年に数回お食事をご一緒する感じで、かねてからお付き合いのありました主婦の友社の依田邦代さんが、「川崎淳与」という生き方に密かに興味を持ってくださっていたことから、この本が生まれました。
編集を進めているときにも、「あの時の川崎さんの身に着けていたものが…」とか「あの時の川崎さんが話していた…」とか、時間が経っていても鮮明な記憶を持っていらして、それは驚くほどでした。さすが編集者!と思いましたが、それにとどまらず、静かにきらりと光る瞬間を見逃さない、依田さん自身の キャッチ力のすごさ、天性だと思います。
ご本人の許可を得て、書籍完成とともに届いたお手紙を紹介させていただきます。
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「思い返せば、昨年10月16日にワッツへ伺って「本をつくらせていただけませんか?」と突然お願いしたのでした。
淳与さんの穏やかに驚く顔が忘れられません。それまでも『OVER60』や『グレイへア』の本でお世話になっていましたが、「淳与さんひとりで本を一冊作らせていただきたい」と突き動かされるように熱い想いでお願いに伺ったのでした。
「私でいいの?」とためらいながらも、OKしてくださって本当に嬉しかったです。
それまでも淳与さんの魅力は存じ上げているつもりでしたが、取材を通して知れば知るほど、その奥深さに魅了されていきました。
私もその一人ですが、淳与さんに励まされて勇気を出して一歩踏み出せた人がたくさんいることも知りました。
大人の女性として心から尊敬でき、見習いたいと思いました。どのような運命の巡り合わせか、淳与さんの人生の節目に本を出すことになり、最高に身の引き締まる思いで関わらせていただきました。
あの日から8か月、美しくて、ワクワクして、読むと深い、小さいけれど内容のずっしり詰まった本が出来上がりました。詩野さんの献身的なご尽力にも頭が下がりました。
本当にありがとうございました。 2020.6.24 依田邦代」