はじめに・ご挨拶
南青山のギャルリーワッツのスタッフ山本詩野と夫の山本美賢です。
2020年7月2日にギャルリーワッツのオーナーであり、実は母でもある(仕事場では凛とした空気を保つため特に公にしておりませんでした)川崎淳与が主婦の友社より「80の今が最高と言える」という書籍を発刊いたしました。
20年以上にわたりギャラリーで紡いできたエピソード、川崎淳与が考えるアートのある暮らし、歳を重ねるということなどに触れた1冊です。ワッツに携わった方々のメッセージや、川崎を東京の母と慕ってくれる歴史家・磯田道史氏の寄稿も。
実は、編集も中盤に差し掛かった4月半ば、体調に異変を感じ、医者にかかると思いもよらぬ「癌」による余命宣告。大病もせずにここまできたのでまさに青天の霹靂でした。
このプロジェクトで実現したいこと
初の入院、手術を経て闘病中、我が家(山本家)で療養しながら書籍のゲラをチェックしたり、さらなる未来の話を語り合ってきましたが、本当にたくさんの方からお花やお手紙など励ましが我が家に毎日のように届き、改めて彼女がどれだけ愛されているか、必要とされているかを感じる日々です。
書籍の最終章に「病を得ても前を向いて生きていく」というページを急きょ追加し、彼女がまだまだ人生を成長しながら歩む思いを綴りました。
とはいえ、一喜一憂の日々を過ごす中で、私たちは、「淳与さんと、淳与さんにエールを送ってくださる、または励ましたいけれどどうしてよいかと思っていらっしゃる方々とを繋ぐ場を作りたい」と考えました。楽しい話題をどんどん増やしていき、やりがいと目標を改めてしっかりと手の届く先に添えたいと思っております。
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「結婚したら妻の母親がなんとも崇高で優しく強く面白い人でした。そんな彼女が大きな試練に立ち向かうことになりました。淳与さん本人も彼女に愛情を注がれてきた人も後悔しないように発信し繋ぐ場にしたいと思います」(山本美賢)
プロジェクトをやろうと思った理由
コロナ禍、出版、まさかの病、ここまでタイミングが重なったのは偶然ではないのでは?と考えています。コロナが突然発生し世界中を混乱させているいま、「自分らしく生きる」ことを改めて考える機会とも思えます。歳を重ねることを怖がらず、「小さなことも感謝して楽しく1日を終えたい。そうでないと生きてる甲斐がない」と口癖のように言う川崎を綴ったこの書籍が、読んだ方の心に刻まれるものになったら嬉しく、そしてSNSやこのサイトを通じて、読んだ方の感想を淳与さんに伝えたい。
また読んだ方々同志が仲良くなり、コロナ禍より再開したワッツがまた皆さんにとって「コミュニケーションの場」にもなってほしいと考えました。ちなみにワッツのロゴは「O2」(輪の倍、輪の二乗)。この場に集まる方々の輪が広がるようにと願っています。
資金の使い道
まずは念願の書籍を皆さんに読んでいただきたい。そして読んだ方々からの感想を、リアルタイムにこのサイトを通じて 彼女に伝えて、元気になる薬にしてほしいというのがあります。
もう1つは彼女が持ち続けている「子どもたちがのびのびと感性を表現し、自分の個性を大事に自分らしく生きてほしい」という願いを込めて、「小さなアーティストプロジェクト」をギャルリーワッツで開催する資金にしたいと考えています。発表の場はもちろんワッツで、個展をしてくれるアーティストの皆さんによる子どもたちへの本格的なワークショップなど実施して「本物」に触れて、秘めた感性をどんどん伸ばしてほしいと考えています。
支援いただいた資金はワークショップに参加してくださる作家さんの交通費、宿泊費用、謝礼にできればと考えています。
リターンについて
書籍1冊、書籍を2冊、皆様には川崎淳与からのメッセージを添えさせていただきます。(体調により個別に手紙をしたためることができませんが、本人の思いをお伝えいたします)
※出版社である主婦の友社様にはリターン品にすることをご了承いただいております。
また「小さなアーティストプロジェクト資金」にご支援いただいた皆さまには、DMやWEBサイトに感謝の気持ちを込めてお名前の掲示をさせていただきます。
実施スケジュール
書籍はプロジェクトが達成次第に随時発送させていただきます。「小さなアーティストプロジェクト」の開催時期は2021年の初旬を予定していますが、こちらのサイトやギャルリーワッツのホームページやSNSでお知らせいたします。
最後に
もしこのプロジェクトに賛同してくださった方は「応援コメント」や「メッセージ」を添えていただけると嬉しいです。一つ一つ励みになるよう、しっかりと川崎淳与に伝えます。
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。
最新の活動報告
もっと見る11の不思議
2020/08/08 23:48*最後のエピソード*7月も後半になったころ、体力がかなり落ちていました。外来の日、点滴を受けながらうとうとしていたとき、「なんだかすごい風景をみたので後で話すからね」、ぼそっと言いました。帰宅したら、「11っていう数字が見えたの」と。詳しく聞くと、人が円のように集まっているところの真ん中から大きく11と書かれたカードが現れたと。「私、11月までしか生きられないのかな……」、そういうあつよさんに、「1や11ってとてもパワフルな数字らしいよ」と以前チラッと聞いた話を言ったら「そうなのね」と少しホッとしたようでした。友人に伝えたら、やはり11はとてもパワフルな数字で、天使がすぐそばで守っているというメッセージだということを教えてくれました。あるサイトによると「11はあなたが人々に光をもたらし、インスピレーションを与えるガイドとなり、人々のスピリチュアルな意識を高める存在になるよう後押ししてくれます」その夜、あつよさんは救急搬送されました。そして、数日後、意識がまだかすかに残る中、病室で神父様に「病者の塗油の秘跡」をしていただき、その夜に神様のもとに旅立ったのでした。別れは辛いものの、私たち家族は、みごとなあつよさんに大きな拍手を送りました。不思議な話ですが、あつよさんらしいエピソードなので記します。 もっと見る
回復祝いにしたいこと
2020/08/08 23:35あつよさんのもう一つのシンボルマークは大きなイヤリング。お休みでも朝起きたら必ず赤い口紅を塗り、イヤリングをつけていました。それはシャキッと一日を過ごすためのちょっとした儀式。そして、イヤリングが無いと顔がぼけると。笑そんなあつよさんですが、「ねえねえ、回復したらお祝いに何したい?」と尋ねたら、開口一番に「ピアスを開ける!」と。実は、耳に穴を開けるのが怖いという臆病な一面があったのです。なので、憧れのピアスを開けることができない。ならばと、娘が高校を卒業したらすぐに「ピアスを開けたら?」と勧めてきたのです。そして、今もまだあるかわかりませんが、竹下通りの裏あたり、ブラームスの小径沿いにあったジュエリー工房に連れていかれて、奥の部屋で私は耳に氷をあててピアスの穴を開けてもらったのでした。35年前の話。回復祝いがまさかの「ピアス穴開け」?!2人で大笑いした後、じゃあ、長さをどうする?大きいの?それともうんとシンプルに?使う石はやっぱりダイヤモンドかなあ?なんて乙女な会話が続いた病院の夜でした。 もっと見る
「THEあつよ」?
2020/08/08 04:47病が発覚した4月から、あつよさんは我が家に滞在していました。息子は似顔絵を1枚描くことをあつよさんを励ますための日課にし、ずいぶんいろんな角度やタッチで描いていました。付き添い入院の頃、1日私だけ自宅に帰宅した日があります。そのときに息子と山さんそれぞれが似顔絵を託してくれました。全く別の部屋で打合せなく描いていた二人が私に差し出したあつよさん!やっぱりこのスタイルは「THEあつよ」なのかな。笑 もっと見る
お話をしているとインスピレーションと意欲が自然に湧いてきてしまう、不思議なパワーと大きな懐を持った方でした。かつて私のデザインするジュエリーは大ぶりすぎてあまりに一般的ではないのではと迷いを持っていた時、川崎さんに作品を見ていただきました。「そうねえ、この倍くらいの大きさにならない?」とコメントしてくださったのを覚えています。その言葉に驚き、私の頭の中の「躊躇ロック」がカチャリと音を立てて外れました。その後はアイディアを出すことが急に楽になったのです。 今年4月、コロナ問題休業中、ワッツに伺えないのでオンラインショップを見ていましたら欲しい器がみつかったので川崎さんにお電話をしました。その時に突然聞かされたのが余命宣告のお話でした。思いもよらないことにただ驚き、まさかそんなことがと、とても信じられない思いでしたのに、、。 それはあまりにも川崎さんらしい最期でした。直前にご本が出版され、クラウドファンディングのプロジェクトが企画され、その中では川崎さんの闘病中そして最期のご様子が詩野さんの素敵な文章で綴られ、それが沢山のかたに大きな力を与えてくださった。本当に見事なご最期でした。 でも、川崎さん、私たちはもう一度会いたいですよー。
淳与さん、旅立たれたのですね。 ご家族で穏やかに見送られたこと、素晴らしいと思います。 「ひとは生きたように死んでいく」という終末医療の先生の言葉を思い出しました。 淳与さんのたましいの平安を心からお祈り申し上げます。
淳与さ〜ん、詩野さんやご主人の綴ってくださる淳与さんの様子を拝読し、ほっとしたり、すごいなあと関心したり、心配したり……。少しでも痛い時間が少なくなりますように、と毎日お祈りしています。たくさんの人がここに集い、応援をお送りできるなんて、これまで淳与さんがいっぱい愛を降り注いでこられたからこそですよね!57年前の結婚式のお写真、美しい! それにしても詩野さんとそっくりで驚いてしまいました。きっとまたお会いできると、その日を楽しみに待っています。おいしいもの食べて、ワインでも飲みましょう!