日本一の串柿の里「四郷」
お正月に飾る「鏡餅」
日本の伝統文化ですが、鏡餅の上に「串柿」を飾るのは関西圏を中心とした西日本の文化です。
正直、四郷に来るまで鏡餅を飾ることもありませんでした。
当然、串柿のことも全く知りませんでした。
四郷の紹介で、写真を見せてもらっても、「ふーん」というのが正直なところ。
初めて四郷を訪れたのもの串柿のシーズンオフの時。
なのに今、こんなにも「串柿ガーーー」と言ってるのは何故なんだろう。
自分でも不思議です。
10月後半から、四郷は密かに活気付きます。
なんとなく、みんなが忙しい雰囲気になります。
ずっと閉まっていた倉庫に灯りがつき
人通りの少ない山道に車の往来が増え
観光の問い合わせの電話もちらほら入り始めます。
四郷全体が戦闘モード。
程よい緊迫感に包まれます。
串柿の時期は10月後半から11月中旬。
柿取り
ヘタ取り
皮むき
串刺し
10串づつを1連に編み上げ
干していきます
干したら終わり ではありません。
表面が乾いて来たら、天候を見ながらの作業。
少しづつローラーをかけて平べったくしていきます。
これはもう職人技
ローラーにかけては、干し
雨が降れば屋内にしまい、また晴れたら天日干し
すごい労力です。
12月中旬、JAで厳しい審査を受けます。
審査の日はみんなドキドキヒヤヒヤ。
選果場は緊張感と安堵感に包まれます。
そして、審査にパスした串柿たちは大阪の市場でセリにかけられます。
四郷千両太鼓も、串柿の高値を願い、市場でセリを盛り上げます。
年間を通じて、串柿の里の営みを体験して、心底串柿のことが愛おしくなってしまいました。
串柿を飾る風習が少なくなっているという現実
串柿農家さんたちの高齢化により生産者が減るという現状
串柿も太鼓も「四郷」が一つになる強力な資源だけど、それは守って行かなければ、この先失われていく恐れがあります。
日本でもこの規模の串柿の風景は、もはや四郷だけ。
日本でも、世界でもここだけの唯一無二の風景。
ですが、地域の人だけでは守りきることは難しいです。
そして、私が守りたいのは、この美しい風景、年に数週間だけしか見られない光景だけではなく、オール四郷で取り組んで来たことへの「熱量」。
このコミュニティを次の世代にも繋げていきたい。
単なる便利な田舎にはしたくないと強く思います。
だからこそ、四郷の中で経済を回し、四郷の中で仕事を作っていきたい。
体験型農園はそんな想いを持っての挑戦なんです。