2018/03/02 21:20

 

日本一の串柿の里「四郷」

 

 

 

お正月に飾る「鏡餅」

日本の伝統文化ですが、鏡餅の上に「串柿」を飾るのは関西圏を中心とした西日本の文化です。

 

正直、四郷に来るまで鏡餅を飾ることもありませんでした。

当然、串柿のことも全く知りませんでした。

四郷の紹介で、写真を見せてもらっても、「ふーん」というのが正直なところ。

初めて四郷を訪れたのもの串柿のシーズンオフの時。

 

なのに今、こんなにも「串柿ガーーー」と言ってるのは何故なんだろう。

自分でも不思議です。

 

10月後半から、四郷は密かに活気付きます。

なんとなく、みんなが忙しい雰囲気になります。

 

ずっと閉まっていた倉庫に灯りがつき

人通りの少ない山道に車の往来が増え

観光の問い合わせの電話もちらほら入り始めます。

四郷全体が戦闘モード。

程よい緊迫感に包まれます。

 

串柿の時期は10月後半から11月中旬。

 

柿取り

 

ヘタ取り

 

皮むき

 

串刺し

 

10串づつを1連に編み上げ

 

干していきます

 

 

干したら終わり ではありません。

 

表面が乾いて来たら、天候を見ながらの作業。

 

少しづつローラーをかけて平べったくしていきます。

これはもう職人技

 

ローラーにかけては、干し

雨が降れば屋内にしまい、また晴れたら天日干し

すごい労力です。

 

12月中旬、JAで厳しい審査を受けます。

 

審査の日はみんなドキドキヒヤヒヤ。

選果場は緊張感と安堵感に包まれます。

 

そして、審査にパスした串柿たちは大阪の市場でセリにかけられます。

四郷千両太鼓も、串柿の高値を願い、市場でセリを盛り上げます。

 

年間を通じて、串柿の里の営みを体験して、心底串柿のことが愛おしくなってしまいました。

 

串柿を飾る風習が少なくなっているという現実

串柿農家さんたちの高齢化により生産者が減るという現状

 

串柿も太鼓も「四郷」が一つになる強力な資源だけど、それは守って行かなければ、この先失われていく恐れがあります。

 

日本でもこの規模の串柿の風景は、もはや四郷だけ。

日本でも、世界でもここだけの唯一無二の風景。

ですが、地域の人だけでは守りきることは難しいです。

 

そして、私が守りたいのは、この美しい風景、年に数週間だけしか見られない光景だけではなく、オール四郷で取り組んで来たことへの「熱量」。

このコミュニティを次の世代にも繋げていきたい。

単なる便利な田舎にはしたくないと強く思います。

 

だからこそ、四郷の中で経済を回し、四郷の中で仕事を作っていきたい。

体験型農園はそんな想いを持っての挑戦なんです。