水・狐ケ崎)料金:4,000円(花代込み、1ドリンク付き)<ご予約・お問い合せ>電話:054-346-7669(12:00~21:00)メール:スノドカフェお問い合わせフォーム 昨日、達成率が102%を更新致しました!残りの8日間、引き続きご支援のほど宜しくお願い致します。    


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はじめまして。 シャクジ能実行委員会でクリエイティブディレクターをしております、池原和です。 メインビジュアルやフライヤーのグラフィックデザイン、全体のプロモーションや印刷物のディレクションなど行っています。 また私が中心となり、常葉大学でクリエイターを目指す学生に話をして、プロの現場の中で舞台空間をつくる合宿計画を進めております。   辻と私で、11月23日(日)に開催された倭文神社の新嘗祭(にいなめさい)に参加させていただきました。 新嘗祭は収穫祭にあたるもので、日本では、古くから五穀の収穫を祝う風習があり、その年の収穫物は国家の一年を養う大切な蓄えとなることから、大切な行事として飛鳥時代の皇極天皇の御代に始められたと伝えられています。 倭文神社は延喜式神明帳にある式内社で、又富士郡三座の一つでもあり、日本最古唯一の織物、製紙の神である健羽雷神を奉祭する神社です。 倭文神社の他に淺間神社、富知神社が富士郡三座とされています。 また、富士山を祀る山宮浅間神社と同じく、本殿のない神社となります。 拝殿裏には、小石が敷き詰められた石垣の中に榊の木が植えられ祀られています。 榊の語源は、神と人との境であることから「境木(さかき)」の意であるとされています。 古来から植物には神が宿り、特に先端がとがった枝先は神が降りるヨリシロとされ、オガタマノキなど様々な常緑植物が用いられたが、近年はもっとも身近な植物で枝先が尖っており、書くさらに木偏に神と書く榊は神のヨリシロにふさわしいと定着しました。 星山の神が降りるヨリシロの木として、古来より大切に祀られています。何度か下見に来た倭文神社ですが、雰囲気がいつもと違います。 多くの人が倭文神社にあつまり、星山は注連縄と紙垂(しで)で囲まれ、拝殿は手前と奥の扉が開き、参道から拝殿裏に祀られる榊の木までの道が現れていました。 天候にも恵まれ、あたたかい日差しが星山からこぼれ、榊の木を照らしていました。 いつもの趣ある雰囲気とは異なり、多くの人に囲まれどこか喜んでいるような、明るい雰囲気を感じました。まず鳥居の前に子供達が集まり、子供神輿のお祓いを行います。 伊藤宮司が大麻(おおぬさ)を振り祈祷を行い、榊の木に紙垂と麻の紐がついた玉串を捧げました。 終わると神輿を担ぎ、大きな声で星山をくだり練り歩き(渡御)に行きました。 この玉串。かつてアマテラスが天の岩戸に篭った際につくられたのがはじまりでした。その玉串に飾る布を織ったのが、倭文神社に祀られる建葉槌命(タケハヅチノミコト)です。天の岩戸で使用した布は楮(コウゾ)や麻から作った「倭文(シズ)の綾織」というもの。そのために異名に「倭文神(シズ神・シドリ神)」とも言われています。   「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向(たむけ)山 紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに 」   今度の旅は、御幣をささげることもできない。とりあえず、手向けに山の紅葉を錦に見立てて御幣の代わりにするので、神の御心のままにお受け取りください。   百人一首にもある菅家(かんけ)菅原道真(すがわらのみちざね)の詞です。 幣(ぬさ)とは、布や紙で作った神への捧げ物。 紅葉の錦とは紅葉の美しさを錦に見立てた表現となります。 紙垂や木綿を付けない紅葉を玉串として捧げた様子が詠われているそうです。 11月20日には、華道家の辻雄貴が紅葉を用いて献花差立を行い、幣や玉串と同じくヨリシロとして倭文の神に捧げます。  神輿のお祓いが終わり、私たちは拝殿の中へ集まりました。 宮司による祝詞奏上の後、倭文神社の関係者の方々と一緒に、榊の木へ玉串奉奠(たまぐしほうてん)をさせていただきました。 催しの前に倭文の神へご挨拶することができたこと、大変嬉しく思います。  その後町内会の皆様と一緒に捧げた御神酒や食べ物を頂きながら、地元の方々から倭文神社への思いを聞くことができました。 富士郡三座として祀られているが、地元の人も含めあまり知られていないこと。もっと倭文神社、星山の価値を伝えていきたいこと。 お祭りや駿河シャクジ能などの催しが、多くの人に伝わるきっかけになってほしいこと。 私たちは地元の方々の想いに応えられるような催しを行うことを誓い、倭文神社を後にしました。   そしてみなさまのご支援を賜り、達成率100パーセントを超えました。 今回新嘗祭に来ていた方々、倭文神社に縁のある方々、そして倭文の神も喜んでいることと思います。 私共シャクジ能実行委員会も感謝の気持ちでいっぱいです。 本当にありがとうございました。 終了日まで残り10日、引き続きご支援の程宜しくお願い致します。  



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朝晩の寒さが身に染みる季節になりましたね。 駿河シャクジ能実行委員会兼、辻雄貴空間研究所アシスタントの武田です。 先日、シャクジ能で行われる照明の模型が完成しました! 光が透けているところが綺麗で、想像力を掻き立てられますね。 遠くから見るともわ〜っとして繭っぽく見えるかも知れません…。 見ていると愛おしささえ感じてきます! 早速、照明の配置と明るさの調整について、カメラマンの関谷さんと打ち合わせをしてきました。    幾何学的で美しい照明が活躍する、駿河シャクジ能開催まであと1ヶ月を切りました!クラウドファンディングはお陰様で80%を達成し、一般販売のチケットも残り僅かです。静岡県のみならず、様々な地域からお問い合わせをいただき、皆様が駿河シャクジ能に興味を持って下さっていることを大変嬉しく思っております。引き続き応援宜しくお願い致します!   さて、前回の演目紹介に続き、今回は演者と彼らの役割を見ていきましょう。   【いけばな】「生け花」「活花」とも表記され、植物やあるものを組合せて空間に設える芸術のこと。庭の手入れの際に落とされた植物や、山から採取してきた植物を床の間などの空間に据えることから始まったとされています。現代のいけばなは、様々な国より花材を仕入れた花屋から購入し、その中の数種を生けるというのが主流になっています。シャクジ能は、古来の手法と同様にその土地への感謝と畏敬の念を込め、山から採取してきた植物や木の根、そこに現存する素材を使用し、能楽の世界観を汲み取りながら空間に設え、循環させる試みです。   献花差立 辻雄貴 浮月楼で献花差立を行なった時の様子です。     【能楽】能楽は室町時代に猿の滑稽さを表す藝能としてはじまり、当時は野外と神社の中にある能楽殿で行われていました。 室町後期から江戸時代に入ると織田信長、豊富秀吉、徳川家康など大名のファンがつき「江戸式楽」と名を変え、お城に能楽堂が作られる程に盛況したと言われています。 明治期に突入すると、徳川文化を排除する流れで能楽師達は仕事を失い、一部の支援者によって現代の能楽堂が作られました。シャクジ能では、室町に行われていた野外で行う形式の能楽を、その地の歴史的背景を感じ取りながらいけばなの世界観と融合し、現代アートとして蘇らせます。 フェール城の公演で『土蜘蛛』を行った時の様子。   【立ち方】シテ方(僧・土蜘蛛)梅若玄祥 ウメワカゲンショウツレ(頼光)山崎正道 ヤマザキマサミチツレ(胡蝶)川口晃平 カワグチコウヘイワキ(独り武者)宝生欣哉 ホウショウシンヤワキツレ(独り武者の従者)大日方 寛 オビナタヒロシアイ狂言(独武者の下人) 野村太一郎 ノムラタイチロウ   能楽師にはある役に扮する人達を、立ち方と呼びます。 主役を演じるシテ方脇役を担当するワキ方シテやワキにつき従って登場する役のことをツレ能の間に狂言を行う人をアイ狂言 といいます。   【囃子方】笛 竹市 学 タケイチマナブ小鼓 大倉源次郎 オオクラゲンジロウ大鼓 大倉慶乃助 オオクラケイノスケ太鼓 大川典良 オオカワノリヨシ   囃子方は、シテや地謡を栄やす役割を担っています。 笛は「能管」とも呼ばれ、囃子方の中で唯一の旋律楽器です。その音を聞いた時、昔の人々は風を感じていたと言われています。素材は竹でできており、数十年から数百年間燻されたものを8つに割き、裏返して籐(とう)や樺(かば)を巻き仕立てられています。 小鼓と大鼓は大小とペアを成すものと言われており、両者共に桜で出来た砂時計型の胴を馬革で挟み、調緒(しらべお)という麻の紐で組み立てられます。 小鼓は、緩くかけた調緒を調節して微妙な変化をつけることにより、柔らかい水の様な音を表現します。良い音を出す為には適度な湿気が必要とされ、唾液で革を湿らせたり、息を吹きかけるなどの工夫が凝らされています。 大鼓は鋭く燃える様な音が特徴的で、小鼓とは対照的に革を乾燥させる必要があります。始まる前に革を2時間程度焙じ、調緒で革と胴とを力一杯締めて組み合わせます。 太鼓はケヤキを使用した桶型の胴で、革には牛皮が使用されています。台に載せ、2本の撥(バチ)で打つことにより、地が鳴る様なリズムを刻み出すことができる楽器です。   【後見】 小田切康陽 オダギリコウヨウ山崎友正 ヤマザキトモマサ   後見とは、能楽師のサポートをする人のことです。主に、装束(演者が纏う衣装)の脱ぎ着や、道具を渡す等の作業を舞台上で行います。一見役割が地味な後見ですが、舞台上でシテやワキが絶句してしまった時に替わりにセリフをつけたりすることもあるそうです!   【地謡】 山本博通 ヤマモトヒロミチ角当直隆 カクトウナオタカ小田切亮磨 オダギリリョウマ梅若雄一郎 ウメワカユウイチロウ   地謡とは舞台後方に並ぶ斉唱団のことです。真ん中にいる地頭に合わせて多人数で謡うことにより、声に強弱やリズムの緩急など変化ををつけながら、場面の迫力を増したり、感情や情景をより際立たせ、舞台を盛り上げる役割があります。日本人が本能的に心地良く感じるとされる「七五調」を八拍に収め、上半句はゆったり、下半句は勢いをつけて謡うのが特徴です。能独特の、軽く息を吸うことにより出される「ヨワ吟」と、深く息を吸い発せられる「ツヨ吟」には演目に込められた心情や情景の波を感じることが出来るはずです。八拍の中に込められた、声の強弱や謡のスピード、息の吸い方等の変化にも注目したいですね。   能楽師大倉慶乃助さんと華道家辻雄貴さんのトークセッションを、11月に辻さんの地元である富士市にて開催致します。 2016年11月4日(金)19:00(18:30開演)富士市交流プラザ(富士市富士町20番1号)『能楽といけばなが混じり合う時』大倉慶乃助(能楽師 大倉流大鼓方)× 辻雄貴(華道家)   講演者の簡単なプロフィールとシャクジ能については『いけばなと能楽の混じるところ』をご覧ください。   11月4日(金)のトークセッションより、地域の有志学生さんと共に制作合宿に入ります。 今回のレポートでお披露目した紙の照明「カガセオ」の制作過程や、竹林整備の様子等も投稿致しますので、お楽しみに。   シャクジ能Facebookページもどうぞ宜しくお願い致します。   駿河シャクジ能実行委員会 武田     参考文献:『初めての能・狂言』『能にアクセス』『お能の見方』


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 お久しぶりです。駿河シャクジ能実行委員会兼、辻雄貴空間研究所アシスタントディレクターの武田です。 『日本の神さまおもしろ小辞典』という本と旬の食材を追うことにハマる23歳です。   お陰様でFAAVOによるご支援額が全体の40%まで達成致しました!引き続き皆様のご協力を宜しくお願い致します。   さてさて『駿河シャクジ能』開催まであと一ヶ月ほどです。 「なんか凄そうだけどお能わかんないよ!」という方々、大丈夫ですよ! 能の楽しみ方は人それぞれで、演者の声に耳を澄ませてみたり、煌びやかな衣装や装飾に目を凝らしたり、囃子のリズムに高揚感を覚えたり、一振り一舞に神経を集中させてみたり、五感を研ぎ澄ませて、見たり感じていただけたら幸いです。 私は、先日シャクジ能に大鼓方として出演する、大倉慶乃助さんの「石橋(シャッキョウ)」を拝見しました。 鼓の音と慶乃助さんの声が会場に響き渡り、初めから最後まで鳥肌が止まらず、圧倒され、切なさで涙が溢れてきました!能楽ってドープだし、エモい!ということを同世代には伝えていきたい!!!   「感じるだけじゃ足りない!もっと深く知りたいよ!」 という方は私と一緒に今回の演目『土蜘蛛』のあらすじを簡単にさらっていきましょう。 病に臥せる源頼光(ミナモトノライコウ)に胡蝶(コチョウ)が薬を持ってくるも、頼光の病は益々重くなってゆく。 夜も更けた頃、病に臥せる頼光の部屋に不審な僧が現れ、頼光が僧に名を聞くと、「わが夫子(せこ)が来(く)べき夕なりささがにの」と歌を口ずさみ近づいてくる。よく見るとその姿は蜘蛛の化生。その化け物は千筋の糸を繰り出しがんじがらめにしようとするも、頼光は、枕元にあった源家相伝の名刀、膝丸を抜き払い斬りつけ「得たりやおう」と大声を上げると命からがら化け物は姿を消していった。騒ぎを聞き付けた侍、独武者は、大勢の部下を従えて頼光の元へ駆けつける。頼光は名刀膝丸を「蜘蛛切」と改め、斬りつけたものの逃した蜘蛛の化け物を成敗するよう、独武者に命じる。独武者が土蜘蛛の血をたどって追うと、化け物の巣と思しき古塚に辿りついた。古塚を突き崩すと、中から太古より葛城山に棲息した土蜘蛛が現れる。土蜘蛛は千筋の糸を投げかけて独武者たちをてこずらせるが、大勢で取り囲み、遂には土蜘蛛を退治する。 話の流れはわかるけれど、なんだか難しい言葉があり、頭に「???」が浮かんだ方もいるかと思います。それがどういう意味なのか、あらすじの太字の部分を掘り下げていきましょう。 土蜘蛛(つちぐも=葛城山)今回のシテ=主役、梅若玄祥氏。語源は「土隠(つちごもり)」からきている。土蜘蛛は実際に蜘蛛の形では存在せず、朝廷に逆らう土豪(侍でもあり百姓でもある人)の集まりを指していたとされている。 まつろわぬ星神の祀られる神社にぴったりの主人公ですね!以前、富士吉田の浅間大社で「梅若薪能」を拝見した時に、梅若玄祥さん演ずる「蔵王権現」が登場した途端に、会場に本物の蔵王権現がいるかの様な只事じゃない空気が流れました!今回の「土蜘蛛」もどの様に化けるのか、楽しみですね!   源頼光(みなもとのよりみつ、あだ名:ライコウ)ツレ=山崎正道平安時代中期の武将。出身地:兵庫県西川市多田後世では『古今和歌集』や『宇治拾遺物語』『御伽草子』などで、よく化け物を退治する人として扱われる人物。   胡蝶ツレ=川口晃平胡蝶の精。演ずる人、見る人によっては、頼光に寄り添う健気な女性にも、弱らせる為に毒薬を運んできた悪い役にもなりうる役です。 胡蝶役の川口晃平さんの視点が個人的にはツボです!川口さんについて調べていて見つけたTwitterを開いて追っていたら、写真と言葉のチョイスが面白くて、気付いたら1時間経っていました...笑   「我が夫子が 来べき夕なり 小竹が根の 蜘蛛の行ひ 今宵著しも」『古今集』/衣通姫(ソトオリヒメ)「今夜は、きっとあの人が来てくれるに違いない。竹の根に蜘蛛が巣を張っている、今夜はそれがはっきり見えるもの。」  私は、病床に臥す頼光に蜘蛛が迫り来る様子の比喩表現と捉えましたが、感じる人により、その受け取り方の変わる歌になりそうですね!   千筋の糸5〜9mの薄紙を、細い金属の芯に巻きつけて細く切り、3段から5段に巻きつけて一握りにしたもの。明治以前は、干瓢(かんぴょう)ほどの紐で数本投げるという形式だったそう。糸一握り1800円程する代物で、現在はこの糸を作る職人が日本に一人しかおらず、継承者不足の深刻な問題となっています。   「得たりやおう」=「それきた!」仕留めたときの心から漏れる声。   葛城山(かつらぎやま=金剛山) 大和の地(奈良県と大阪の境)に存在する大和葛城山を指しているが、静岡県には伊豆の国市に、伊豆葛城山がある。山頂には葛城神社があり、延喜式の倭文神社の論社とされていたそうです。金剛山の呼称とされ、金剛山は金剛砂を産出していたと言われています。 葛城山の存在する伊豆の国市には韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)があり、静岡という土地は製紙業や繊維工業だけでなく、製鉄業も盛んだった様ですね。   葛城山(土蜘蛛)の言葉一つにしても連想させる幅は広く、能楽は全体を見ても、細かい部分に視点を絞っても面白さを見出すことのできる藝術ですね!   次回は、演者さんの紹介と役割について一緒に学んでいきましょう。   今回のレポートでご紹介させていただいた、能楽師大倉慶乃助さんと華道家辻雄貴さんのトークセッションを、11月に制施行50周年を迎える富士市にて開催致します。 2016年11月4日(金)19:00(18:30開演)富士市交流プラザ(富士市富士町20番1号)『能楽といけばなが混じり合う時』大倉慶乃助(能楽師 大倉流大鼓方)× 辻雄貴(華道家)   講演者の簡単なプロフィールとシャクジ能については『いけばなと能楽の混じるところ』をご覧ください。   お二人がどの様な対談を繰り広げるのか、楽しみですね。  また、この日より地域の学生さんとの制作合宿が始まります。 イベントのレポートや合宿の様子もこちらのページやFacebookにて掲載いたしますので、お楽しみに。   駿河シャクジ能実行委員会 武田     参考: 『あらすじで読む名作能50選』衣通姫(http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/sotoori.html) 韮山反射炉(http://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/bunka_bunkazai/manabi/bunkazai/hansyaro/)