こんにちは!
私は越前海岸盛り上げ隊の長谷川陽子と申します。夫の長谷川渡と一緒に、福井市鮎川町(国見地区)で、ワタリグラススタジオという吹きガラスの工房をやっています。住まいは、そこから車で5分くらいの主人の実家(大丹生町)で、同居をさせてもらっています。
私の出身は大阪府の高槻市というところなので、一応、都会から田舎に嫁いできたような体裁になっていますが、実際は、いろいろな田舎のガラス工房を転々とした後のことなので、自分の意志でここへ落ち着いたという感じです。それを説明しようとしたらすごく長くなったので、今回は割愛して、越前海岸(とその周辺)のなにがそんなに素晴らしいのかについて、他の人が散々言っているにも関わらず、また語ろうと思います。
これも他の人の記事で語りつくされていることですが、越前海岸は環境はもちろん、人も素晴らしいです。
私は大阪出身なので、おもしろさにはそれなりに、独自の見解を持っています。関西人はおもしろいと言われがちですが、それは会話を活性化させる技術を持っている人が多いという意味で、人の個性のおもしろさとはまた違います。越前海岸の人はおもしろい。盛り上げ隊に入っているひとも、入っていない人たちも、うちのワタルさんも、みんなキャラが立っていて、本当におもしろいのです。
一応関西人としてそのおもしろさを考察してみると、シンプルに、その人の人となりがストレートに表れているせいだと思います。そしてそれには、コミュニティのサイズが関係しているのではないかと思っています。ひとつひとつのグループのサイズが小さいので、みんなの個性が際立つのです。30人くらいのグループでは地味に見え、埋もれてしまうような人も、7,8人くらいのグループのなかでじっくり向き合ってみると、たいていみんなどこかおもしろく、なにかしら得意分野があり、それがものすごく輝きだすこともあります。
また、このあたりの人たちは、海や山などとの距離感が近く、表面的な人間関係に揺さぶられないところがあり、町出身の私は話していてハッとさせられることがあります。
うちの主人のワタルさんは盛り上げ隊の隊長をしていますが、いまや有名な「魚屋の喰い処まっ田」の枩田さんは副隊長をしています。この二人は、越前海岸盛り上げ隊の「陰と陽(ワタル自称)」なのですが、本当に見た目、性格、役回りすべてそんな感じです。枩田さんは体も声も大きく、雄弁で存在に華があります。ワタルさんは大体その逆を行く感じで、標準体形で声は小さく、口数も多くありません。本来は裏方や黒幕をやっていたい種類の人間です。
けれど、この二人から盛り上げ隊は発祥し、その後仲間がたくさん増えたとは言え、いまも隊の両輪となって隊の運営を引っ張っている、なくてはならない存在です。ガラス作家と魚屋なので、ベースの考え方も、企画の立て方進め方も、全然違います。その差異こそが大切で、共生や多様性という理念に繋がるのだと思います。
これが盛り上げ隊の原動力であるし、地域活動にも欠かせない考え方です。地方では、そこが限界集落に近づいていればその分だけ、人材不足は当たり前だからです。いまいる人を、余すことなく活用して初めて、地域活性ができるのではないかと思います。
盛り上げ隊はその多様性を体現することができると私は思っています。盛り上げ隊の会議は本当に全く予定調和ではなくて、意外な人から思いがけない意見が出たりと、「これぞ会議の醍醐味」という言葉が浮かぶほどおもしろいです。その差異を面白がれるキャパシティが、盛り上げ隊の真骨頂です。
偉そうな考察ばかり書きましたが、私自身はというと、生来の怠惰さと戦いつつ、この豊かな環境を満喫しています。子育てと仕事はそれなりに忙しくて(義両親にもめちゃめちゃ頼っています)、自分のものと言える時間は少ないですが、今まで生きてきたなかで今が一番自由な気がしています。それは自営でものづくりをしていること、そして盛り上げ隊というプラットフォームがあるせいでしょう。自分の思いつきを形に練り上げ、直接お客さんに提供するというシンプルな仕事は、思った以上にストレスフリーで、私は今もこの仕事に携われているのをうれしく思います。
というわけで、いまさらなのですが、昨日ワタリグラスはリターンの種類を追加しました。「盛り上げ隊風鈴」と「ソルティドッグ用カクテルグラス」と「クラゲのライト」です。風鈴とカクテルグラスは今回のためのオリジナル、ライトはいつも作ったらすぐに売れてゆく、常時品薄の作品です。
長いと思っていたクラウドファンディング期間ですが、いつのまにか残り十日を切り、長い梅雨が明けたと思ったらいきなり8月になりました。この夏のオウチ時間を乗り切るために、ワタリグラスの手作りガラスはいかがでしょう?
クラウドファンディングのラストスパートに向けて、ぜひご支援をお願い致します!