写真は先日授業を見学させていただいた、営農科の鶏の解体実習の様子。
1年生の授業だったので正確には生産ビジネス科ですね。
鶏の解体実習、要は鶏を締めて捌く授業。
確か農業高校を舞台にした漫画にも似たような授業の話がありましたが、やはり実際目の前で見るのでは大違いですね…
私は今回のこの解体のタイミングだけを見学させていただいたのですが、実際の授業としては、ヒヨコから鶏になるまでを生徒達自信が育てています。それを自分達の手で締めます。そして食べます。
最後まで鶏に触れられない生徒がいたり、生徒だけでなく中にはサポートしている先生も手を震わせながら作業されていました。
私も、ここでは「締める」と言う言葉を使っていますが、授業の中で説明されている言葉とは違います…がその言葉を文字としてココに書き起こす勇気が持てず、「締める」と言う言葉を使わしてもらっています。それぐらい気後れしてしまう授業でした…。
この授業は営農科に限らず、実習のある商業科以外の生徒、商業科が無くなった今の1年生からは全生徒ですね、が1年生の時必ず受ける授業だそうです。
この授業の時の話をする3年生を見ていると、その当時の光景を鮮明に覚えていて、この高校生活の中で一番心に残っている授業なのだと言う事が良く伝わってきます。
自分の親からは、昔は家で鶏を飼っている家が多く、どこの家庭でも普通にあった光景だと聞いたことがあります。
が、私は先日この授業で初めて目の当たりにしました。また多くの人はこんな光景は見たこともないのが普通の時代だと思います。
それが、良いことなのか、悪いことなのかは私にはわかりません。
ただ、今では食育と言うのでしょうか、こう言う事を体験しておきたいと思った人にとっては、今でもその体験が学校できると言う事は結構貴重なことなのだと思いました。
この授業が始まる前、一人の生徒が早く来過ぎてしまった様で、一人手持ち無沙汰にしてたので、少し話をしました。
やはりこの授業を受ける事には抵抗があると言ってはいましたが、なぜ氷上高校を選んだのかと聞いたところ、迷わず、
「農業がしたくてこの学校を選びました」
と言う答えが返ってきました。お祖母ちゃんが農業をしていて興味があるのだそうです。
16歳で、突然話しかけられた知らないオジサンに、ここまではっきり自分が思っていることを伝える事ができる事にも驚きでしたが、それ以上に中学生の時点でそういう選択をしている事に驚きました。
と言うか、やりたいことが無かったので普通科を選び、働きたく無かったので大学へ行った自分が少し恥ずかしくなる想いです。
が、クラスの友達が集まってきたとたん、小学生の様にはしゃぎ回っているその生徒の姿を見て、少しほっとしました。
NPO法人Imagine丹波 事務局