what's!? coffeeのビジョンは、
「誰もが夢を追いかけることができるように」です。
障害を持っているから夢は見ることができないという現状は残念ながら普通にあります。
僕は今でこそここまでやってくることができましたが、聴覚障害を持ちながら接客業をやるというのはとても難しいことでした。
スターバックスコーヒーのサイニングストア(手話が共通言語となる店舗)がオープンした際、いろいろなことが言われていました。表向きには福祉的視点として素晴らしい、凄い、おめでたいことだと言われていても、何のために必要なのかわからない、物珍しさに一回だけ行ってみるけど普段は聞こえる所のが良い、そんな言葉もちらほらと、、、
サイニングストアがなぜサイニングストアとしてあえてオープンするのか、
他の障害でも(言い方はよくないかもですが)障害毎にスターバックス店舗があっても良さそうですが、今のところは聴覚障害者に重点を置いた手話がテーマのサイニングストアのみです。
世界で見てもそうです。サイニングストアは日本を含めて世界に5店舗あります。
他の障害でもやりたいという声がスタバスタッフから上がればもしかしたらやるのかも?しれませんね。
聴覚障害者、特に手話を第一言語として生活しているろう者。例え話としてろう者を一旦、障害者であるという認識を忘れて考えてみると分かりやすいです。
日本からインドネシアへ急に転勤しなさいと言われ、仕事をインドネシアでやらなければいけないことになりました。仕事内容は接客で、インドネシア語は話せません。果たしてどんな気持ちで働くことになるでしょうか。
不安とプレッシャーに押しつぶされそうになるかもしれません。インドネシア語が分からないため接客していてもインドネシア人のお客様に「言葉が通じないのかよめんどくさいな」という顔で見られ、他の店員に強制的にバトンタッチされるかもしれません。
頑張って接客用語だけでもできるようになってきましたが、休憩時間も仕事終わりも言葉がスムーズに伝わる仕事仲間はいないので、まっすぐ無言で帰宅します。
休日には同じようにインドネシアにいる日本人と自分の第一言語である日本語で、これでもかというぐらい喋り倒します。
あっという間に終わった休日、明日もまたインドネシア語が飛び交う仕事場に、、、
想像するだけで逃げ出したくなる辛さですよね。いくらポジティブな性格をしていても流石に心が折れそうにもなるでしょう。
ここで大事なのは、「自ら望んでインドネシアに行ったわけではない」ということです。
インドネシア語を勉強したくて自分から行くのであれば全然良いと思います。その辛さも自分の成長のためで、自分で選んだ道なので。
ここで聴覚障害者、ろう者に話を戻します。
ろう者は望んで日本語が飛び交う仕事場を選んだのでしょうか。そうではなくて、スターバックスコーヒーで働きたいという思いから選んだわけであり、日本に産まれた結果、日本語が飛び交う店舗しか選びようがありません。そして勉強したからと言って聞こえるようになるわけではありません。
それぐらい、言語における問題とは大きいものです。意思疎通できないことは喜びも悲しみも十分に分かち合うことができませんし、改善したいことも100%伝えられることはないのです。
だからこそ、サイニングストアが必要なのかもしれないです。
「誰もが夢を追いかけることができるように」とは、本当に世界中の誰もが夢を追いかけることができるようになったとしたら、障害を持っていても夢を追いかけることはできるようになります。
そんな未来が、きてくれたらなあって思います。