はじめまして。「反貧困ネットワーク・新型コロナ災害緊急アクション」事務局長の瀬戸大作と申します。
「反貧困ネットワーク・緊急コロナ災害アクション」は、コロナの影響で「仕事を失う」「住宅を失う」「大学に通えない方が増える」などの状況を踏まえ、貧困問題を解決するために活動する複数の団体により結成されました。
4月の緊急事態宣言以降、私達はコロナ禍で困窮された方への駆け付け型の緊急支援、安定した住まいを取り戻すための伴走支援、中小の連携団体が支援活動を継続するための中間支援を、現在まで継続しています。
困窮される方が増えると予想されるというこの年末年始に向けても、私達は現状の支援をより強化・継続していくため、このたびクラウドファンディングを始めます。
私たちが4月から連携団体と共に開設した緊急相談フォーム。
そこから寄せられる「住まいがない」「所持金がない」などのSOSは、12月まででのべ385件にも及んでいます。
そのほとんどが「今・すぐに」対応が必要な状況で、昼・夜問わずスタッフ総出で駆け付け、緊急宿泊費や食費のお渡し、必要に応じて生活保護の申請同行などを継続しています。
そして今現在も、SOSは止まりません。
SOSを出される方々の全体的な傾向として、直前まで普通にお仕事をされていたにも関わらず、コロナの影響でそれらを失い、あるいは減らされ、困窮状態におちいった比較的若い方が多いといえます。
これらの方々は「今、はじめて」住まいを失ってホームレス状態に陥っており、公的な相談窓口を知らなかったり、民間の支援団体がおこなう炊き出しや相談会にいくのをためらったりする傾向が強く、ためらった挙げ句真夜中近くにやっとSOSメールを送って下さる方も珍しくありません。
従来型の支援体制ではこぼれ落ちてしまう困窮された方が相当数いるのではないか。私達がこの駆け付け型の支援体制を継続する理由もここにあります。
急行したスタッフがSOSを送られた方とお会いし、ご状況を伺い宿泊費などをお渡ししたあと、ご本人の希望に寄りそいながら生活保護の申請同行を含む継続支援をおこなっています。
そこで利用するのは、連携団体が運営する個室シェルター。不安で寒い路上から、暖かなお部屋へまずは移っていただけるよう体制を整えています。
個室シェルターは4月以降ニーズに応じて増やしていき、現在55室が稼働中。ほぼ満室状態です。
そもそも東京都が、このような居場所を失った方へビジネスホテルを用意・提供しているはずなのですが、その窓口へお困りの方がお一人で尋ねていっても、様々な理由をつけてホテル提供をせず、追い返すという状況も頻出していました。
また、新宿区で無事にホテルに入れた方が、滞在期間を延長できるにも関わらず区がそれを伝えず、退出させるというひどい対応も明るみに出て、連携団体が東京都へ申し入れをおこないました。
こうした背景もあり、私達は独自の個室シェルター活用と並行して、生活保護申請のみならずホテル利用申し込み時にもスタッフによる同行をおこない、また生活保護決定後にはアパート探しの伴走支援もおこなっています。とはいえ、コロナ禍で困窮された方は増え続けており、単一の相談体制だけで受け止めることはできません。現在も大小さまざまな支援団体が各地で支援活動を続け、社会を支え続けています。
一方で、彼らの活動費用は必ずしも潤沢とはいえない現実があります。
このような認識から、私たちは連携団体が各自の持ち場で憂いなく支援活動を続けられるよう、彼らが相談者へ渡す緊急宿泊費の負担や、相談会立ち上げに対する助成をおこなってきました。
特にコロナ禍では、もともと公的支援から遠ざけられていた方がより困窮度を増しており、その代表格が日本に住む外国籍の方々です。また、これらを支える支援団体もけっして大規模とはいえません。
この社会課題を解決する一助として、私たちは外国人支援に関わる複数の団体と協力しながら11月にワンストップ相談会を開催。120世帯・約300人が相談に訪れ、必要に応じて彼らに食料品や現金をお渡し。
それらの費用についても拠出しました。
複数の団体がそれぞれの強みを持ち寄って、コロナが影響を与えたさまざまな社会課題解決にあたる。
それが単体ではない、ネットワーク体としての私たちの強みです。
そして年末年始。例年、日雇いなどで生計を立てている方の仕事がなくなったり、公的機関の窓口がお休みのため公的支援に繋がれない方がたくさんいらっしゃいます。
特に本年は、社会状況からそのような方々が相当増えると予想され、現在までの支援体制をより強化した枠組みが必要であると考えました。
同様の体制として、昨年度は「年越し大人食堂」という相談会を開催しました。
今年は、昨年度のような食堂的な食事提供は叶いませんが、感染症対策を十分におこなった上で、同等の相談会・相談体制を実行します。
今回のクラウドファンディングは、その年末年始の相談体制および年明け後も支援を継続していくための費用のお願いとなります。
まず具体の体制として、閉庁期間中に新たな相談支援の現場を作ります。
12月31日(木)・1月1日(金)・1月3日(日)の3日間、場所は池袋(31日)と四谷(1日と3日)を予定しています。
本相談会は、認定NPO法人ビッグイシュー基金やNPO法人POSSEとも共催の形でおこなう予定です。
配食と共に生活相談や労働相談、必要に応じての緊急支援費などのお渡しや東京都が用意するとしているホテルへの同行などもおこないます。
(感染予防対策は協働団体医師監修のもと、万全の体制でおこないます)
また、現在実施中の緊急相談フォームからのSOS受け付けと対応も継続します。相談会に来られない方の受け皿として、必要に応じて個別に緊急出動を実施し、誰も路上へ取り残さないよう体制を作ります。
また、複数の連携団体が年末年始の相談会やその後の継続支援体制を作っています。
それらの団体へ、相談会の実施費用の一部助成や、各地の相談会へ相談に来られた方への緊急支援費用を負担をおこないます。
上記3つの体制で、誰も取り残さない年末年始を実現します。あらためて、ご支援いただきましたお金の使い道については、下記を想定しています。
・年末年始の特別相談会の実施費用(相談者へお渡しする宿泊費や食費も含む) 約50万
・6日間のうち相談フォームなどからご相談があった方々の緊急支援費用 約40万
・連携団体の相談会および緊急対応の実施費用(相談者へお渡しする宿泊費や食費も含む) 約40万
・年末年始に支援へつながった方への継続支援。および年明け後の支援体制の費用 約70万
詳細な使途については、支援終了後、会計報告をさせていただきます。ご支援いただいた方へは、下記リターンを贈らせていただきます。
●3,000円ご支援をいただいた方
・心を込めたお礼のメールをさせて頂きます。
●5,000円ご支援をいただいた方
※3,000円までのリターンに加えて
・本支援の活動報告書を、PDF形式にてお渡しさせていただきます。
●10,000円ご支援をいただいた方
※5,000円までのリターンに加えて
・私たちの活動をご報告する活動報告会にご招待させていただきます。
(時期:4月頃を予定 場所:リアル開催なら新宿近辺。コロナの状況によってオンライン開催を想定)
●30,000円ご支援をいただいた方
※10,000円までのリターンに加えて
・活動報告書にお名前を記載させていただきます。(ご希望者のみ。備考欄にお名前をお書きください)
●50,000円ご支援をいただいた方
※30,000円までのリターンに加えて
・連携団体であるつくろい東京ファンドの活動を中心とした、今現在の生活困窮者支援活動の現場への見学会にご招待させていだきます。
(時期:4月頃を予定 場所:中野および池袋近辺)
●100,000円ご支援をいただいた方
※50,000円までのリターンに加えて
・瀬戸大作と稲葉剛(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)による、現在の貧困問題に関するレクチャーにご招待させていただきます。
(場所は中野および新宿近辺、時期は4月頃を想定していますが、詳細な日程およびオンライン対応も含め個別にご相談可能です)
もし資金が十分に集まらなかった場合でも、年末年始に困窮状態におかれた方々を放っておくことは出来ません。規模を縮小する形で、相談体制を作る予定です。
コロナ禍で困窮された方が急増した本年。
この最中、緊急支援体制を継続していくことは、単体の団体だけではとても不可能な状況でした。複数の支援団体がそれぞれの強みを生かし、それぞれの持ち場で懸命に支援を続けたからこそ、多くの「住まいがない」「お金がない」という状況の方を受け止めることが出来ました。
さらに厳しい状況となるこの年末年始、そしてコロナの収束が見えない来年度に向けても、私達はこうした手厚い支援を継続していきたいと考えています。
この困難に立ち向かうため、どうか皆様のお力をお貸しいただけますよう、お願い申し上げます!
最新の活動報告
もっと見るクラウドファンディング終了!ありがとうございました!支援は続きます!
2021/02/01 20:24お世話になります。「反貧困ネットワーク・緊急コロナ災害アクション」事務局です。2021年1月31日をもちまして、クラウドファンディング「コロナ禍の年末年始、住まいを失う方にあたたかな居所と支援の手を届けたい!」が終了。1365人という多数の方から13,329,702円のご支援をいただくことが出来、おかげさまで現在十分な支援を継続することが出来ております。スタッフ一同、深く感謝申し上げます。現時点での支援状況につきましては、年末年始の緊急相談会および年越し大人食堂などで私達につながった方々のアフターフォローを継続。また、緊急支援フォームからのご相談についても変わらず対応し続けています。特に二回目の緊急事態宣言以降、緊急支援フォームからのSOSは増加傾向にあり、予断を許さない状況です。こうした現場の状況は、これからも継続的に発信していきたいと考えています。どうか今後とも私達の活動にご注目・ご支援いただけますと幸甚です。改めまして、ありがとうございました! もっと見る
【1月7日(火)】緊急支援継続中
2021/01/08 19:58お世話になります。「反貧困ネットワーク・緊急コロナ災害アクション」事務局です。1月7日の活動について、事務局長瀬戸からの活動レポートです。= = = = =今日も**福祉事務所訪問から開始です。今日の目的は生きづらい状況にあり福祉事務所も対応困難で、私が継続的にコミュニケーションを取り続けている若い相談者の今後の支援方針の擦り合わせです。私たちの支援活動の基本パターン(SOS受信➡駆けつけアセスメント➡生活保護申請同行➡アパート入居支援)ですが、相談者の多くは課題を抱え続けています。昨日も年末年始の間に、以前に申請同行した方が失踪していた事が判明しました。最大の問題は、アパート入居した事は良いがコロナの影響で仕事が見つからず、孤独で引き籠り連絡さえとれなくなる事だ。民間支援団体のできる事は限られている。担当ケースワーカーと連絡を密にしながら、相談者が自分のペースでゆっくりゆっくり自律してくれる事を願う。夕方、**福祉事務所からSOS先である**駅に向かう。いつも待ち合わせ場所にしているマルイ前で相談者に会う。所持金は45円 昨晩夜遅くのメールだったので、一晩、公園で野宿させてしまった。建設業で働いてきたが、以前にリウマチと診断され、治ったと思っていたら 傷みだし仕事ができず、家賃 も払えなかった。アパートを強制退去させられ、公園で寝ていたという。もう死んでしまおうかと考えたが、ギリギリ思い留まり、緊急アクションに連絡した。来週に生活HP後申請に同行して、少しゆっくり生活できるようにしょうねと約束した。21時30分に自宅近くから来たSOSで待つ相談者と会う。所持金は30円、日雇いで働きながら3万円の風呂もない暖房もないアパート暮らしている。大学を卒業した時に正規職に就けず非正規で働いてきた。とても礼儀正しい、この方も福島県出身だった、私が9年前に大熊町から避難された方が住む、仮設住宅活動支援で毎週のように訪問していた町の出身だ。この方は大久保公園の相談会に来てくれた。その時に生活保護申請を勧められ、年末年始に考えてくれて連絡をくれた。所持金は千円を切っていた。福島出身の方にはよりモチベーションがあがる。福島原発事故被災者としての苦しみに加えてコロナによる苦しみ、帰る事ができない福島の街の風景と想い出を話しながら、給付金をお渡しした時に泣いていた。「こんなに優しくされた事はありません。」明日、つくろい東京ファンドのスタッフが生活保護申請同行してくれる。 もっと見る
【1月5日(火)】4年間路上から支援へ。全国からSOSが続く。
2021/01/08 17:14お世話になります。「反貧困ネットワーク・緊急コロナ災害アクション」事務局です。1月5日の活動について、事務局長瀬戸からの活動レポートです。= = = = =今日も福祉事務所での生活保護申請同行です。この方は元宅配ドライバーで身体を壊し、東京で4年間の野宿生活、12月19日の全労連主催の日比谷公園の相談会でお会いした。とても人懐っこい笑顔があまりに印象的で「もう野宿は止めようよ。寒くなってきたから、生活保護を利用してアパートで暮らそう。」その時は人懐っこい笑顔を浮かべて給付金だけをもらって立ち去った。12月31日に開催した新型コロナ災害緊急アクションの池袋相談会に再び人懐っこい笑顔を浮かべて私の相談ブースに来てくれた。「今回は生活保護を利用したい。」と言ってくれた。年末年始休まずに生活保護申請を受け付けてくれていた豊島福祉事務所に公園からKさんは歩いて向かった。申請受理日は12月31日となった。提供されたホテルからKさんからの公衆電話「1月4日に福祉事務所に呼ばれています。」人懐っこい笑顔の裏側に隠れた寂しさが解った。生活保護申請に同行するよと伝えた。今日の保護申請同行は、最初からケースワーカー面談、豊島福祉の面談部屋は満室で、受付横の相談ブースでおこなわれた。受付横なので訪問者が次々とやって来る。入ってくるとすぐに怒鳴り声をあげる人もいる。横ではうつむき下を向いたままの女性が座っている。彼女には支援者の同行はない。独りで平気だろうか、今日も人懐っこい笑顔を浮かべているが緊張している。ケースワーカーとの面談ではセオリー通り、成育歴を聞きだす。殆どの相談者に共通する事は、幼少の頃から家族も貧困状態にあったり、家にいるだけで辛い状況にあっていた方が多い、(10代の頃から幸せだった事なんて1度もない)その成育歴を聞くだけで涙が出てくる。ケースワーカーから「扶養照会」の説明、けれど小さい声で「扶養照会は嫌です。」私は親も高齢なのだから扶養なんてできませんよ!と伝えた。扶養照会なしで進める事が合意できた。1月31日までのビジネスホテル宿泊延長も確保、施設や無料低額宿泊所は嫌だと言う。私は頑張って一緒にアパート探そうねと伝える。携帯電話もなく、メールもない。1月末までのアパート探しは大変だけど頑張ろうねと伝えた。人懐っこい笑顔が戻った。NHKニュースウオッチ9での特集「生活困窮者の新年」に私のSOS対応の現場や年末年始の取り組みなどが放映された。12月中旬から毎日のように追いかけてくる担当ディレクターのOさん、最初はどこまで解って取材しいているのか不安だった。クリスマスの夜も大晦日の夜もついてくる。でもOさんは取材を続けて多くの当事者と会う事で学び続け、私も驚く程の内容で放映してくれた。「生活保護は権利」だけども何故、困窮に陥った方々の多くが野宿生活を強いられても頑なに生活保護を拒むのか、扶養照会の事もしっかり取り上げてくれたが、生活保護における様々な制約とその後の「施設収容型」の居宅保護(?)が徹底的に「人間の尊厳」を奪い、「自律」を阻害している重たい現実があるからだ。そして引き下げられ続けた生活保護基準金額、この問題を変えなければ現状は変わらない。今日もテレビ放映後、東京の路上からだけでなく、北海道や沖縄からも悲鳴のようなメールが届いた。支援団体がない地域からSOSをくれた離島の女性とのやり取りを続けて1カ月、電話の窓口で泣いているが声を聞くと少しだけ落ち着くという。生活保護申請時の凄まじい偏見に満ちて高圧的な言動、もう倒れそうな貧困にあるのに仮払いすら1円も出さない。カップラーメンばかりのフードバンクで食つなげと!未払いの家賃で追い出しも迫る。それでも助言すらしない。彼女は生活保護を取り下げたいと言っている。所持金はもうない。彼女がコロナ感染で絶望に陥る前は、弱き人々に支援し続けた人である事も知った。離島でテレビを見てくれていて「涙が出て止まりません。ありがとうございます。」と、、私は「東京においでよ。何とかするから」とメールする。でも感染爆発の東京になんか来れないよね。ごめんね。電話相談会の猪股弁護士を通じて、なるべく近くの弁護士を探してもらっている。何とか生きていてほしい。誰か助けにいってあげてほしい、もうすぐ壊れてしまう。 もっと見る
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