こんにちは。プロジェクトオーナーの毛利です。そもそも私がテロワージュ東北を始めようと思ったのは、東日本大震災後に大きな被害を受けてなお立ち上がろうとする生産者の方々を助けたいと思ったのがきっかけでした。中でも被害が大きく先の見えなかった水産業の分野で、輸出という活路を見出し、生産者たちの後押しをしているのが、株式会社ヤマナカの高田社長です。今回、光栄にも高田社長からお声がけいただき、秋保ワイナリーの白ワインを使ったコラボ商品「オイスターパテ」が誕生し、リターン品の一つにさせていただきました。※イメージ画像東北の食を世界の食卓へ宮城県といえば、日本有数の水産県。なかでも牡蠣は広島に次いで第二位の生産量を誇り、特に生食用の牡蠣といえば宮城県と言われています。そんな宮城県でも、高齢化や東日本大震災の影響により、牡蠣生産者の数はここ10年で半減し、衰退の一途を辿っています。しかし、世界に目を向けると、フランスで養殖されている牡蠣は、実は宮城のマガキの種を持ち込んだものであったり、サンフランシスコの魚市場でもMIYAGI OYSTERというブランド名で売られていたりします。(調べてみると1925年以降に宮城県から大量に輸出された牡蠣の子孫である事が分かりました)それだけ、宮城の牡蠣は世界で十分に戦えるポテンシャルがあるのです。さらに、海外に販路を拡大することで、日本の牡蠣養殖のビジネスモデルを変えることもできます。日本では牡蠣を出荷するのは秋から冬にかけてのみ。4〜5月を過ぎると牡蠣は産卵に備えて抱卵してしまうので、食べないのが当たり前とされています。しかし、アメリカやヨーロッパなどの欧米諸国では、日本のように冬期に限らず、牡蠣は一年中食べられているのです。また、むき身で出荷する文化のある日本では、牡蠣を出荷するまでに非常に手間がかかりますが、海外であれば殻付き牡蠣が一般的です。水揚げしたものを殻のまま急速冷凍して輸出するという方法であれば、生産者の手間も削減できます。そこに目をつけた高田社長は、「MIYAGI OYSTER PROJECT」を立ち上げ、中東や東南アジアに宮城の牡蠣を輸出することに成功し、生産者の所得増加に貢献されています。出会いを積み重ねて今の成功があるこのようにご紹介すると大きな商社のやり手社長のように思ってしまいますが、株式会社ヤマナカは震災の3年前に創業された、水産業界ではいわばベンチャー。高田社長がすごいのは、ノウハウもツテも無いなかで、自分たちで1からプロモーションしてここまでの販路を開拓してこられたことです。現在主力の輸出国となっているベトナムも、はじめはなんのあてもなく、SNSのプロモーションだけで、飲食店向けのイベントを開催するところから始めたというから驚きです。そのイベントには日本から漁師さんも連れていって、とにかくベトナムの人に牡蠣料理をバンバン試食してもらったそうです。ベトナムの人にも自分の生産された牡蠣が喜んでもらえることを知って、漁師さんも自信がついたといいます。震災からの再建途上の時期に、その体験がどれだけその漁師さんの糧になったことかと思います。東北のストーリーを、世界に高田社長とお話しをしていて、印象に残っている言葉があります。ー以前は、北海道ならまだしも、東北なんて海外では全く知られていなかった。東北を説明する時に、「北海道の下ですよ」と言っていたぐらい。それが、東日本大震災をきっかけにTOHOKUのワードが世界で知られるようになった。そして今、新興国であっても、商品をただ買うのではなく、ストーリーに共感して買う時代になってきている。実際に、東日本大震災から立ち上がってきたストーリーに共感して取引してくださるお客様もいる。だから今は、胸を張って”TOHOKU”のブランドを掲げているんだーご自身で地道に出会いを重ねて販路を開拓してこられた社長らしい言葉だと感じています。今回のプロジェクトではテロワージュ東北のストーリーを世界に発信することを目的としていますが、とても勇気をもらえる言葉です。宮城の食材で作ったオイスターパテそんな高田社長が、初めて他社とのコラボレーションで作った商品が、今回のオイスターパテです。牡蠣はもちろん、地元で水揚げされた、生産者の顔のわかるものだけを使用し、秋保ワイナリーの白ワインと、蔵王酪農のバターをブレンドし仕上げています。バケットにのせてオーブンで焼いて食べるのが社長のおすすめだそうです。今回のリターン品では、私が最も合うと思うワインを選んでお届けします。ぜひ、お家でペアリングを楽しんでみてください!応援コメント東北には、一つ一つが個性的で、価値のあるものがたくさんありますが、それらがコラボレーションすることで、より大きな価値を生み出すと思います。このことを知ってもらうためにも、今回のクラウドファンディングのような手法は有効だと思います。プロジェクト達成、応援しています!株式会社ヤマナカ 高田慎司 → WEB
こんにちは、プロジェクトオーナーの毛利です。今回のプロジェクトでは、購入したキッチンカーを伴い、東北の各地を巡って産地ツアーを行います。そして、そのツアーに参加できるチケットはリターン品の一つにもなっています。今日は、3回実施する予定のツアーのうちの1つ、宮城県南三陸町で実施するツアーの内容をご紹介します!元気をもらえる町 南三陸町南三陸町には、秋保ワイナリーからぶどうの苗を持って行って植樹をしたご縁もあり、これまで何度も足を運んだ場所です。訪れる度に復興が進んでいく過程も見ているので、自然と応援する気持ちが湧いてくるのですが、それ以上に訪れる度にこちらが元気をもらっています。やはり、南三陸の人のあたたかさ、「よく来たね」「泊まって行けよ」と迎えいれてくれる、懐の深さがそうさせるのだと思います。私自身にとっても特別な思い入れのある町です。さて、そんな南三陸でのツアーは、このような行程をイメージしています。 7:00 仙台駅集合、バスで南三陸町へ出発。 9:00 南三陸町に到着。漁師さんと合流し、漁船に乗って牡蠣の水揚げを体験。さらに、海中熟成ワインを引き揚げ。10:30 南三陸ワイナリーのぶどう畑を見学。11:30 南三陸ワイナリーを見学。12:00 南三陸ワイナリーの海の見えるテラスでランチ会。14:00 南三陸の復興を象徴する場所「南三陸さんさん商店街」「復興祈念公園」を訪問。15:00 南三陸町を出発し、帰路に着く。17:00 仙台駅にて解散。※上記の行程はイメージであり、実際の行程とは異なる場合があります。みどころ①ASC国際認証取得の牡蠣の水揚げ体験産地ツアーで欠かせないのが、生産者とともに現場を訪れ、そのストーリーを聞くこと。南三陸では、実際に漁船に乗って、漁師さんの話を伺うことができます。海の風や匂いを感じながら、船上で見る漁師さんの華麗な手捌き、そして目の前で水揚げされる新鮮な牡蠣・・・そのアトラクション感はたまりません。実は、南三陸町の戸倉地区では牡蠣養殖のASC国際認証を取得しています。ASCとは、海のエコラベルと言われており、環境に配慮した漁業を行っている漁場を認証するものです。南三陸町の漁師さんは、震災後にこれまでの漁業のやり方を見直し、養殖棚の数を3分の1に減らしました。その結果、湾内の環境に負荷をかけることがなくなり、1個1個の牡蠣に十分に栄養が行き渡るようになったため、これまでの3分の1の養殖期間で、品質の良い牡蠣がとれるようになったのです。もちろん、震災で多くの被害を受けながら、新しいやり方に挑戦し、実際に成果が出るまでのストーリーは、一口では語り尽くせないものがあります。それらを聞いた後に食べる牡蠣は、また違った味わいになることでしょう。みどころ②魅惑の海中熟成ワイン南三陸ならではの体験が、この海中熟成ワインの引き上げです。ワインは一定の温度の中で熟成させることでよりまろやかな味わいになるのですが、海中では、波の微妙な揺れにより、熟成が早く進むと言われています。南三陸では漁師さんのご協力を得て、特別にワインを海中に沈めてもらっています。美しい志津川湾の海中で、波に揺られながら熟成されたワイン・・・。なんだか、神秘的な感じがしませんか?また、引き揚げたボトルはフジツボなどの生物が付着し、まるで海賊船から発見したようなワイルドな姿になっていて、一層好奇心がそそられます。もちろん、引き揚げたワインは後のランチで味わうことができます!みどころ③今年オープンしたばかりの南三陸ワイナリーを訪問そして、みなさんにぜひご紹介したいのが、今年の10月にオープンしたばかりの「南三陸ワイナリー」です。代表の佐々木くん、栽培醸造責任者の庄司くんは、2年半秋保ワイナリーで共に作業をし、巣立っていった同志です。”漁港のすぐ傍に海の見えるワイナリーをつくり、南三陸で生まれたワインが志津川湾の豊かな海産物や山の恵みとつながる。食とワインを通して人と人とがつながり南三陸とつながる。多くの“つながり”をつくり続けることが人々の豊かさにつながることを願い、南三陸ワイナリーはスタートしました。”(南三陸ワイナリーWebサイトより抜粋)この創設の思いは、テロワージュ東北のコンセプトとも共鳴するものです。今後もお互いの目指す未来を実現するために支え合っていきたいと思っています。ツアーでは、キッチンカーを活用して地元の料理人の方に腕を振るってもらう予定です。山と海に囲まれた南三陸町は、海産物はもちろん、農産物にも、それぞれこだわりをもった生産者がいて、食材が豊富なのが魅力です。海が目の前という最高のロケーションで味わう南三陸の料理とワイン、最高のランチになることは間違いありません。その土地の魅力が凝縮される産地ツアーいかがでしたか?実際のツアーがイメージできましたか?仙台から日帰りという短い行程ではあるのですが、その土地の風景、食、人、文化がぎゅっと凝縮して体験できるのが、テロワージュ東北の産地ツアーです。南三陸の他にも、いろいろな地域でこのようなツアーを行い、ストーリーを伝えていけたらと考えています!
こんにちは、プロジェクトオーナーの毛利です。今日は、リターン品のひとつにもなっている、自社秋保農園ワインについてご紹介します。秋保ワイナリーの建物の周りに2ヘクタールにわたって広がるぶどう畑が、自社秋保農園です。2014年、まだジャングルのようだったこの地を、文字通り「開墾」するところから、秋保ワイナリーの歴史は始まりました。それは、現在においても秋保ワイナリーを支えてくれている、「ボランティア」や「ファン」といった言葉では足りない、「同志」とも言える仲間との歴史でもあります。多くの人に助けられてできた農園2014年当時といえば、ワイナリーを軸に食とツーリズムでにぎわい創出をやるぞ、という壮大なプランはあっても、まだワイナリーの建物もなければ社員もいない状態です。純粋に人手としてのボランティアを必要としていました。そんな時、三菱商事の復興支援財団に支援していただけることになり、三菱商事グループやその関連会社の社員の方々にボランティアに来ていただきました。山だったところを農地として整備していくわけですから、木枝を伐採したり、地中に埋まった木の根を掘り出したりと重労働です。しかし、私が語る夢にみなさん賛同してくださり、「ここから東北の新しい産業が生み出されるんだ」と明るく作業してくださったのを覚えています。この時に足を運んでくださった方々は、会社としての支援活動が終わったあとも、2ヶ月に1度くらいのペースで車を乗り合わせて訪れてくださり、雑草取り、収穫などの農作業から、仕込み、瓶詰め、ラベル貼りといった製造に関わる作業まで一緒に行ってきました。その他にも、東京での物産イベントなどがあるときには、一緒に販売をしてくれたり、知り合いの飲食店を紹介してくれて、実際にそのお店でワインを使ってくれるようになったこともあります。まさに、一緒にワイナリー作りをしているような感覚です。彼らにとっても、秋保という土地が第二のふるさとのようになってくれているようで、それもまた嬉しいことです。ワインを通じて人の輪が生まれる現在でも、収穫の時期には大々的にボランティアを募り、みんなでぶどうの収穫を行っています。作業後には芋煮やBBQを行って労をねぎらっています。その場で初めて会った人同士が仲良くなったり、毎年その時に再会する人と同窓会のような雰囲気になったりと、ワインを介して、温かい人の輪が生まれているのを感じています。ワインの魅力の一つに、同じ農園でとれた同じ品種のぶどうで仕込んでも、年によって味が全く違うという点があります。ぶどう作りから関わってくれた仲間たちと、「今年のワインは〇〇だね」と言い合いながら、その年の新酒を飲むのが、本当に幸せな瞬間です。ようやくできた自慢の一本ぶどうは植樹してから収穫まで最低3年はかかる作物です。秋保農園のぶどうはまだまだ若木なので、これまではあまり生産量がとれず、ワイナリーの売店でグラス売りを中心に販売するのみでした。今年、ようやく納得のいく質と収量を得ることができ、晴れて2020年の白の新酒を、このクラウドファンディングのリターン品としてお届けすることができるようになりました。また、赤は2018年に仕込んでしっかり熟成させたものをお届けします。多くの方が汗を流し、思いを込めて完成した自社秋保農園ワイン、ぜひ味わってみてください!