まいど。NPO法人Reジョブ大阪の中の人です(笑)
このクラウドファンディングは、高次脳機能障害や失語症のある方たちが出演したり実行委員になったりして文化祭を開こう!というイベント資金の一部を集めるためのものです。
遅刻したのは茂木先生
以前、理事長の西村と一緒に、あるトークイベントに出かけました。
脳科学者の茂木健一郎先生と、ルポライターで活躍中に脳梗塞を発症、高次脳機能障害者となった鈴木大介さんのイベントです。私たちは喫茶店でついおしゃべりをしすぎて、開演ギリギリの時間に会場に到着しました。ところが「いやー、遅くなっちゃった」と、茂木先生が後ろから降りてくるのです。
え?当事者とのトークイベントに遅れてくるとは?(笑)
そして空いている席に滑り込んだ私たちと同時に、茂木先生もスポットライトのあたるスツールに腰掛け、トークイベントは始まりました。
鈴木大介さんは、笑いながら出迎え、何もなかったかのようにトークをし、茂木先生の天才特有?の話の速さと展開に追いついているように見えました。
「え?この人、本当に高次脳機能障害があるんだろうか?」
それが、鈴木大介さんに対するその日の率直な印象です。
その後、鈴木さんとはNPO法人Reジョブ大阪の理事として連絡を取ったりミーティングをしたりしているのですが、その日のことを「茂木先生が遅刻して、大パニックだった」と言うのです。にわかに信じがたいほど、落ち着いて見える鈴木さん。でも著書を読むと、生きにくさ、困りごとが書いてあります。高次脳機能障害の複雑さ、個別性をまた新たに感じたのでした。
ルポライターの強み
ただ、やはり強みは消えていないというか、ルポライターとしての表現力があって、とても分かりやすい書物になっています。
私は、もともと鈴木さんの本を読んでいて、特に『最貧困女子』 (幻冬舎新書)(https://www.amazon.co.jp/dp/4344983610)はかなりショッキングな内容を、実際にレポートした臨場感を持って書いていて、読むのがとてもつらかったのを覚えています。高次脳機能障害を負ってからは『脳が壊れた』『脳は回復する』『されど愛しきお妻様』『脳コワさん支援ガイド』を出版していますが、言葉の強さ、的確さ、そして比喩表現力、そして何より思いやりがあります。
今回のクラウドファンディングのリターンに、サイン付きで『脳コワさん支援ガイド』があります。ぜひどうぞ!
明日(10月2日)鈴木大介さんを囲んでイベントがあります!
【今回のテーマ】– 見えない障がい 高次脳機能障害と付き合う –
以下イベント欄より「高次脳機能障害」を聞いたことがありますか?この名前はあまり知られていないかもしれませんが、交通事故や脳卒中の後遺症から来るそうで、どんな人でも直面する可能性のある障害です。この障害は、コミュニケーションがうまくできなくなったり、記憶力が低下したりする障がいです。そして、そのような認知機能が落ちることでこれまで社会生活を送っていた人が、ある日突然これまでと同じ生活を送れなくなります。すると、高次脳機能障害になることで「社会的役割」を失ってしまうことがあります。というのも、「社会的役割」とは、私たちが言葉を使い、体を使う中で築き上げてきた社会の中での役割だからです。職場で、家庭で、地域で、私も、あなたも毎日なんらかの役割をきっと引き受けているでしょう。今、私たちがその役割を担えるのはこれまで通り言葉が喋れて、当たり前のこととしてちょっと前のことを覚えていて、いつもと変わらず感情的になっても冷静にコミュニケーションをすることができるからではないでしょうか?それらの機能が、ある日突然損なわれてしまった時、私たちは社会の中での「役割」も同時に失ってしまうことがあるのです。もちろん、障がいを抱えて生きている人たちが社会的役割を持つことができないという話では決してありません。しかし、高次脳機能障害のように後遺症が残ることで、身体の機能に変化が現れ、認知や言語機能に変化が現れ、これまでの「役割」を失ってしまうことは現実に起きているのです。今回のDialogue Drivenではルポライターで、ご自身も脳梗塞で倒れた経験のある鈴木大介さんをお招きし、当事者の目線で、見えない障がいである高次脳機能障害と付き合い続けていくことについて語っていただきます。
彼の語りを聴き終えた時、私たちはどんな未来を思い描くのでしょうか?是非、ワクワクとした気持ちを持ってお越しください!
詳細・お申込みはこちら
https://re-job-osaka.org/archives/1068
そしてこの鈴木大介さんが今回の「まるっと文化祭」のゲストなのです!当日はぜひ、鈴木さんの生の声、生のお話を聞いてみてくださいね!