できたてのオリジナル新作こけし3体をメンバーにお披露目しました。
初めに佐々木こけし工房に集まり制作状況を見てもらいました。そのあと弥治郎こけし村へ行き惟喬親王(これたかしんのう)神社をお参り。お昼はきちみ製麺の光庵で白石名物の温麺(うーめん)を食べて、大河原町の裏庭あとりえを訪問してÜ-OILを広葉樹林につかう良い方法を話し合いました。
これまでにない塗料との組み合わせをどのように仕上げていけるか乞うご期待です。
伝統こけしで主に使われている塗料は食紅などの染料なのですが、色の種類が少なく、退色が進みやすいなどの悩みがあるのだそうです。特に紫は消えていくのが早いので、明るい場所には置いておくことは推奨できません。佐々木功工人の新型こけしは別の塗料に換えて彩色されています。
自分が自動車会社において技術者として経験したことのある色の選び方の難しさが思い出させれました。デザイナーが「カラスの濡れ羽のような光沢のある黒」を指定したことがありました。塗料メーカーは希望に合いそうな調合を試みますが、車体には鉄板もあれば樹脂も使われていています。さらには塗料を塗布する方向(横からか上からかなど)でも色見が微妙に変化をしてしまうので、均一性と再現性を保つのに工夫を重ね、妥協できるレベルまでもっていくのは大変な作業でした。
今回のオリジナル新作こけしでもこれに似た過程を踏んでいます。まずはキャッツこけしの彩色で使われた「薄墨(うすずみ)」を試してみたのです。理想の色の濃さになるには何体も塗ってみなければなりませんでした。一品ものであればこれでも良いでしょうが、安定して量産するためには向きません。薄墨の品のある色を再現性よく表現するための手段として選んだのがÜ-OILです。この染料の良さは自然塗料であることです。功工人が何度も塗り方を工夫したことにより薄墨と同じように木目の模様(杢と呼びます)を鑑賞することが可能になりました。
これまでは木肌が白いことで色見がよくなるため科学薬品で漂白されることも。しかしながら人体に良くないため使いたくはありません。木肌を守れて滑らかな感触も得られるÜ-OILの良さについてはこの後もお伝えしていければと考えております。