高齢者人口の増加により拡大が予想される高齢者/介護関連製品・サービス市場は、2025年に9,254億円で、その中でも規模が大きいカテゴリーの一つが、高齢者リハビリテーション関連となっています。介護保険では自立支援や重度化防止による介護給付費の抑制が急務であり、リハビリや機能訓練が重要視されていることから、今後も順調な拡大が予想されます。
他に注目されるカテゴリーとしてフレイル関連がありますが、栄養と運動の2要素の改善で予防が可能とされており、日本老年医学会がフレイルの概念を提唱し、対策の重要性を広めています。高齢者リハビリテーション関連とフレイル関連を合わせた市場規模は、2018年において約3,000億円でしたが、2025年には約5,000億円と大きな拡大が予測されています。
2020年度の社会保障関係予算のうち、医療・介護分野における予防・健康づくりを自治体に取り組ませるための交付金は、700億円増額され1,400億円となっており、介護における保険者の予防・健康インセンティブの強化を図る観点から、地方自治体における予防・健康づくり事業を後押しする方向にあるとうかがえます。
しかしながら、厚生労働省の介護施設・事業所の経営動向を探る調査(経営概況調査)からすると、制度改定により、2017年から2018年の介護事業における全サービスの収支は悪化しており、経営環境がより厳しくなってきています。加えて、来年度の改定で訪問看護リハ職の報酬引き下げが検討されています。
つまり、市場が拡大し、リハビリや機能訓練が重要視されていても、介護給付費の抑制は急務で訪問看護リハ職の報酬引き下げもあると言うことです。であれば、私たち事業者は何をしていかなければならないか。それは、やはり保険外での収益源を経営努力によって自ら作っていくほかにありません。