御手洗には天保三年と書いてある高燈籠があります。
元々は千砂子(ちさご)波止の先端に合ったものが明治時代に今の住吉神社の参道入口に移動したと聞きいています。
平成三年の台風19号で千砂子波止の先端に建造中の船が衝突し、この高燈籠の代わりに設置していた螺旋階段の灯台は海の中に。
もし移動していなければこの高燈籠に出会うこともなかったのでしょう。
数々の偶然の中で残っている奇跡。
時代の変化の中で取り残された遺物かもしれません。水道、電気、テレビ、車…多くの暮らしの変化がありながら年月を経ても変わらないものが、今の暮らしの中にそっと存在し空気のように共存している面白さが何とも言えません。
そのギャップが他にはない価値であり、可能性を感じるところでもあります。
この高燈籠の表には大きな文字で「太平夜景」と彫ってあります。
建造された時代からすると少子高齢化で夜景も変わりましたが、当時からの文化、暮らしの灯りは続いています。
昔と今が混在するギャップを大切にしながら次の世代に”続いているもの”をバトンタッチできたらと思っています。
今日も曇り空。今はまた雨が降っています。
カラっと晴れた青空と眩しいほどの青い海が待ち遠しいです。