この報告は7月28日に掲載した国立環境研の報告の(その4、最終回)です。
国立環境研究所は旧富士山測候所に大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を測定する装置を設置し、山頂周辺の大気中CO2濃度をモニタリングしています。
大気中の二酸化炭素濃度を測定するためには、大気採取口を野外に設置し、大気を測定機器に引き込まなければなりません。冬期の野外は、低温・積雪・強風の環境下にあるため、容易に大気採取口が凍結してしまします。それを回避のために、旧測候所用に建設された貯水タンクとその貯水タンクを保護する雪囲いの間に大気採取口を設置しています。
一方、屋内である旧富士山測候所も空調設備が稼働していないため、冬期の室温は氷点下20℃程度になります。CO2濃度を高精度に測定するためには、測定機器周辺の気温を一定にする必要があります。そのため、私たちは測定機器を断熱材で覆い、それを保温容器に入れ、さらに保温庫を断熱材で囲っています。
これらの対策により、日々、大気を測定機器に引き込み、安定的に高精度にCO2濃度の測定を実施しています。