次なる挑戦は映画制作
高名なる映画製作のプロデューサーから映画制作をもちかけられ、次なる挑戦は映画づくりだということになった。これはすでに何年も前から私のなかで懐胎されていて、いくつかのシナリオができているのだ。映画が決定的に輝くのはシナリオであって、シナリオが低品質であったら、もうその映画はB級どころか、目の肥えた鑑賞者には五、六分で席をたたれることになる。最近の日本映画やTVドラマといったらC級映画、D級ドラマばかりで、三十七パーセントの視聴率をとったというTVドラマ・半沢シリーズなど、ワンパータンの最悪ドラマで、日本人の映画やドラマの鑑賞力は地に落ちたものだとあきれるばかりだ。
そんななか「草の葉クラブ」が取り組む第一作は「谷根千物語」である。七編のドラマを七人の映画監督が撮ってつなげていく。たんなるオムニバス映画ではなく、つなぎカットの撮影を行って、短編同士をシンクロさせ、群像劇に仕上げるという過去に例のない手法でつくられる。