糊置き(のりおき)
友禅の特徴は、お花の輪郭(りんかく)の白い線です。
この線があるおかげで写真を撮るとフラッシュで輪郭が光り、柄が浮かび上がって見えます。立体感が増して、イキイキとした花に見えてきます。
その友禅の主役とも言える白い線を「糸目(いとめ)」と呼びます。
この線を描くのは、2種類あります。ゴム糊ともち糊です。
もち糊はもち米を蒸してつくるので食べられるくらいで、職人さんによっては舐めて糊の硬さや線の細い太いを調整していたそうです。
今では細い繊細な線を引くことができるゴム糊が主流になってきたそうです。
先の工程「下絵」の際に青花で写した線の通りに糊(のり)を置いていきます。糊の太さ・細さを自在に操れるようになるまで時間がかかるそうです。
すべて手作業で糊を置いていきます。
この時ポイントなのは、糊はまだ表面にしか乗っないということです。
しっかり生地の中まで入ってくれないと、彩色の際に大変色が混ざってしまいます。
そこで登場するのが、こちらのお味噌汁
ではなく、豆汁(ごじる)です。
お豆をつぶして100倍近くに薄めたこの透明の液体がここから大活躍するんです。
(例なので、今回のご褒美きものではありません)
糊を置いた面が生地(きじ)の表面だとすると、裏面からさっと刷毛(はけ)で豆汁をぬっていきます。
それにより水で消える性質の青花の色素が取れて、糊が残ります。
そして糊はしっかり生地の中まで入り裏までしっかり糊が通るのは
油分の多い大豆だからこそ、引っ張ってくれるからだそうです。
この工程を「地入れ(じいれ)」というそうです。
さて次はお楽しみの彩色です。