先日、〈菊の湯〉Instagramアカウントを開設しました。このアカウントは、今回の銭湯継業に伴い実施した、公募と選考の結果、採用が決まった「湯屋チーフ」、ひかるんこと山本ひかるによる「湯屋日誌」として、ひかるん(と、これから集まる湯屋スタッフ)が投稿、運営して参ります。みなさま、どうぞ、よろしくお願いします。写真は、そのひとつめの投稿に、ひかるんが添えたもの。フリーのイラストレーターでもある彼女は、これまでに縁のあった幾つもの街の地図を描き、その魅力を絵と文章で伝えてきました。最初の投稿は、そんな彼女の「自己紹介」。(〈菊の湯〉アカウントをぜひフォローしていただき、次の「湯屋日誌」も楽しみにお待ちいただけたら、それが何よりも嬉しいのですが、せっかくの機会なので)その全文をここにも転載して、栞日の湯屋チーフ、山本ひかるを、みなさまに紹介いたします。―はじめまして。10月より〈菊の湯〉で「湯屋チーフ」を担当することになりました、山本ひかるです。どうぞよろしくお願いします!少し長くなりますが、自己紹介させてください。生まれは大阪で、幼い頃から自由研究や新聞ばかり書いていて、絵と文字でなにかを発信することがずっと好きでした。大学では「生活デザイン学」を専攻し、琵琶湖の畔の自然豊かなキャンパスで、日々暮らしにまつわるものづくりを学んできました。そのころから民藝に興味をもち、松本は学生時代から何度も訪れている場所のひとつです。大学卒業後は、古い家を改築する施工現場で大工仕事や左官を学び、社内で施工した薪窯のパン屋で、火を焚べパンを焼く仕事をしていました。その期間も、絵と文字で発信することは趣味としてずっと続けていて、退職後はフリーのイラストレーターとして、主に全国各地の街にまつわる絵を描いてきました。その中でも長野県では、たくさんの地図を描く機会をいただき、とても思い入れがあります。ただ、いろいろな街を訪れるなかで、次第に、単に絵を描いているだけでいいのだろうか、と思うようになりました。私の父は、地元で「仙人」と呼ばれています。父は、私が生まれる前から地域活動を生業としていて、街の仲間とともに街を守り、育む活動を行っています。そんな父たちをみていると、観光のためだけではなく、その街の生活のための発信を行いたい、その街の住人のひとりとして、絵と文字でできることを模索したい、と考えるようになったのです。そんな挑戦ができそうな場はどこだろうと探していたときに、今回の〈菊の湯〉プロジェクトのことを知りました。銭湯は、街のいろいろな世代が行き交う、まさに「生活の場」そのものです。しかもそれが、学生の頃から通い続けている松本ならば、これはぜひ!と手を挙げました。自己紹介と称して、個人的な想いを書き連ねましたが、もちろん、まずは銭湯の仕事をしっかり学び、誰にとっても心休まり、ときに心躍る場所を目指していきたいと考えています。これから〈菊の湯〉の番台から、どんな街並みが見えるのかとても楽しみです。不慣れなところもあるかと思いますが、温かく見守っていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします!山本ひかる / 湯屋チーフ―