2020/07/15 12:00

山頂と太郎坊で観測すると同時に、大気の鉛直構造を調べるために気象要素の鉛直分布を測定することがあります。太郎坊でヘリウムを充填したゴム気球に気象ゾンデを吊るし放球します。気球の位置をGPSで測定し風向・風速を求め、気温・湿度・気圧と一緒にデータ信号を送信し、地上で受信します。

2007年8月6日から8日にかけて3時間毎に14回放球しました。山頂と同じ高さの気温を山頂の値と比較したところ、日中はほぼ同じでしたが夜間は山頂の方が数℃低くなりました。このときは快晴でしたが別の年に観測した曇った夜には気温の差は見られませんでした。夜間の放射冷却により山頂の気温が下がったものと考えられます。

観測は他機関の研究者や学生と交代で行いますが、観測の合間にいろいろな話をしたり、星の多さに感動したりするなど得難い経験をすることができます。今年は山頂で観測できないので、ゾンデ観測もやりません。