あしなが育英会は、東日本大震災直後の「特別一時金」の給付や、各地でのプログラムを開始してからこれまで、東日本大震災で親をなくした子どもとその保護者とあゆみを重ねてきました。今年の3月で震災から10年が経過する今、作文集『お空から、ちゃんと見ててね。』を発刊することとなりました。
震災から3年の間、本会のレインボーハウスのプログラムに参加された小中学生の子どもが執筆した作文を掲載しています。加えて、現在18歳~24歳になり、学生や社会人として大人への道を歩みつつある遺児のインタビューや、書下ろし作文も寄せてもらいました。
インタビューの中で語られた「人生を歩き出す準備が整った」という言葉からも、紆余曲折しながら、将来への希望をそれとなく見出せるようになってきた土台作りの様子が見てとれます。
また、昨年の秋に小中学、高校生となった子どもたちから寄せられた「周囲の人に宛てたお手紙」や、職員や保護者のコラムからも、それぞれのあゆみが伝わるものとなっています。東北レインボーハウスの職員を中心に、子どもたちとのやり取りを重ねて「心の軌跡」を手にとれる書籍に仕上げることができました。
震災当時、母親のお腹にいた子どもは、今年の4月で小学4年生となります。
時間の流れに驚くと同時に、まだまだ震災は遠い過去でないこともわかります。
世間は「10年」と数字で区切りをつけられたとしても、遺児家庭にとって震災とそれに伴うグリーフ(喪失体験による寂しい、愛おしいなど様々な想い)は、これからも人それぞれのペースにより現在進行形で向き合い続けていくもの。それは震災から20年たっても、30年たっても、変わらないでしょう。
必要である限り、いくつになってもレインボーハウス、そしてあしなが育英会が、震災遺児にとっての心の拠り所でいられたらと思います。また、これから起こりうる災害で、誰かが大切な人をなくしたとき、この作文集に綴られた言葉がその人の支えになれたらと願います。
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