バングラデシュ、コックスバザールでは、6月21日現在、2,053件の新型コロナウイルスの感染例が出ており、うち難民キャンプでは45例の感染、4名の死者が出ています(Rohingya crisis - WHO Bangladesh situation reportより)。
コックスバザール難民キャンプで医療を提供する、リアル先生、パルヴェス先生にインタビューしました。
■新型コロナウイルス感染症の流行により、あなたの仕事に何か影響はありましたか?家族や近所の人々、コミュニティに何か影響はありましたか?
新型コロナウイルス感染症の流行により、私生活、社会生活は妨害されました。今、私たちは今まで通り人々と関わることができません。また、私たちは移動の制限により、様々な場所へ移動することができません。
このことが、仕事にも影響しています。私たちは、患者さんの心身の健康に悪影響を及ぼさないよう、一度の受け入れ人数を制限し、距離も保ちながら、たくさんの仕事を限られた時間に詰め込まなくてはなりません。
私たちは、自由に自分の近所の人々やコミュニティの人々そして家族にすら、会うことができません。コミュニティの人々は、私たちから新型コロナウイルスを移されることを恐れ、私たちを引っ越させようとしたり、また私たちの移動に制限をかけてきたりします。難民キャンプの近くの受け入れ地域でも、同じような圧力を私たちにかけてきます。ソーシャルディスタンスとともに、心の距離もつくられてしまっています。新型コロナウイルスにより、日々のお給料が大幅に減った人々もいます。みな日々の生活はコロナのせいで妨害されました。
■自分が新型コロナウイルスにかからないか不安ですか?
はい不安です。私はマスクや防護服を身に付けています。しかし、毎日診ている膨大な人数の患者さんや難民キャンプの環境、多くの移民の流入などにより、いつも人々と適切な距離を保つことはとても難しいです。私たちは、新型コロナウイルス感染を拡大させてしまうかもしれないというリスクを背負っています。
私たちは、医療従事者であり、毎日たくさんの人々を治療しなければなりません。もし、私たちが病気にかかっていたら、ほかの人々に病気を移す大きな機会を作ってしまいます。また、もし私たちが病気を移されたら、毎日の診察が必要な体の弱い人々も診ることができません。新型コロナウイルスに対する診察や治療は、私たちの国の今の医療体制では不可能であり、またコロナに感染しているかどうかを検査することも難しいです。そのため、多くの人々は自分が新型コロナウイルスにかかっているのかどうかもわからないまま亡くなります。もし私たちがコロナに感染しても、自分たちの運命がどうなるのかわからないのです。適切な処置を受けられず亡くなった医師もいます。それでも、私たちは適切な治療計画を維持し、自分たちの医療システムからサービスを提供し続けなければなりません。
■必要な物資は足りていますか。
いま私たちは、支援を受け取り、マスクや防護服、その他の衛生用品はあります。でも、長く続けば、それらは、いつかは不足してしまうでしょう。
■感染拡大の中、医療を続けるためには何が必要ですか?
どんな事情があっても、医療は続ける必要があります。私たちは、保健施設の待合室で、一度に5人から8人以上の患者さんが居合わせないようにして、患者さんとのソーシャルディスタンスを保っています。また、十分な衛生的な用品や石鹸、消毒液がそこで利用できるようにしてあります。
■新型コロナウイルスについて、人々に知ってもらいたいこと、または理解してもらいたいことは何ですか?
私は、人々に新型コロナウイルス感染を防ぐための意識を高め、必要な予防策をとってもらいたいです。
----------------------------
現在40%に到達しました!
たくさんのご支援ありがとうございます。
感染拡大する難民キャンプでは、今もリアル先生とパルヴェス先生のような最前線で闘う人々がいます。
彼らを支えるためにも、どうか「プロジェクトを支援する」から応援をいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします!