▼TABEBORA留学プロジェクト・スリランカ報告
(ハプタレーの茶園で茶摘みの体験をする様子)
こんにちは、TABEBORAメンバーの西川留充です。9月11日から18日までの8日間スリランカへフェアトレードのリアルを知るため行ってきました。私が見つけたフェアトレードのリアルと、今後私たちがどのように活動に生かしていくべきなのか私の考えを含め書いていきたいと思います。
端的に言って、生産者側であるグリーンフィールド社と私たちの間に、フェアトレードに対する思いのギャップはありませんでした。フェアトレードで紅茶を売り、フェアトレードプレミアムを活用することで子供たちの学業をサポートする、地域をよりよくすることが彼らがフェアトレードをやる理由です。私たちがフェアトレードを啓発するのも同じ理由からです。
(グリーンフィールド社のオーガニック商品)
しかし“最も重要なことは何ですか?”という質問にたいする答えは“オーガニックであること”でした。
フェアトレードが重要でないということではなく、フェアトレードは特別なものではなく、当たり前の取り組みとして行われていたということです。
そしてグリーンフィールド社ではフェアトレードによって得た資金をフェアトレードプレミアムという独自の方法を用い、子供たちの学業のサポートや、地域の環境をよくするために使います。実際にそれで建設されたのがハプタレーの茶園のそばにある“カルチャーホール”です。ハプタレーの茶園ではシンハラ人とタミル人の両方が働いていました。シンハラ人とタミル人は対立していた歴史があります。しかし現在は全くそのようなことはなく、シンハラ人もタミル人もカルチャーアクティビティーは一緒にやるんだとマネジメントのMmanawaduさんは言っていました。このような歴史的背景を持つ地域にとってカルチャーホールは、まさに地域をよりよくすることにつながるものだと思いました。
(カルチャーホールでもてなされ現地の食事をいただく私たち)
フェアトレードは労働者の生活改善と自立を促す運動と説明されますが、それだけでなくなっていると思います。グリーンフィールド社の場合は、地域の環境改善も含まれると思います。フェアトレードにどう取り組むかでフェアトレードの訳し方は変わり、固定的な意味をつけるのは難しいものであると感じました。
また、同時にフェアトレードの可能性を感じました。
フェアトレードを使って得た利益をどこにどのように還元するかは自由です。対象は労働者だけでなくてもよいのだということを今回学びました。
グリーンフィールド社のように地域の環境改善のために使ってもよいし、ほかに困っている誰かのために使ってもいいと思います。必ず誰かに利益があって、その人を少し楽にしてあげられるのがフェアトレードなのかなと思いました。
フェアトレードの利益の還元先が自由だということは今よりもっと手を差し伸べることのできる人の幅を広げることができるということです。
これが私が見つけた一番大きなリアルです。
(ハプタレーの茶園の茶葉)
これらを知ったうえで私たちTABEBORAがこれからの活動でしていくべきことは、継続的に活動していくこと、そしてフェアトレードのリアルを伝え、継続的なお客さんを増やすことだと思います。フェアトレードの効果はすぐに出るものではありませんが、継続していくとその地域のすべての人に平等に恩恵のあるものになると思いました。フェアトレードの難点はフェアトレードを理解し、積極的に買いたいと思ってくださる継続的なお客さんを増やすことです。グリーンフィールド社はフェアトレードを使って地域の人々の環境を良くしようと取り組んでいますが、その商品が届く先の国がフェアトレードに無関心ではうまく機能しないと思います。そこで私たちがすべきことはフェアトレードのリアルを伝え、魅力を伝え、継続的なお客さんを増やすことだと実感しました。
これらのことを踏まえ、日本でのフェアトレードの啓発活動にもっともっと力を入れていきたいと思います。