彩色(さいしき)の工程が一番ときめくのは
女子として、小さいころから塗り絵が楽しかったからでしょうか?
上坂さんも一緒で、塗り始めたら、止まらなくなってしまうそうです。
全体のバランスを見ながら、塗っていきます。
そして、蒸したときに色がかなり変わるので塗る色と仕上がりの色の違いを考えなければならない。
すごい熟練の感性。これが上坂さんが今まで磨かれてきた力だと思いました。
5反目の最後にはNHKさんの取材が入り、制作の想いをお話ししながら取材されつつ、彩色。
最後の作品は石川県の県花(県のお花)クロユリです。
本当はもっと黒いお花ですが、女性がきれいにみえるようにということで紫で表現していきます。
この糸目糊の内側に色を差していくときの筆もポイントだそうです。
加賀友禅と特徴である「ぼかし」をするための筆は
最近買った筆より、昔から使っている筆のほうがいいそうです。
当時の素材、筆を作る職人さん。着物の生産量が少なくなることで、関係する道具屋さんなども少なくなっていく。
そんなお話も聞き、全体で考えても、今このタイミングで加賀友禅を作ることができたことは幸せなことなんだと改めて思いました。
さて、次は、今は白い柄の周り、地色(じいろ)を染めていきますよ。