用瀬にオーダーシューズの工房を構えて8年目、ねじまき鳥靴工房の松本です。
僕が用瀬に移り住んだ当時、一番驚いたことは夜の静けさ。そして町内の行事を町民の皆さんが協力して行っていること。
町の中に綺麗な川が流れ、視線を上げれば山も見えたこと。
鳥取では当たり前の光景が僕にとってはとても新鮮に映ったことを覚えています。
この町に人が来るようになったら、用瀬を好きになってくれる人ぜったい増えるだろうな。
だから町内に工房を構えることは僕にとっては自然の流れだったのです。
もっとたくさんの人が来るようになったらいいのにという想いはありつつも仕事以外では表立った
活動はしていなかったところ、3年ほど前からかな、町の気運が少し変わってきたように思えたのは。
町の人から町内を盛り上げたいという話が持ち上がって僕自身もそういった活動に参加する機会が増えるようになっていった。
そんななかですよ、用瀬に激震が走ったのは。
「川のhotori用瀬」のオープンと環境大生の移住。僕にとっては事件でした。
用瀬に今までになかった人の流れができる。そしてできた。
町民自体が半信半疑だったのに軽く成功させてみせた。
なんて素晴らしい!
そこには苦労もあったはずなのに、そんなことものともせず彼らは次のステージに進もうとしている。
用瀬町民が自信を持ってオススメできる名物「アンコロマンジュウ」ができる。
僕が東京の実家に帰省する際に持っていける地元産の手土産。
それが降って湧いたものではなくて100年前の地元の名物の復刻。
夢のある話だ。
僕らが主催するイベントは町外の出店者が用瀬に宿泊してこそ意味がある。
用瀬で体験したことを、それぞれの地元に持って帰って新たな出店者を誘って来年またきてくれる。
この流れを作るためには宿泊する施設は必須だったのに、それを大学生がやってくれた。
なんなら長期滞在での制作も可能になった。アーティストも呼べる。
夢のある話だ。
彼らがやろうとしていることは、この町に必要な経済活動の第一歩。
僕らがやろうとしていることは、その経済活動ができる土壌を作り面白そうな人を呼び込むこと。
この町はいろんなことが良い方向に転がり始めていると勝手に感じている。
これからは地方だ。今用瀬がすごく面白い。