子どもが描く絵を製品化する
はじめまして、福嶋 大祐と申します。
数ある中からこのプロジェクトページにお越しいただき本当にありがとうございます。
まずはこちらのポーチをご覧ください。
個性的だけどほっこりする、あたたかいデザインだなと私は思っています。
皆さまはどう感じられますか?
このポーチはハンディキャップを持つ子どもの描いた絵から生まれました。
子どもが描いたモチーフをもとにTohe(トーヘー)がデザインし、製品化しています。
小さなアーティストたち
この作品のモチーフを描いたNEM(ネム)くんをご紹介します。
NEMくんは自閉症と身体障害を抱える15歳の少年です。
人との会話や言葉での表現、感情のコントロールが苦手で、ヌーナン症候群という難病も抱えています。
いわゆる「普通の」コミュニケーションは不得手な彼ですが、筆とキャンバスがあれば自分を表現することができます。
言葉にならない感情や自分の見ている世界を、彼は巧みに描き出すことができるのです。
(NEMくんの病状等については今回特別に許可を得て掲載しています)
もう1人アーティストをご紹介します。
このぬいぐるみの元になる絵を描いたDUC(ズック)くん。彼も自閉症を抱えています。
NEMくんと同じように言葉を使ったコミュニケーションは苦手ですが、絵で自己表現する方法を学びました。
彼の才能が周囲に認められた結果、2019年からはToheの専属アーティストとして雇用されており、いまでは自力で生計を立てられるほどになっています。
Toheとの出会い
NEMくんは9歳、DUCくんは16歳の時にToheと出会いました。現在の彼らはアーティストとして職を得ており、個展を開くなどの活動を行っていますが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
ベトナムでは残念ながら、障害は偏見を持って見られてしまうことが少なくありません。
例えば自閉症などの発達障害は、未だに家庭環境に原因があるものとして扱われてしまうことがあります。子どもも「働き手」である貧しい家庭では、障害を持つ子どもは周囲に知られないよう隠して育てられ、養護施設に入った後のケアも十分でないことがあります。
地域や施設によって異なりますが、障害を抱えた子どもたちには教育や医療、ひどいときには食べ物すら十分に与えられないこともあります。
Toheはそんな現状を少しでも変えるために活動を続けています。
Toheは障害を抱える子どもたちに無償のアートクラスを開き、子どもたちの創造性や自由な遊び心を絵や工作で表現する方法を教えています。
子どもたちが描いた絵の一部は、雑貨として製品化し販売されます。その利益は次のアートクラスの運営資金となり、またモチーフを描いた子どもたちに還元されます。
このようにしてToheは2006年の活動開始以来、合計2,500人超の子どもたちに社会参加のきっかけを届けてきました。
この活動がいま、新型コロナウイルスによって継続困難になっています。
障害のある子どもたちの自立を支援する活動を続けるため、どうかご協力ください。
アートクラスで生まれる小さな変化
(アートクラスの様子)
私 福嶋は2019年に、プロボノとして3ヶ月間Toheで働いていました。
ハノイ郊外にある、障害を抱える子どもたちが暮らす施設に初めて行った時のことは今でもはっきりと覚えています。子どもたちの生活の場であるにもかかわらず衛生環境が劣悪であることがショックでした。
ここで暮らす子どもたちに、絵の描き方を教えるだけのToheの取り組みなど無意味ではないかとすら思いました。
ところがアートクラスが始まると、子どもたちは待ちわびていたように教室に集まってきて、心から楽しそうに絵を描いていたのです。
「見える世界を変える。そんな力が絵にはあるのかもしれない」と感じました。
Toheの取り組みはベトナム国内の他地域にも広がり、アートクラスを届けられる子どもたちの数も増えてきていました。
そんな十数年に及ぶToheの地道で順調な、あたたかい取り組みを、新型コロナウィルスは容赦なく襲います。コロナ禍にあって、製品販売は壊滅的な打撃を受けました。
主要顧客だった外国人旅行客がゼロになり、ノベルティグッズのオーダーを受けていたAir AsiaやStarbucksなど大手企業との取引も縮小を余儀なくされたためです。2つの店舗のうち1つは既に閉鎖しています。Toheはいま、かつてない経営危機に直面しています。
Toheの活動は子どもたちの描く絵をもとにした製品を販売することで続けてきました。
子どもたちが生み出すものの価値を信じ、その価値をお金に換えて子どもたちに届けること。それがToheのやり方であり、信念でした。
平時ならばサステナブルで循環的なこの方法が、残念ながらいまは裏目に出ています。製品販売が生命線であるためです。
子どもたちの絵を製品化しその利益で運営を続けてきたToheには、確かな教育力と開発力があります。
いまを乗り切ることができればToheは必ず復活し、笑顔溢れる彼らにしかできないやり方で子どもたちの支援を続けます。
障害のある子どもたちが社会参加のきっかけを掴める。その機会が失われることのないよう、どうか力を貸してください。よろしくお願いします。
リターンのご紹介
リターンについてご紹介します。
今回新たに4つの製品を作りました。一つ一つハンドメイドで丁寧に作ってお届けします。
【小物ポーチ】(1万円) 男女問わず使えるデザインで、防水素材を使用しています。内張は柔らかなコットンです。
【オリジナルエコバッグ】(1万円) 日常のお買い物にちょうど良いサイズのエコバッグ。折り畳みできます。
【ぬいぐるみ】(1万5千円) 小さなお子さんにも安心の、洗濯できるコットン素材を使用しています。
【ファブリックパネル】(1万5千円) 壁掛け、立て掛けいずれも可能です。子どもたちの遊び心をお部屋にぜひ飾ってください。
なお、製品は全て2パターンのデザインからお選び頂けます。
また製品に加えて、ToheのCEOとのミーティングもリターンとして設定しました。製品化ノウハウ、アートクラスの運営手法など、様々なトピックで情報交換する場を設けます。
その他のリターンとして、ToheからのThanksカードに加えて、リモート会議で使用可能なバーチャル背景もご用意しました。
資金の使い道・スケジュール
頂いた資金は、リターンプロダクトの製作費用とアートクラス運営費用に充当します。
リターンの発送は、2021年2月ごろを予定しています。
最後に
Toheで働いた経験を通して、障害のある子どもたちの現実を大きく変えることはやはり難しいのだと痛感しました。
でも「小さく変える」ならできるということ、「すこしよくする」ならいますぐにでも可能だということを、私はToheから、そして子どもたちから学びました。
この素晴らしい取り組みを途絶えさせたくない、途絶えさせてはならない。そう思い、このプロジェクトを立ち上げました。皆さま、どうかご協力ください。よろしくお願いします。
(私は2019年にNPO法人クロスフィールズの「留職プログラム」に参加し、Toheでプロボノとして働いていました。当該プログラムは既に終了していますが、今回はコロナ禍における特例としてTohe及びクロスフィールズと共同で本プロジェクトを実行しています)
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るリターン送付遅延のお詫び
2021/02/26 16:00クラウドファンディングにご支援・ご協力いただいた皆様この度は、本プロジェクトにご支援いただきありがとうございます。リターンについて発送が遅れており、また皆様へのご連絡が遅くなってしまい申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。「お届け予定:2月」とお知らせしておりましたが、リターン品がベトナムで製造されている関係で、コロナウイルスの影響により発送に遅延が生じている状況でございます。リターン品につきましては、3月中旬に発送となるよう順次進めておりますので、ご了承のほど 宜しくお願いいたします。リターンを楽しみにされていた皆様にはご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。 発送の準備が整い次第、改めて皆様にご連絡させていただきますので、いましばらくお待ちください。プロジェクトメンバー一同 もっと見る
【本日終了します】最後に、Toheから教わった「遊び心」についてお伝えします。
2020/12/25 18:11皆さん、初めまして。プロジェクトメンバーの陳と申します。福嶋さんと同じく、私もクロスフィールズの留職卒業生であり、チームの一員として本プロジェクトを進めてきました。1ヶ月間続けてきた本プロジェクトは本日で終わりを迎えます。ここまでのご支援、本当に有難うございます。心から感謝申し上げます!プロジェクト最後の日に、活動を始めた頃の初心を振り返り、この活動を経てToheから教わったことを皆さんにお伝えしたいと思います。ピカソの言葉このプロジェクトに参加したきっかけは、Toheが設立されたきっかけにもなった、ピカソのこんな言葉でした。”It took me four years to paint like Raphael, but a lifetime to paint like a child.”「子供みたいに絵を描けるまで、一生涯かかった」Toheのコンセプトを物語る、私にとって印象深い言葉です。失っていたことに気づいた「遊び心」このプロジェクトは、私と子供が共に成長した3か月でした。4歳の男の子がいる家庭を想像してみてください。(育児中の方は共感頂けるかもしれません)絵具を床にこぼしてカーペットを汚したり、粘土を壁にべたべた貼り付けて、乾くと全然取れない。リモートの会議時、何度も自分のおもちゃをカメラに見せたがる等は日常茶飯事です。Toheと出会う前の自分は大声で叱ったり、手を出して止めたりして、結果として子供が大泣き、大人も一緒に泣きたいぐらい失敗した育児生活でした。でも、今の自分なら、カーペットに絵具を落ちるのはもったいないから、なんか絵を描くかと粘土だけだと面白くないから、レゴブロックも粘土の上に立ててみないかとおもちゃ見せても良いか、何を伝えたいか自分の声で言うてみないかと声をかけるようになりました。Toheから私が教わったのは、子供は小さなアーティストであり、「遊び心」という最強な武器を持っている、ということです。子供の行為に怒ってしまうのは、大人になって、「遊び心」を失ってしまった証拠でした。子供の遊び心を思い出すために、これからもToheが支援した子供が作った絵や工作をToheのFacebookで見てみてください。子供たちの表現から作られた製品を身の回りに置いてみてください。触れてみて、少しでも生活が変わると良いな、と思います。それがToheの魅力であり、私が実感した、失っていま戻りつつある「遊び心」です。最後に、本日はクリスマスですね。改めて、今回ご支援をいただいた皆さんに御礼申し上げます。メリークリスマス! もっと見る
【プロジェクト達成のご報告】ご支援本当に有難うございます!
2020/12/24 18:16皆様こんばんは。プロジェクトメンバーのクロスフィールズ西川です。皆様のご支援、応援のおかげで、本日目標金額を無事達成することができました。チームを代表して、心から御礼申し上げます。頂いた応援コメントはメンバー全員が全て拝見しております。温かいメッセージに元気と勇気をもらう瞬間が幾度もありました。本当に有難うございます。本日は達成の御礼と共に、プロボノ活動立ち上げから今に至るまで、感じたことをお伝えします。クロスフィールズは、日本企業の社員の方々にアジア新興国で社会課題解決に取り組むNPO/社会的企業に一定期間行って頂き、本業の経験とスキルを総動員して課題解決に取り組んでもらう「留職」という事業を行ってきました。(発起人の福嶋さんは留職卒業生の1人です)私自身、支援する側もされる側も、どちらも得るものがあるwin-winな国際協力の形を追求したい!と思って仕事をしていて、留職を通じた新興国のNPO/社会的企業への貢献には手ごたえを感じていました。そんな中コロナがやってきて、留職はストップ。新興国のパートナー団体と繋がり協働する手段が絶たれてしまいました。コロナ禍で多くのパートナー団体が打撃を受け、厳しい状況に陥りました。いくつもの団体から、「かなり厳しい」「クロスフィールズからオンラインでも良いから留職者を送ってくれない?」とSOSが届きました。その中の一つがこれまで5年に渡って協業を続けてきたToheでしたが、パートナー団体からの声に対して、何もできない自分の無力さに悶々とする日々でした。「物理的に移動できなくても、知恵と想いを持ち寄れば何かできるはず!」と思い、メンバーに声をかけたところ、有志メンバーの共感を得て、一緒に新しい国際協力の形を模索しよう!とプロボノチームを立ち上げたのでした。正直、チームが立ち上がったときは本当にToheに貢献できるかな、とやや半信半疑でした。本業の傍ら、週4~8時間程度時間を捻出して活動。言語も文化も違う相手とオンラインで協働。簡単なことではありませんでした。でも、「Toheのために頑張りたい!」「このメンバーで協働すると楽しい!エネルギーをもらえる!」そんな想いが連鎖して、徐々に信頼関係も深まり、気づけばToheチームも日本チームも、全員が全力投球で臨む日越協働ミッションになっていました。背景にあったのは、「共感」だと思います。お互いに心を開き、傾聴し、協働しようと手を差し伸べ手を取り合ったからこそできたんだと思います。プロボノ活動を通じて、直接顔を合わせられなくても、行ったこと・会ったことがなくても、心は通じ合うし、目標や想いを共にして協働することができると実感しました。このクラウドファンディングでも、数多くの皆様に共感して頂き、ご支援を頂いたのだと感じています。改めて、本当に有難うございます!クラウドファンディングは残すところ1日となりました。最後までチーム一丸となってやり切りますので、引き続き応援頂けますと幸いです。 もっと見る
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